北野誠のズバリ

「幼児教育・保育の無償化」開始1ヶ月で早くも失敗?その原因とは

『北野誠のズバリサタデー』では、今週起こったさまざまなニュースのうち、パーソナリティーが気になるものをピックアップ。

11月23日の放送では、ITジャーナリストの井上トシユキが、今年10月からスタートした「幼児教育・保育の無償化」について、制度自体が失敗していると厳しく批判しました。

一見、子育て世代にとってありがたい制度のように見えるのですが、どこが失敗なのでしょうか?

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開始2ヶ月弱でいきなり予算不足

「幼児教育・保育の無償化」とは、幼稚園や保育園にかかる費用負担をなくす、あるいは上限の金額を設けて負担を減らそうというものです(無償かどうかは、こどもの年齢や保護者の年収などによって判定。また、送迎や行事などにかかる費用などは、無償化の対象外)。

ところが、新聞等の記事によりますと、2019年度分の財源がすでに数百億円不足する見通しとなることが、11月20日にわかったそうで、看板政策がいきなり予算不足に陥るのは異例とのこと。

単価の高い保育園などを利用する人が想定以上に多かったことが主な原因と考えられており、不足分は補正予算で充てるそうです。

井上はまず、「いきなり予算不足になるような制度を通したということに関して、制度に賛成した主に与党の方々は、本当に恥ずかしいと思ってください」と批判。

国会のメインの仕事は、国民などから集めた莫大なお金をどう分配するか、つまり予算の計画を立てることであり、わずか開始2ヶ月弱で計画が崩れるというのは、見通しが甘かったとしか言いようがありません。

制度に欠陥が?

国がこどもの教育にお金をかける制度自体は悪いことではありませんが、井上が問題としているのは、「幼稚園・保育所・認定こども園の利用料が無償」という点。

無償あるいはある程度の負担で済むのであれば、良い保育園や幼稚園に通おうと思うのは当たり前です。

井上「そんなもん、単価が高いところに行った方が得やんってみんな思うわけですよ。なんでそれが織り込めなかったのか。

今回(予算を)追加するって言ってるんですけど、300億円ぐらい足りないと。来年は通年でやるわけですから少なくとも倍以上、1,000億円レベルになるって言われてるんですよ。湯水のように間違った制度設計に基づいて、お金を使っても良いものなのか。

"過ちては改むるにはばかることなかれ"というように、すぐに改めてください。破綻してるんだから」

少子化へいろいろな対策を練ることは必要ですので、悪い点が発覚したら改善していって欲しいというところです。

保育士の待遇改善も急務

無償化がもたらした問題について、井上は他にもあると訴えます。

井上「もう1つは、(保護者が)働かないといけないので、(家計で)浮いたお金が出てくる分、延長保育に使うわけですよ。それは良いんですけど、保育士さんたちが激務になってるわけですよね。ここのところをどうするんだという話。

支援するなら、保育士に対する給料の支援をせえと。ここに関しては、(法律が成立する前の)一部の野党の反対は正しかったんですよ。それに耳を貸さずに、バラマキに近い。
あんだけ民主党政権の時、(こども手当に対して)バラマキ批判してた人たちが、こんなバラマキやって、(無償化を)始めた途端に立ち行きませんって、それはなんなんだと」

無償化でニーズが増えたものの、急に保育士さんは増やせませんので、せめて待遇を良くすることが必要。

その点では保護者の金銭的な負担を減らすことと、保育士さんの給料を増やすことを両輪で実現する必要がありそうです。
(岡本)
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2019年11月23日09時09分~抜粋

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