北野誠のズバリ

「京都はそんないけずちゃうねん!」ITジャーナリスト、京都サゲ記事に吠える

「地元の京都に来週帰っていい?ってLINEしたら『東京大変らしいけど、そっちマスクとティッシュ足りてる?』っていう意訳すると京都に来るなっていう返信が秒で来た」

連休に京都の実家に帰省しようとしていたOLさんのこのツイートが、『FNNプライムオンライン』で「京都特有の言い回しの難易度が高すぎる」と取り上げられています。

7月27日放送の『北野誠のズバリ』では、京都出身のITジャーナリスト・井上トシユキが、この記事のようにネットで定番化している「京都人いけず伝説」に異を唱えました。

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京都“府民”と京都“市民”

この記事について、「京都の僕からすると、間違いだらけの記事なので放置してられないな」と声を大にする井上。

まず井上が気になったのは、「京都府民は遠回しな言い方を好み、あまり本心を口にしないという印象を持っている人は多いかもしれない」という記事冒頭の部分。

「京都府民全く関係ないです!京都“市民”ならまだ分かります。丹波篠山とか舞鶴の人とか、遠回しな言い方しません、あの人ら。なんなら語尾も言い回しも違います。全くこの人、京都のことわかってないですよね」

井上は、この記事の筆者が「京都府」と一括りにしていることがとにかくおかしいと指摘します。
 

「京都弁」は存在しない!

さらに「ついでに言うときます」と、「京都弁」という言葉もこの世には存在しないと豪語する井上。

「弁」とは“なまり”のこと。

「京都、なまりないです。なんなら1200年間、標準語でございましたので。今は“仮に”東京に譲ってやってるだけで、向こうが江戸弁でございます」

「京ことば」はあれど、「京都弁」はなし。

「勘違いしないでくださいね」と、日頃のうっぷんを晴らすかのように、記事に関係ない部分にも触れる井上。

やや脱線しましたが、帰省できなかったOLさんの話に戻ります。
 

娘にははっきり伝える

7月の4連休に京都に帰ってもいいかと親に尋ねたところ、その質問についての返信ではなく、「そっちマスクとティッシュ足りてる?」という言葉が返ってきたという話。

「京都に来るなという意味だなと思った」というこのツイートに、「間違ってます!京都のOLさん、どこの京都かにもよりますね。まず洛中じゃない場合、全く関係ないと思います」と断言する井上。

井上によると、親御さんは「東京大変やろうけども大丈夫?」とただ単に心配しただけ。

「これで『帰ってくんな』とは思わんよね」と援護射撃する北野誠。

肉親に対して、こんな言い方はしないというのです。

井上「内側やねんから、なんで嫌味言わなあかんねん」
北野「なんで東京行った娘に、嫌味返さなあかんねんな」

娘であれば「帰っておいで」「今は帰ってきたらあかん」と、はっきり伝えるだろうというのです。

「ね、この記事作った人、なんにも京都のことわかってないでしょ!」と、繰り返す井上。
 

本当の「出前取りましょか」もある

さらにこの記事では、「京都の人の家を尋ねて、『ぶぶ漬けでもどうどす?』と言われたら『そろそろ帰ったら』という暗黙のサイン」という、社会言語学が専門の教授の話も取り上げています。

「京都人の嫌味な言い方は、ハイコンテクストすぎて理解できない」という通説について、「こんなもんね、シチュエーションによって違います。当たり前のことです」と井上。

井上によると、本当にお腹が減って「出前を取りましょか」という時もあれば、「お前長いねん、はよ帰らんかい!」という意味で「ええ時計してはりますな」という時もあるというのです。

「『時計ちょっと見ろ』と。『何時間経ったと思ってんねん!』っていうのは、それをわからない側のリテラシーの問題だと思います」とバッサリ。

京都人は相手のことを傷つけまいとして、そういう言い方をしているだけだと訴えます。
 

優しい京都を誤解しないで

「京都以外の地方の方々。嫁いで行って知らんうちにスリーアウト食らってて、いつのまにか村八分にあってたみたいな話、いっぱいネットでも出てくる」

気に入らないことがあると、何も言わずに急に村八分にする地方の方が「えげつない」と井上。

親切に遠回しに言ってあげている、優しい京都を誤解しないでほしいというのです。

「そんないけずちゃうねんて、ほんまに。傷つけないでなんとか意志を伝えたい、という工夫やねん。リテラシーが要求されんのよ」

ネットでまことしやかに囁かれている「京都人いけず伝説」について、大いに反論を述べた井上でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2020年07月27日15時24分~抜粋

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