北野誠のズバリ

食品の缶詰、寝かせておいた方がおいしくなる物がある?

巣ごもり生活や家飲みで注目されるようになった缶詰、長期保存もできて災害時にも役立つ便利な物ですが、実は食べ頃があるのはご存じでしょうか?

6月6日放送の『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、「缶詰の謎に迫る」と題した特集企画を放送。

『缶詰博士が選ぶ!「レジェンド缶詰」究極の逸品36』(講談社)や『日本全国「ローカル缶詰」驚きの逸品36』(講談社)などの著者で、18年間缶詰に関するブログを執筆し続けている缶詰博士の黒川勇人さんにお話を伺いました。

ここではそのお話の中から、缶詰の賞味期限について取りあげます。

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ツナ缶は寝かせるとおいしい!?

そもそも缶詰は食品などを長く保存できる方法として考えられたものです。
黒川さんによれば、日本の缶詰はだいたい3年間ほど持つそうです。

ただ缶詰とはいえ食品なので、時間が経てば経つほど味が落ちていくイメージがあるのですが、実際にはそうとは限らないそうです。

黒川さん「賞味期限内で食べればおいしいのは間違いはないんですけど、もうちょっと味わいに関して食べ頃というと、例えば一番わかりやすいのはツナ缶の油漬けのタイプ。あれは賞味期限ギリギリぐらいがおいしいんですよ」

ある程度寝かしておくことによっておいしくなるそうですが、その理由は何でしょうか。

黒川さん「缶の中に入っている油と、マグロやカツオなどの魚と、さらに塩味とか調味料が入ってますので、これらが全体になじむのに結構時間がかかるんですよ。

ですので、こだわるメーカーさんだと、作ってから半年から1年は寝かせてから出荷している所があるぐらいなんですよね。煮物を作ってからちょっと時間をおいて冷ました後に、味が回っていくのと同じですね」
 

賞味期限を超えてもOK?

それなら、賞味期限の3年を超えて、4年経てばもっとおいしくなるのでしょうか。

黒川さん「ツナ缶の4年は、僕の感じだとちょっとツナに渋みが出てくるんですよ。時間が経って熟成はするけど、賞味期限を過ぎると味はだんだん落ちてくるんですよね。

ただ他の食べ物と違って、消費期限ではなくて賞味期限なので、4年経って食べても健康には全く問題ないです。缶詰が膨らんじゃったりしてると、中でバイ菌が繁殖してるという証拠ですのでダメなんですけど」

寝かせ過ぎは良くないですが、お酒のようにある程度置いておくのは良いそうです。

黒川さんによれば、水煮についても製造から2~3年、賞味期限直前のものがおいしいそうです。
ただし、やわらかい食感が好きな人は買ってすぐの方が良いとのこと。
これは時間が経つと、塩分が魚に入ることで水気が外に出て行き、身が引き締まるからだそうです。
 

フルーツ缶はすぐ食べた方が良い?

では、逆に早く食べた方が良い缶詰はあるのでしょうか?

黒川さん「僕の感触だと、スイートコーンは早い方が良いですね。皮がだんだんふやけてくるんですよ。例えばゆでたてのトウモロコシを食べると、パリッと皮がはじけて中からジュースが飛び出すじゃないですか。ああいう感じがお好きでしたら、買ってすぐ食べた方が良いですね」

そうすると、桃やみかんなど果物の缶詰も早い方が良いのでしょうか。

黒川さん「1年以上経った方が良いですね。シロップが染みるのに時間がかかりますね。桃の缶詰は2年経つとトロットロの感じになりますね」

缶詰はそのまま果物を食べるのとはまた別の味わいがありますが、落語家の春風亭昇太さんは、ミカンの缶詰が好きすぎて、普通のミカンをむいたものに缶詰のシロップを付けて食べられているそうです。

もし家に缶詰がまだたくさん残っているという方は、しばらく置いてみても良いかもしれませんね。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2020年06月06日09時43分~抜粋

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