北野誠のズバリ

大人になっても直らない偏食、実は脳に原因が?

「こどもが食べ物の好き嫌いが多いので直したい」という親も少なくないでしょう。
しかし実はムリヤリ直そうとするのが、かえって良くないケースがあるそうです。

『北野誠のズバリ』の「中高年よろず相談室」コーナーでは毎回、中高年に関する健康などのお悩みを取り上げています。
3月13日の放送では、中高年に限らない「偏食」に関する問題に対して、本郷赤門前クリニック院長の吉田たかよし先生が回答しました。

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赤ちゃんの時から好き嫌いを判断

「うちの娘(9歳)は、いつも学校の給食を残していて、家でもあまり堅い食べ物やよく噛まないといけない物はよく残します。あと『においがキツい』と言って食べないこともあります。
最初はわがままと思っていましたが、もしかして何か病気なのでしょうか?」(Aさん)

まず、食べ物の好き嫌いはいつからできるのでしょうか?

吉田先生「脳の扁桃体という部分で好き嫌いを判断するということがわかってきまして、例えば赤ちゃんの時は、苦いものは毒かもしれない、酸っぱいものは腐っているかもしれないというプログラムが備わった状態で生まれてくるんですね」

よく「人間の本能」と表されるところですね。

吉田先生「成長とともに『苦いとかえって栄養になるな』とか『少し酸っぱいぐらいだと、発酵食品なのでかえって健康にいいな』と学習されて、扁桃体のプログラムが書き換えられるので、大人になったらいろんな物が食べられるんですね」
 

多くのこどもが野菜を嫌う原因

では、食べてみないと好きか嫌いか判断できないのに、人にはなぜ「食わず嫌い」があるのでしょうか?

吉田先生「こどもの好き嫌いの原因は、かなりが食わず嫌いなんですよ。食べてみて問題がないことを学習しないと、永遠に食べないわけですね。

例えば、多くのお子さんは野菜が嫌いですけど、これも脳の扁桃体が、野菜の食物繊維を食用に適さない木や草だと認識しているので、少しずつ『木や草じゃなく、栄養になるんだ』と学習させることが大事なんですね」

そうなると、いろいろな物をとにかく食べさせることが大事ということになるのですが、ここで吉田先生は「こどもによっては、必ずしも偏食を直すことが良いとは限らない」と語りました。

偏食を直すことがダメなのは、どんなケースなのでしょうか?
 

苦手な理由を確認

発達障害の研究により、多くのこどもと比べて脳への感じ方が異なることで、偏食につながる場合があることがわかったそうです。

吉田先生「例えば、シイタケみたいなキノコ類が一切食べられない。本人に聞くと、ゴムを食べさせられてる感覚で、気持ち悪くて吐き出しちゃうと。あとは、ゴマが振りかけられていると、小さな虫に見えちゃう。

あとポテトチップスなどのスナック類、好きなお子さんが多いのに、全く食べられないっていうお子さんもいまして。食べる時のパリッとかサクッっていう音をものすごく大きく感じる場合があるんですね。聴覚過敏っていうんですけど、工事現場の騒音のように感じる。

こういうお子さんに偏食やめなさいって無理やり食べさせるのは、拷問に近いことで、ぜひ医者などと相談して、食べられる範囲で栄養が偏らないように、食事のメニューを工夫していただきたいですね」

また「こどもは誰でも好き」と思いがちなカレーライスも注意が必要とのこと。
甘くされたこども用のカレーであっても、わずかな辛みが痛さの感覚を伴うため、こどもによってはつらく感じてしまうこともあるそうです。

最後に「大人の感覚をこどもに押しつけるのは、良くないですね」とアドバイスする吉田先生でした。
(岡本)
 
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