北野誠のズバリ

健康診断で「再検査」と判定、実は受けた方がおトク!

健康診断で毎年「再検査」を促され、「めんどくさいから受けたくない。前回と数値があまり変わってないし、別に体の調子が悪くなってないから大丈夫!」と思っているアナタ!

数値が安定しているからといって、安心はできないようです。

『北野誠のズバリ』の「中高年よろず相談室」コーナー。1月31日の放送では、健康診断に関する質問に対し、本郷赤門前クリニック院長の吉田たかよし先生が回答しました。

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健康診断に行きたくない

病院嫌いという50代男性からのおたよりは、次のとおりです。

「身長174cm、56kgのやせ型体型です。γ-GTPは230前後、トリグリセライド(中性脂肪)が400前後、血便・血尿が毎年"要精密検査"です。

毎年、健康診断でひっかかり、再精密検査と指導が入りますが、病院嫌いなので無視です。

どこか悪いのかなと思うのですが、ここ10年、悪いなりに数値は安定しているし、番組内の常識である"お酒が飲めるなら大丈夫"もクリアしています。

2年前から、どうせ2次検査もやらないから、健康診断はもうやっていません。今後どんな症状が出たら、検査を受けた方が良いのでしょうか?

ちなみに、運動は毎週ゴルフをやっています。晩酌は毎日、睡眠時間は毎日7時間以上です」(Aさん)
 

γ-GTPの数値が高いのはなぜ悪い?

γ-GTPの数値は高めではあるものの、上がってはいないようですが、これは大丈夫なのでしょうか?

吉田先生「たまたま悪化しなかった可能性もゼロではないんですけど、普通に考えたらγ-GTPが230前後で、さらに毎晩お酒を飲まれていることを考慮すると、よほど運が良くない限り、肝臓がより悪化している可能性が高いと思いますね」

数値が安定しているので、肝臓の調子が悪化していないように思ってしまいますが…。

吉田先生「γ-GTPは肝臓がどんどん悪化しているのに、高い数値で安定しているというのは、よくあることなんですね。

どうしてかといいますと、γ-GTPは本来悪い物質ではないどころか、肝臓がアミノ酸を代謝するのに不可欠な酵素なんですね。ただ、肝臓の細胞の中にあるんですよ。これが増えるということは、細胞が食われてダダ漏れになっている。

すい臓や胆のうの病気でも(γ-GTPの数値が)上がりますけど、多いのはアルコールで細胞が破壊される"アルコール性肝障害"という病気なんです」
 

ASTとALTの落とし穴

そして、吉田先生はこの数値が長年同じであっても、肝臓自体は悪化し続けていると警告します。

吉田先生「γ-GTPの数値は、肝臓などの細胞が毎日食われていくスピードを表してるものなんですね。決して今まで食われたトータルの量を表しているわけではないわけですから。

医学的にはγ-GTPが200を超えますと高度の増加と認定され、かなりのスピードで病気がが悪化している可能性が高いと言えますね」

相談者のAさんは、肝臓の状況を表すASTとALTの数値も上がっていると考えられるそうですが、吉田先生はこの数値に実は落とし穴があると説明しました。

吉田先生「肝臓が壊れだすと、漏れ出す酵素もなくなっちゃうんですよ。逆に数値が減ってしまうということはよくあることで、どちらにせよ、検査は絶対に必要です!」
 

再検査は絶対に受けるべき!

こうなると人間ドックを受けなければと思いそうですが、吉田先生は再検査の方をおすすめするそうです。

吉田先生「人間ドックは保険診療の対象外で、結構高いお金がかかっちゃいますけど、再検査、精密検査は保険対象ですから、3割負担で済むわけですよ。

ぶっちゃけて言いますけど、健康診断で引っかかって精密検査を受けるというのは、お金の面でものすごく得なことなんですよ。高価な検査を安く受けられる。

また、医者の立場からも言いますと、再検査で医者で病気を見逃したら、後から医療過誤として訴えられるかもしれないので、プレッシャーがかかるから、医者は結構しっかり診察しますね」

ただ、再検査に引っかかりやすいよう、無駄に厳しくしているのではないかという意見も一部ではあるようです。

この意見について、吉田先生は「多くの人が精密検査を受けることで、膨大なデータを毎年検証して、よりよい健康診断になるように改良してるんですね。健康診断の判定はよくできていると評価しています」とまとめました。

健康診断で再検査と言われたら、きちんと受けた方がお得なようです。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2020年01月31日14時12分~抜粋

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