北野誠のズバリ

行けなくなったライブのチケットを友人に転売、これって違法?

最近、ライブなどのチケットを高額で転売することが問題になっていますが、友人にやむなくチケットを売る場合もダメなのでしょうか?

『北野誠のズバリ』の1コーナー「ズバリ法律相談室」では、リスナーから届いた法律に関する身近な疑問や質問を、北野と水曜アシスタント・大橋麻美子が紹介しています。

10月9日の放送では、チケット売買に関する相談に対し、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が回答しました。

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今年6月からチケット転売は違法に

今回、紹介した相談のおたよりは、以下のとおりです。

「先日、好きなアーティストのライブチケットが手に入ったのですが、仕事で行けなくなってしまいました。そこで友だちに安く売るのはどうかと考えたのですが、これって転売行為にあたらないのでしょうか?どこからがダメなのでしょうか?」(Aさん)

昔はライブ会場の周辺でダフ屋と呼ばれる人がチケットを買い取った後、高値で売っていましたが、今やネットオークションで簡単に個人同士が売買できる時代。

非常識な高値がつくことを問題視した音楽業界などでは、定価で取引する公式売買サイトを開設することで、値段のつり上げを防ぐ仕組みを作っています。

また、スマホなどの本人確認により、他人に売買したチケットは無効にするといった取り組みもなされています。

そもそも、チケットの転売は違法なのでしょうか?

原先生「今までダフ屋行為が条例で禁止されてましたし、「転売禁止」とチケットに書いていることがあるので、私人間で譲渡ができない状態になってたんですけど、転売行為そのものを直接処罰することはなかったんです。

ただ、今年の6月から『チケット不正転売禁止法』が施行されまして、業務として転売する行為を禁止する法律ができました」

どんな転売をすると違法になる?

では、チケット不正転売禁止法では、何がセーフで何がアウトなのでしょうか。

北野「転売目的で金を儲けようと思ってるんじゃなければ、OKではないですか?」

原先生「結局、刑事罰という意味では、1、2枚程度ちょっと売るぐらいだったら、不要になったから売りたいということで、"業"と言えないので、処罰できないということですね」

商売として頻繁にチケットの売買を行ってはいけないということですが、厳密に月何枚以上売ったら"業"の扱いなどといった、具体的な規定はないそうです。

また、あくまでも個人で売買したとしても、これも刑事罰にはならないそうですので、冒頭の相談のようなケースでは、問題はないようです。

では、チケットの裏に主催者側が「転売行為を禁じる」と書いている場合、法律的な効力はあるのでしょうか。

原先生「ありますね。例えば、契約が購入した人に限定されるとすれば、購入した人しか使えないものですから、その人以外が来て使おうとして『使えませんよ』と言われたら、それに従うしかない。

でも現実問題、誰が買ったのかを特定するのに、チェックするのが難しくて、転売されているのが実態ですよね」

そうすると、最初に挙げた本人確認により転売を禁じつつ、事情があってどうしても行けないという場合は、公式な場所で定価による売買をするという方法が良さそうです。

来年は日本でオリンピック・パラリンピックが開催され、ますます不正転売に対する取り締まりが厳しくなりそうです。
(岡本)
 
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2019年10月09日14時12分~抜粋

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