北野誠のズバリ

下痢になるとなかなか止まらない58歳男性。改善方法はあるの?

『北野誠のズバリ』、健康の悩み、夫婦の悩みなどを解決する「中高年よろず相談室」のコーナー。

7月17日の放送では、「下痢になったら止まらない」と悩む男性(58歳)からのお悩みを取り上げました。

「心療内科本郷赤門前クリニック」の院長で医学博士の吉田たかよし先生がアドバイスを送ります。

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ここ数年いつも下痢

Aさんは、こどもの頃からお腹が弱く、通学途中におもらしをしてしまうことも。
大人になった今も、事前にトイレの位置を確認しなければ安心できません。

ここ数年いつも下痢が続いているという、介護士で責任者のAさん。
早出は4時半起き、遅番の時は夕食が23時になり、夜勤もあります。

最初は形があるものの、2回目以降は水様便。痛みや出血はなく、下痢止めを飲むと2日ぐらいは止まるものの、一旦下痢が始まると止まらなくなってしまうそうです。

いつ下痢に襲われるかもしれないという恐怖から、電車やバスにも乗れず。
整腸剤も乳酸菌飲料も飲み続けましたが、効果は感じられません。

日中摂取する水分は1.5リットル、お酒はほぼ毎日、350mlのチューハイを2本飲むというAさん。
特に夜勤中はお腹がパンパンに張って、夜勤明けには、ほぼ一日中下痢をしてしまうといいます。

Aさんは「少しでも良くなる方法はありませんでしょうか」と、吉田先生にアドバイスを求めました。
 

「急性」の下痢と「慢性」の下痢

吉田先生によると、下痢には大きく分けて「急性」と「慢性」の2種類があります。

急性の下痢は、ウイルスや細菌が腸の中で繁殖することによって起こるもの。
高温多湿の今の時期に特に多い「食中毒」です。

しかし、食中毒であれば通常2週間以内に下痢は治まります。

Aさんのように下痢が3週間以上続く場合に考えられるのは、慢性の下痢。

この場合、50代の男性に多くみられる「過敏性腸症候群」という病気が考えられます。

これは、脳がストレスを感じることで大腸の動きが激しくなり、上手く水分を吸収することができずに下痢になってしまうというもの。

大腸そのものの病気ではなく、脳も含めて神経で大腸をコントロールするのが上手くいかなくなるという病気です。
 

深刻な「潰瘍性大腸炎」

Aさんは不規則な生活と、責任者という立場上のプレッシャーもあるのではないかと吉田先生。

50代の男性はこういう境遇の方が多いため、この病気を患う方が多いそうです。

吉田先生からのアドバイスは、「まずは大腸を扱う消化器内科を受診してください」ということ。

過敏性腸症候群は、大腸そのものの病気でないことを確認して初めて診断することができます。

一方、大腸そのものの病気で多いのは「潰瘍性大腸炎」。
日本において、この10年間で1.8倍に増えている病気です。

潰瘍とは「表面が痛んで、えぐれる」という意味。
大腸のいたるところが潰瘍だらけになるという、深刻な病気です。

潰瘍性大腸炎を患った有名人といえば安倍首相。
第一次安倍内閣が退陣する原因のひとつになったのではないかと報道されています。

潰瘍性大腸炎は「自己免疫疾患」。
病原菌を殺すための免疫機能が暴走し、自分で自分を攻撃してしまう病気です。
 

北野誠も健康相談

Aさんについて、まずは検査が必要だと繰り返す吉田先生。

下痢の原因がわからない限り治療ができないため、消化器内科の受診をAさんに促します。

ここで「僕なんかは、ちょっとキムチ食べたらすぐ次の日お腹壊して、ヨーグルト食べたら簡単に固まるんですけど、これは大丈夫ですかね?」と、自身の症状について尋ねる北野誠。

これに「たぶんキムチに含まれている、なんらかの物質に対してアレルギーを持っている可能性が高いと思います」と吉田先生。

キムチには腸を助ける乳酸菌が入っています。

同じ乳酸菌が入っているヨーグルトを食べると腸の調子が良くなるということは、北野の下痢の原因は乳酸菌ではなく、キムチの中の“なにか”だろうと分析します。

「七味かな…七味とか生ニンニクとかすぐお腹壊します」という北野に、「生ニンニクも全体的には健康にいい成分なんですけど、腸の粘膜を刺激する副作用があります」と吉田先生。

そういう方はニンニクを加熱すれば大丈夫ということです。

Aさんの相談にかこつけて、ちゃっかり自分の健康相談も行った北野でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2020年07月17日13時12分~抜粋

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