北野誠のズバリ

お堅いイメージの下水道科学館、入館者数が1.5倍に増えた意外な理由

『北野誠のズバリ』の1コーナー、「松岡亜矢子の地元に聞いちゃうぞ」では毎回、東海地区に関する話題を伝えていますが、今回取り上げるスポットは、名古屋城近くにある名古屋市下水道科学館。

下水道に特化した科学館というと、失礼ながら地味なイメージがありますが、あるものをフィーチャーしたところ、年間来場者数が1万5千人増え、なんと5割もアップする事態に。
特に小学生低学年以下のこどもが大喜びしそうなもので、下水道に関係のあるものとはいったい何なのでしょうか。

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見学ツアー参加者ゼロ人だったが…

その答えはズバリ、「うんち」です。

あまりにもストレートな題材に対し、北野も思わず「うんちでこどもを集めようとしてる安易なやり方や!(笑)こどもって"うんち"って言うだけで喜びよんねん」とツッコミ。

名古屋市下水道科学館マネージャーの木全(きまた)ちあきさんに電話でお話を伺いました。

公共施設らしからぬ思い切った方針は、どうやって決められたのでしょうか。

木全さん「以前、イベントの際に水処理施設を見学していただくツアーがあったんですけれども、ある回で1人もお客様が集まらなくて。
そこで、来場されていたお子さまに、"うんちがどこに行くのか知りたくない?"と声を掛けたところ、みんな参加してくれて。
興味を持ってもらえるきっかけになるんだなということで、やっぱり"うんち"かなというのがありまして」

当時、入館者がいなかったのではなく、人がいたのにツアーには参加してもらえないという状況の中、こどもたちは「うんち」という魔法のフレーズに惹かれたようです。

北野はなおも「邪道や!」と言い放ちましたが、まずは施設を見てもらわないと、科学館の目的は果たせません。

史上最多の来館者数に!

その後、木全さんはとぐろをまいたうんちを館内に飾り付けたり、「うんちくん」というキャラクターを作ってその帽子をかぶったりしたことで、来場館数がアップ。

さらに世間では「うんこ漢字ドリル」がブームになったことも手伝ってか、昨年は来館者数が史上最高を記録したそうです。

ただ、外でこどもが「うんち」と連発するのは下品ということで、親にとっては困りもの。

また、館内のスタッフさんも「うんち」と発して解説するのも恥ずかしいのではないでしょうか。

そのあたり、親御さんやスタッフさんには抵抗感があるのでしょうか?

木全さん「ここは下水道科学館ですので、うんちというのは下水道に流れてくるということで、やっぱり関係があるものですので、ここでこどもたちが"うんちうんち"というのは、親御さんも良いというか。『ここでは堂々と言えます』という意見をいただいたり、スタッフも下水道ということで、抵抗がなくやっております」

「公共施設における科学の勉強」というのが、免罪符になっているのかもしれません。

こどもの深刻な問題を手助け

ただ、うんち発言が連発されるのは、実は下水道のことを知ってもらうという目的だけではなく、こどもの間にある深刻なある問題を改善したいという思いもあるようです。

木全さん「当館に来られるこどもさんは、小学生がほとんどですので、『恥ずかしくて学校でうんちができない』とか『トイレの仕方がわからない』という声も親御さんから多く聞いたり、それが"小学1年生の壁"として問題になっているという話も聞いて。
"うんちと言うのは恥ずかしくないんだよ"というアピールをしたいという狙いもあります」

名古屋市下水道科学館では、下水道の仕組みだけではなく、便器のレプリカを使ったレクチャーも行っているとのことです。

単にうんちで興味を惹くだけではなく、こどもの問題解決にもつながっているという真面目な取り組みが、来館者数のアップにつながっているようです。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2019年11月18日14時42分~抜粋

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