北野誠のズバリ

防災情報は自分で手に入れる時代!いのちを守るために大切なこと

記録的な集中豪雨が東海地方を襲った「東海豪雨」から、今年9月でちょうど20年。

風水害の被害がますます厳しさを増す現在においても、田畑の様子や川の様子を見に行き命を落としてしまうケースや、避難指示が出ていることを知らなかったというケースが後を絶ちません。

9月11日放送の『北野誠のズバリ』では、「自宅にいながら、自分で手に入れることができる防災情報」について、認定特定非営利活動法人レスキューストックヤード代表理事の栗田暢之さんからお話をうかがいました。

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ハザードマップで自宅の浸水予測を知る

IT化の進む現在。昨年から防災情報の「レベル化」が行われ、その中に河川の水位の情報が含まれるようになりました。

パソコンやスマートフォンを通して、自宅にいながら河川の水位の変化や河川の状況を手軽に確認できるようになりましたが、それでも注意しておかなければならないことがあります。

まず大切なのは、自分が住んでいる地域が「水害に遭いやすい地域なのかどうか」を事前に知っておくこと。

これは、各市区町村が紙ベースで全戸配布、もしくはHPに掲載している「ハザードマップ」を見ることでわかります。

ハザードマップで確認すべきことは、自宅の浸水予測のほか、職場や学校などの指定避難所や、その避難所までの避難ルートについて。

もし自宅が床上浸水する確率が高いという場合は、「レベル4」で避難を。

家族に、高齢者などの避難に時間がかかる方がいる場合は、「レベル3」で避難を考える必要があります。
 

コロナ禍で推奨される「分散避難」

この「レベル」とは、市区町村が発表する避難情報のこと。

レベル3は「避難準備情報」、レベル4は「避難勧告」や「避難指示」を指します。

しかし、現在のようなコロナ禍において推奨されているのは、密を避ける「分散避難」。

1か所の指定避難所に人が集中すると「密」の状態をつくり出してしまうため、例えば自宅がマンションの上階の方や、ハザードマップで危険のない地域の方は、「そのまま自宅に留まる」。

もしくは「被害の少ない親戚や知人宅などを避難場所の候補として考える」ということが推奨されています。
 

2018年「西日本豪雨」の悲劇

とはいえ、やはり早め早めの避難が大切であることに変わりはありません。

2年前の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町では、ハザードマップ通りに2階の屋根まで浸水し、51名が亡くなりました。

この時亡くなった方のおよそ8割が70歳以上。

同じく8割以上の42人が、住宅1階部分で遺体となって発見されたのです。

これらのデータから見ても、家族にお年寄りがいる場合や、自宅が1階のみの場合は、早めに避難をしないと助からない場合が多いといえます。

過去には自主的に高台の知人宅に避難した方や、ビジネスホテルで過ごした方もいたそうです。

ビジネスホテルはだいたい1泊朝食付きで4,000円~5,000円といった料金で泊まれるため、こういった自主避難は「コロナ禍でも応用できそうな懸命な判断」と栗田さん。

避難の選択肢は多いにこしたことはないため、あらかじめ家族や友人・知人などと話し合っておくことが大切であるということです。
 

見逃すな!気象庁からの「最後通告」

それでは、いざ豪雨となってしまった時には、どんな情報を大切にすべきなのでしょうか?

やはり情報量とスピードを考えると、インターネットに勝るものはありません。
これはFAXが主流で、携帯電話を持っている人がほとんどいなかった、25年前の阪神・淡路大震災の頃とは、まるで異なるところです。

しかしその一方、ネットは情報であふれかえってしまっているため、「何が大切な情報なのか」ということがわからなくなってしまう場合もあります。

見逃してはいけない特に重要な情報は、市区町村から出される「避難情報(警戒レベル)」。

レベル3やレベル4が発表された場合は、すぐに避難を開始すべきです。

河川の近くに住んでいる方は、いつ堤防が決壊してもおかしくないという段階の「氾濫危険情報」。
山の近くに住んでいる方は「土砂災害警戒情報」に最も注意が必要です。

数十年に一度の大雨であることを示す「大雨特別警報」は、気象庁からの「最後通告」になるということです。
 

正しい情報を見極める

河川の氾濫も非常に心配なことのひとつですが、愛知県では「愛知県 川の防災情報」、岐阜県では「岐阜県 川の防災情報」、三重県では「国土交通省の川の防災情報」から確認することができます。

ネットにはさまざまな情報があふれていますが、まずは自治体が発表する公的な正しい情報を確認することが大切です。

災害時には携帯電話での通話ができない場合もありますが、SNSはわりとつながりやすいもの。

しかし、中にはフェイクニュースが紛れ込んでいる場合もあるため、信頼できる人と情報をやり取りするといったことが必要となります。

不確定な情報を鵜呑みにしたり、拡散したりしないといった「正しい情報の見極め」が大切だということです。
 
改めて、私たちが「普段から心がけておかなければならないこと」を栗田さんにうかがいます。

まず、台風や秋雨前線シーズンが本格化するこれからの季節において、東海豪雨のような水害が発生する恐れがあるという現実を知ること。

そして、自分が住んでいる地域のハザードを知るということ。
コロナ禍の「分散避難」も加味した、マイ避難計画をイメージし、備えることが大切であるということです。

さらに、いざという時は正しい情報を入手し、できるだけ「早めの避難」をすること。
被災者の方からは「まさか…」「(水が)一気に来た」という話を聞くという栗田さん。
「本当に、死にますよ。ちゃんとしないと」と、他人事では済まされない災害の恐ろしさを語ります。

普段から家族で話し合い、正しい情報を入手し、早めの避難を心掛けること。
そして、可能な限り近くの要援護者の手助けもしてほしいと訴える栗田さんでした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2020年09月11日13時23分~抜粋

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