北野誠のズバリ

最も効果的な熱中症対策は「〇〇を冷やすこと」!

長かった梅雨が明け、朝から強い日差しが照り付けるようになりました。
夏本番を迎えるにあたって気を付けなければならないのは、やはり「熱中症」です。

7月31日放送の『北野誠のズバリ』、健康の悩み、夫婦の悩みなどを解決する「中高年よろず相談室」のコーナーには、「熱中症対策を教えてほしい」という焼き鳥屋さんの男性(58歳)からのお悩みが寄せられました。

心療内科本郷赤門前クリニックの院長で医学博士の吉田たかよし先生が、アドバイスを送ります。

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特に危険な「梅雨明け直後の3日間」

「私の仕事は焼き鳥屋です。日々焼き台の前に立ち焼き鳥を焼いていますが、熱中症が心配です。昨年、仕事終わりで家に帰った後、めまい、嘔吐、下痢で倒れたこともあります。今年もいよいよ暑くなってきて、焼き場の温度計は42度を指していました。

もちろん、こまめに経口補水液などで水分補給はしていますが、気合と根性では乗り切れなくなってきました。

仕事前に食べておいた方がいいものとか、仕事終わりに食べたり飲んだりしたほうがいいものや、仕事中に体温を冷やす良い方法があれば教えてください」(Aさん)

吉田先生によると、熱中症に一番気をつけなければならないのは、梅雨明け直後の3日間。

この3日間は、まだ人体が真夏の暑さに慣れていないため、熱中症の症状が特に重くなってしまうのです。

熱中症で命を落とす人は、この時期に集中しているというデータが出ています。
 

コーヒーとお茶は要注意!

熱中症の原因は主に2つ。

まず1つめは、汗と一緒に水分と塩分が奪われてしまい、脱水症状とナトリウムの不足で、神経と筋肉が正常に働かなくなってしまうということ。

これは「汗出てていくよりも、多くの水分と塩分を補給するだけ」というとてもシンプルな方法で解決しますが、飲み物には注意が必要です。

それは、コーヒーとお茶。

これらの飲み物に含まれるカフェインは利尿作用があるため、せっかく飲んだ水分が尿として出ていってしまうのです。

Aさんのように暑い場所に長時間いる人の場合は、カフェインが含まれていない飲みものを飲むことが大切。

カフェインは健康には良いものですが、熱中症の危険がある場所で飲むのはNGということです。
 

経口補水液の飲み方

Aさんも口にしているという経口補水液は、塩分と糖分の濃度が絶妙なバランスで配合されているため、「飲んだらすぐに十二指腸でものすごく効率よく吸収される」と吉田先生。

ただ糖分がかなり多いため、普段から大量に飲むと糖尿病の心配もあります。

Aさんのように暑い場所で長時間仕事をしているという場合でも、2回水を飲んだら、1回経口補水液を飲むというバランスがベスト。

熱中症の症状が出た時は経口補水液がベストなので、常備しておくのがおすすめです。
 

体温が42度を超えると起こる「特殊な状態」

熱中症のもうひとつの原因は、体温の上昇。

いくら水分や塩分を補給しても、純粋に体温が上がってしまうと脳も心臓も正常に機能しなくなってしまいます。

熱中症で死亡する場合、直接の死因になるのは「体温の上昇」が圧倒的に多いのです。

体温が42度を超えると、人体が「ある特殊な状態」になり、死亡してしまいます。

ここで吉田先生から北野誠に問題です。

「この特殊な状態は、熱中症とは何の関係もないように思える病気でも、直接の死因になっていることがわかっています。その、亡くなり方が共通している別の病気とはなんでしょうか」

「42度の高熱」というヒントから、「インフルエンザ」と予想した北野でしたが、これは間違い。

実は、今まさに社会問題となっている「新型コロナウイルス」での亡くなり方と似ているというのです。
 

新型コロナも熱中症も「血栓」を作る

始めは「ただの風邪」ぐらいの軽い症状。

しかし、ある時を境に急に肺炎が悪化して、あれよあれよという間に命を落とす人が多い新型コロナウイルス。

実はこれは、全身のいたるところに血栓ができて、肺はもちろん全身のありとあらゆる臓器が機能不全になる「多臓器不全」という状態で死に至るもの。

これと同じことが熱中症でも起こります。

新型コロナウイルスは免疫力が暴走して血栓ができますが、熱中症は内毒素という物質ができて、それが血栓を作るのです。

「新型コロナも熱中症もどちらも怖い病気」と吉田先生。
 

とにかく「首」を冷やす

「『動脈を冷やせ』というのは正しいのでしょうか?」という北野の問いに、「これは正しい」と吉田先生。

おでこを冷やしても、頭蓋骨が分厚いため脳は冷えません。

熱中症で病院に担ぎ込まれた場合、首、わきの下、足の付け根といった太い動脈を冷やします。

中でも特に重要なのは「首」を冷やすこと。

首が冷えることで冷えた血液が脳に回って脳を冷やし、それが心臓に戻って心臓を冷やします。

薄手の手ぬぐいに保冷剤を巻いて首に巻きつけるだけの大変お手軽な方法ですが、20分ほどしか持たないため、こまめに保冷剤を取り換えることが必要です。

Aさんのように暑い場所で仕事をしている人は、水分補給はもちろんのこと、同時に「首を冷やす」ことがおすすめということでした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2020年07月31日14時12分~抜粋

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