北野誠のズバリ

脳の老化対策に有効なのは「書く」こと

年齢を重ねて気になってくるのはもの忘れ。
「歳のせいだから」とあきらめそうなところですが、老化への対策として、自ら文字を書くのが良いそうです。

『北野誠のズバリサタデー』10月5日放送では、『ノートを書くだけで脳がみるみる蘇る!』(宝島社)の著者で、土岐内科クリニックの認知症専門医、長谷川嘉哉先生がゲストに登場しました。

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「書く」行為の重要性

脳の老化は避けられないように感じられますが、そもそも歳をとっても脳が向上することはあるのでしょうか。

長谷川先生「確かに脳の神経細胞自体は減っていきますが、脳のネットワークを再構築することで、脳の機能を向上することは可能です」

著書『ノートを書くだけで-』では、「文字を書くことが老化への対策になる」と書かれているのですが、なぜなのでしょうか。

長谷川先生「書くというのはただ指先を使って書くわけではなくて、頭の中で過去のものを引っぱり出して、それを字にするということで、脳全体を使って書くことになるんですね。
若い時は試験前にいっぱい書いて覚えましたよね。そういった点では、すごく脳を活性化させますね。インプットするためには、やっぱりアウトプットして初めて定着するんですね」

パソコンやスマホの浸透により、紙に文字を書くという機会は昔と比べてかなり減ったのかもしれませんが、脳にとっては大事な行為のようです。

メモや日記をつけるメリット

また長谷川先生は、同じ「書く」行為でも、メモをとることについて別のメリットを挙げました。

長谷川先生「また、メモをとるというのは別の効果があって、人間が同時にできる作業は、50歳を超えるとだいたい7個から5個に減るんですね。

メモをとることで頭の中のワーキングメモリと呼ばれる部分を開放し、また新しい仕事ができるようになりますから、とても有効になりますね」

さらに日記についても、メリットがあるそうです。

長谷川先生「今の時代って、大量な情報でインプットばっかりじゃないですか。寝る前ぐらいに1日を振り返って、今日何があったのかを思い出すと、結構思い出せないものなんですね。
逆に文字に書いてアウトプットすることで、1日の情報が強固な記憶になって定着するんですね」

日記をつけるコツは?

日記をつけることは、認知症治療の1つの方法としても使われているそうです。

長谷川先生「認知症の治療ではお薬を出して、神経細胞と神経細胞の流れを良くするものなんですけど、薬だけ飲んで何もしなかったら、認知症は進行するんですね。
日記も加えるということが、認知症の予防や治療効果に結びつくんですね」

認知症の予防や治療には、実際に頭を使うということが大事なようです。

北野「認知症予防のために、散歩をしていろいろな景色を見ながら川柳を読んでみるとか、ニュースで見たことがあるんですけど、同時にいろんなことをやるのが良いんですか?」

長谷川先生「デュアルタスクと言うんですけど、同時にいくつかのことをやるのは、頭に良いと言われてますね」

ただ、今まであまり日記を付けたことがないという方にとっては、何を書いたら良いのかわからないということもありそう。

そこで、長谷川先生に日記をつけるコツについて伺いました。

長谷川先生「まずは自分の型を作ると良いですよね。何を食べたか、何の本を読んだか、何のテレビを観たか、誰に会ったかを必ず毎日書くということにしておくと、悩むこともないし。

逆に日記を書くことになると、自分が取材するような目になるんですね。『今日こんなことがあったから、夜日記に書こうかな』となると、アンテナが立つようになって、いろんな情報が入ってくる」

そして、最後に大事なこととして、「あとは、毎日やることに執着しないで、書き忘れたら、『1日ぐらい飛ばしてもいいや』という気持ちが大事ですね」とアドバイスしました。
(岡本)
 
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2019年10月05日10時33分~抜粋

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