9月16日放送の『北野誠のズバリ』「ズバリ法律相談室」のコーナーには、親の介護に悩むリスナーAさんからお悩みが寄せられました。
過去に犯罪を重ねてきた父親と距離をとっていたAさん。しかし父が病気になり、ひとりっ子のAさんは親戚から介護をしてほしいと頼まれてしまったというのです。
父の介護をどうしてもしなければならないのだろうかと苦悩するAさんに、オリンピア法律事務所の原武之弁護士がアドバイスを送りました。
手に負えない親の介護。こどもの義務なの?
民法に定められた「扶養義務」
「私には過去に暴行や窃盗など、犯罪を重ねた父がいます。彼の過去の行いから、彼とは距離をとっていました。先日病気にかかり、親戚から『介護をやってほしい』と頼まれました。というのも私がひとりっ子で、肉親で面倒を見る人が他にいなかったからです。
周囲に相談しても『こどもとして最後の親孝行をしたらどうか』と言われました。どうしても介護をしなければならないのでしょうか」(Aさん)
実際、こどもに「親の介護の義務」は生じるのでしょうか?
原弁護士によると、民法の887条に「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」とあるため、扶養義務は発生するそうです。
ただし、これは物理的なことまで求めているわけではなく、「金銭的には援助しなさいよ」という意味であるんだそう。
周囲に相談しても『こどもとして最後の親孝行をしたらどうか』と言われました。どうしても介護をしなければならないのでしょうか」(Aさん)
実際、こどもに「親の介護の義務」は生じるのでしょうか?
原弁護士によると、民法の887条に「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」とあるため、扶養義務は発生するそうです。
ただし、これは物理的なことまで求めているわけではなく、「金銭的には援助しなさいよ」という意味であるんだそう。
長男は介護、二男は?
「金銭的には一定の負担をしなければならない」という事実に、「こういう義務ってあったんですね」と驚く北野誠。
とはいえ、民法に定められているのは「扶養する義務」であって、「介護の義務」ではありません。
原弁護士によると、実際に介護をしないからといって、法的なペナルティや罰則はないといいます。
この場合難しくなるのは、例えば長男が親を扶養し介護をしてるのに、二男はなにもしていないといったケース。
これは兄弟間での調整や協議が必要となり、無理ならば家庭裁判所の判断をあおぐことになります。
「相談者に経済的な余裕がないという場合は、認めてもらえないんですか?」と尋ねる北野に、「最終的に扶養の義務を求めるとしたら、裁判所を通じて求めて来る」と原弁護士。
裁判所はその人の資力や生活状況、健康状況などを加味して決めるため、本当にお金がない場合は「扶養する必要はない」という結論が出ることもあるそうです。
とはいえ、民法に定められているのは「扶養する義務」であって、「介護の義務」ではありません。
原弁護士によると、実際に介護をしないからといって、法的なペナルティや罰則はないといいます。
この場合難しくなるのは、例えば長男が親を扶養し介護をしてるのに、二男はなにもしていないといったケース。
これは兄弟間での調整や協議が必要となり、無理ならば家庭裁判所の判断をあおぐことになります。
「相談者に経済的な余裕がないという場合は、認めてもらえないんですか?」と尋ねる北野に、「最終的に扶養の義務を求めるとしたら、裁判所を通じて求めて来る」と原弁護士。
裁判所はその人の資力や生活状況、健康状況などを加味して決めるため、本当にお金がない場合は「扶養する必要はない」という結論が出ることもあるそうです。
「保護責任者遺棄」の犯罪
前述した通り、兄弟間の話し合いでまとまらない場合は調停となります。
最終的には、裁判所の判断で「このぐらい負担しなさい」という命令が出る可能性もありますが、「実際にこれが具体化するケースは少ない」と原弁護士。
これは兄弟間の話し合いで解決する場合や、年金に頼る場合があるため。
さらに家族全員が本当にお金がない場合は、生活保護などの福祉の手助けを得ているというのが実態なので、裁判にまで発展するケースはあまりないといいます。
「例えば介護をしていて、途中で疲れて放置した場合どうなっていくんですかね?」という北野の質問に、「そこが問題で」と原弁護士。
一度介護を開始してから途中で放置するのは「保護責任者遺棄」。
これで、もし亡くなってしまった場合は「保護責任者遺棄致死」という犯罪に、それぞれなってしまうというのです。
「一旦介護を始めちゃうと、もう施設に入れるか、見届けるかしかない」んだそう。
最終的には、裁判所の判断で「このぐらい負担しなさい」という命令が出る可能性もありますが、「実際にこれが具体化するケースは少ない」と原弁護士。
これは兄弟間の話し合いで解決する場合や、年金に頼る場合があるため。
さらに家族全員が本当にお金がない場合は、生活保護などの福祉の手助けを得ているというのが実態なので、裁判にまで発展するケースはあまりないといいます。
「例えば介護をしていて、途中で疲れて放置した場合どうなっていくんですかね?」という北野の質問に、「そこが問題で」と原弁護士。
一度介護を開始してから途中で放置するのは「保護責任者遺棄」。
これで、もし亡くなってしまった場合は「保護責任者遺棄致死」という犯罪に、それぞれなってしまうというのです。
「一旦介護を始めちゃうと、もう施設に入れるか、見届けるかしかない」んだそう。
介護の限界
「親はもうそんなに長く生きられないだろう」と思って、会社を辞め、退職金で親の介護を始めたものの、「意外と亡くならない」というケースも社会問題化していると北野。
介護を引き継いでくれる人もいなく、タイミングよく入れる施設もない。
ひとりで抱え込んでしまった結果、自分が病気になってしまうパターンもあるといいます。
以前問題になったのは、介護中に寝てしまった時に親が外に出てしまい、電車事故に巻き込まれたというケース。
「そういう風に限界に達している方もたくさんいらっしゃる」と原弁護士。
介護を引き継いでくれる人もいなく、タイミングよく入れる施設もない。
ひとりで抱え込んでしまった結果、自分が病気になってしまうパターンもあるといいます。
以前問題になったのは、介護中に寝てしまった時に親が外に出てしまい、電車事故に巻き込まれたというケース。
「そういう風に限界に達している方もたくさんいらっしゃる」と原弁護士。
終わりの見えない介護問題
介護は「終わりが見えない」もの。
「こどもは親孝行をしなさい」という呪縛があるため、真面目な方ほど「自分がやらなきゃ」と自分を追い込んでしまうというのです。
役所へ相談に行っても、「自分の親の面倒を見ないんですか?」という心無い一言が、その人を追い込んでしまうという場合さえあります。
原弁護士いわく「一番怖いのは、介護をやっている人たち」。
「その前の費用でもめているのはまだ話し合いできる余地があるし、福祉も助けられるので。介護を引き受けたら大変だということを周りが理解してほしい」と訴える原弁護士でした。
(minto)
「こどもは親孝行をしなさい」という呪縛があるため、真面目な方ほど「自分がやらなきゃ」と自分を追い込んでしまうというのです。
役所へ相談に行っても、「自分の親の面倒を見ないんですか?」という心無い一言が、その人を追い込んでしまうという場合さえあります。
原弁護士いわく「一番怖いのは、介護をやっている人たち」。
「その前の費用でもめているのはまだ話し合いできる余地があるし、福祉も助けられるので。介護を引き受けたら大変だということを周りが理解してほしい」と訴える原弁護士でした。
(minto)
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