北野誠のズバリ

仏像の盗難が全国で増加!盗難を防ぐ意外な技術

全国でも仏像盗難の被害は増えているようですが、愛知県でも仏像の盗難が増加しています。

4か所の無人の寺から仏像を盗んだとして、窃盗や建造物侵入の罪に問われた古物商42歳の男に対し、名古屋地裁豊橋支部は、懲役1年8ヶ月の判決を言い渡しました。

その一方で、盗まれた仏像を返すのが困難である実情も明らかになったそうです。

2月8日の『北野誠のズバリサタデー』では、文化財などの盗難対策を行われているという、和歌山県立博物館主任学芸員の大河内智之さんに、北野誠が電話で尋ねました。

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仏像の盗難が増えている原因

盗難の総数を把握するのは難しいそうですが、大河内さんによりますと、和歌山県の場合、過去10年で約100件の盗難があったそうです。

大河内さんが勤めている和歌山県立博物館では、盗難から取り返せたのですが、管理が難しくなったという仏像や、犯人が多く盗み過ぎてどこから盗んだのかわからず、元の所有者に返せないままとなった仏像を預かっていて、所有者を探しているのだそうです。

和歌山県立博物館で預かっている仏像で一番古いのは、1,000年以上前と推定されるものだそうで、文化財とも言えるものです。

盗まれてしまう原因の1つに、過疎化が進んでお寺に人がいなくなったということが考えられます。

大河内さんによりますと、お寺に住職がいない状態で、そこの集落の人達が共同で見ているというケースが圧倒的に多いのだそうです。
普段は人目につかない状態となり、仏像の盗難が防げなくなってしまいます。
 

盗んだ仏像はどこに売られる?

仏像を盗む目的がお金であることは、容易に想像できるのですが、どこで換金しているのでしょうか?

大河内さん「今回、豊橋で捕まったのは古物商ですが、骨董品ブームで需要が非常に高まっていると。一方で古物商の業界だけではなくて、インターネットのオークションでたやすく誰でも売ったりできますので、盗難品が転売されるケースも多くあります」

以前は売る場所が限られて業界が狭かったため、盗難品は売れませんでしたが、ネットオークションのある今では簡単に売れてしまうようです。

大河内さん「古物商は古物営業法という法律で、『盗品は絶対に扱ったらあかんよ』というふうに決められてるわけなんですね。盗品を見分けるプロでもあるわけなので、うがった言い方ですが、ホントのところ『これは怪しいな』と、ピンと来ると思うんですね。

たやすくどんどん転売ができてしまう中では、見て見ぬふりをしているのかなと、ちょっと思ったりする時はありますね」
 

IT技術で盗難防止!?

盗まれないためには、お寺に常に人がいれば良いのでしょうが、過疎化が進む地域では難しそうです。

そこで、和歌山県立博物館で考えた方法は、御本尊を預かる代わりに、和歌山工業高校の生徒が授業の一環として、3Dプリンターを使ってお身代わりの仏像を作るというもの。

今まで14か所28体作られていて、生徒さんが地元へ納めに行くという活動をしています。

大昔のものを守るために、最新の技術を使うというのは面白いところですが、大河内さんはこうアドバイスしました。

「犯人が来た時に『これでは盗れへんな』と思わせることが大事として、鍵が1つのところは2つ3つにするとか、防犯カメラやライトを付けられるところは付けるとか、二重三重の対策を取る必要がある」
(岡本)
 
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2020年02月08日09時42分~抜粋

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