北野誠のズバリ

飲みすぎは危険?サプリメント漬けの嫁が心配

足りない栄養素を手軽に補給できることで人気のサプリメント。
しかし、サプリメントの選び方や飲み方には、やはり注意が必要であるようです。

『北野誠のズバリ』、健康の悩み、夫婦の悩みなどを解決する「中高年よろず相談室」のコーナー。

10月11日の放送では「大量のサプリメントを飲んでいる妻が心配」という43歳男性リスナーAさんからのおたよりを取り上げました。

心療内科本郷赤門前クリニック医学博士の吉田たかよし先生にお話を伺います。

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ウチの奥さん大丈夫?

リスナーAさんからのおたよりです。

「最近、奥さんがやたらサプリメントを飲んでいます。いたって元気なのですが、ビタミン・鉄分など毎回何錠も飲んでいます。なんか『美容のため』とか言ってますが、サプリの飲みすぎも危険と聞いたことがあります。
摂りすぎで気を付けた方がいいものは、どんなサプリでしょうか?」(44歳男性)

自身がサプリメントの開発に従事していることもあり「ちょっと贔屓目に見ているかもしれない」としながらも、「飲む値打ちのあるサプリは多いと思う」と吉田先生。

しかし、先生から見ても「これ、どう考えても効かないよね!」というサプリメントも多く存在しているようです。

効かないだけではなく、中には健康被害を引き起こす危険なサプリメントもあります。

健康被害、死亡例も

最近の例では、「健康にダイエットができる」と謳って販売していた「ケトジェンヌ」というサプリメントを飲んで、下痢などの健康被害を起こしたという報告が100件にものぼり、消費者庁が公表に踏み切りました。

そして同じく「ダイエットに役立つ」という謳い文句で販売されていた「ニトロソフェンフルラミン」という成分を含んだサプリメントでは、425人が健康被害を受けました。

そのうち、東京都・岩手県・埼玉県で合計3人が肝臓に重い障害を受け、死亡してしまったのです。

「ダイエットのサプリって僕は絶対飲まないんですけど」という北野誠に、「あーそれはね、正しい判断だと思いますよ!」と吉田先生。

吉田先生いわく、「医学的にいうと体重を落とすのはすごく大変」とのこと。

つまり、人間は毒物を摂取するとアッという間に痩せてしまうというのです。

ダイエットと毒物は紙一重

3人が死亡に至ったこの「ニトロソフェンフルラミン」という成分には、確かに食欲を抑える作用がありますが、それ以上に肝臓に対して毒性があるからこそ、飲んだ人がすごく痩せてしまいました。

「ダイエットと毒物は結構紙一重なので、注意していただきたい」と吉田先生。

北野「病気したら人間って痩せますもん」
吉田先生「人工的に病気にさせりゃあ、確かに痩せるわけですよ」

そして、値段が高いサプリメントなら良いのかというと、決してそういうわけでもありません。

安すぎるサプリは確かに粗悪品の可能性もあるものの、全体的にみるとむしろ「高いサプリの方が危ないと思う」と吉田先生。

高いサプリには、普段は口にしない、製造にお金がかかる特殊な成分が入っているので、効果は強いかもしれないが、その分副作用が大きくなるといいます。

吉田先生は、そのような特殊な成分を含むものはサプリメントではなく、医者が処方箋を出す医薬品として扱うべきだと主張します。

「飲みすぎ」が招く悲劇

そして、「飲みすぎ」は全てのサプリメントで身体にダメージを与えます。

例えば、サバなどの青魚に含まれる「オメガ3脂肪酸」は、心筋梗塞・うつ病の予防に高い効果がありますが、原料の魚にごくごく微量の鉛や水銀などの重金属が含まれています。

定められた量を飲む分には全く問題はありませんが、中には「もっと健康になりたい」と考えてガバガバ飲んでしまう人も。

大量に飲み続けてしまうと、体内に重金属がたまり、神経の機能が障害を受けてしまいます。

その場合頭痛や、男性の場合は「下半身が元気にならない」といった、夜の生活を含めた健康被害が出てしまうのです。

「医師監修」も玉石混交

「サプリの監修をしてほしい」という依頼が、よく寄せられるという吉田先生。

万が一そのサプリで健康被害が出た場合、医者としての責任が大きいため、安全性についてはかなり厳密にチェックしているとのこと。

先日吉田先生が監修を依頼された健康食品は、胃腸にダメージを与える可能性があると判断したため、断ったといいます。

「医師監修」というのは一定の安心材料にはなるものの、「この成分でこの値段かよ!」と吉田先生が思わずツッコミたくなるようなサプリメントも存在しているようです。

これには「恐らく、高額の監修料が医者に支払われている」と推察する吉田先生。

来月、ある製薬会社から吉田先生監修の健康食品が発売されますが、「私は監修料は良心的に設定してますのでね。商品適正価格なので安心してください」と、ちゃっかり宣伝も挟みます。

食事で挟み飲み!

吉田先生のオススメサプリメントは、「ビタミンCなどのビタミン類」。

ビタミン剤は100年ほど前から医薬品として使用されてきていて、現在では日本だけで5,000万人がサプリメントで服用していることもあり、「ある意味みんなで人体実験をしているようなものなので、すごく安全性が高い」と吉田先生。

そして吉田先生は、サプリメントの成分を効果的に摂取するための、意外な飲み方を教えてくれました。

それは、「食事と一緒に飲むということ」。

食事と一緒にサプリメントを摂ることで体内の濃度が安定するため、食事を7割食べたところで、サプリメントを飲む。
その後、残りの3割の食事をすると、なんと「限りなく、食事で成分を摂ったのと同じ」になるんだとか!

ビタミン剤もこの方法で摂取することが一番ということです。

食事7割→サプリメント→残りの食事3割。
この流れで飲んで、サプリメントの効果をよりアップさせましょう。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2019年10月11日14時11分~抜粋

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