8月3日放送の『北野誠のズバリサタデー』で取り上げたのは、「ブラック校則の現状と背景」について。
生徒の髪を地毛であっても黒く染めさせる頭髪指導のあり方を巡り、NPO代表や弁護士ら有志が7月30日(火)、中止を求める1万9565人分の署名や要望書を東京都教育委員会に提出しました。
要望書では都立高校で黒染め指導しないよう明確に通達することや、校則を各校のホームページで公開することを求めています。
名古屋大学大学院 教育発達科学研究科の内田良先生に、現在も根強く残る「ブラック校則」についてお話を伺います。
時代遅れ、人権侵害の「ブラック校則」からこどもを守ろう
ブラック校則は昭和の発想
学校の頭髪指導を巡っては、「生まれつき茶色い髪を黒染めさせられた」とする大阪府立高校での指導を巡り、大阪府に損害賠償を求める訴訟が2017年に大阪地裁で起こされた例もあります。
「昭和、平成、令和と。こうやって時代が移り変わっている中、まだ黒染め指導は実際にやってるんですね」と、時が止まったままの校則について驚きを隠しきれない北野誠。
内田先生もいろいろな調査を進めるまでは、ブラック校則は「かつてはあったけれど、今はないもの」と思っていたそうです。
しかし、いまだ存在し続けているブラック校則。
その内容は、さらに細かさを増しているといいます。
学校が黒染め指導をする背景には、「厳しい校則によってなんとか生徒を管理しようという昭和の発想。さらに、地域住民や保護者にとっての見た目」も関係していると内田先生。
茶髪や荒れた格好の学生を見かねて、地域住民から学校にクレームの電話がかかってくることもあります。
「昭和、平成、令和と。こうやって時代が移り変わっている中、まだ黒染め指導は実際にやってるんですね」と、時が止まったままの校則について驚きを隠しきれない北野誠。
内田先生もいろいろな調査を進めるまでは、ブラック校則は「かつてはあったけれど、今はないもの」と思っていたそうです。
しかし、いまだ存在し続けているブラック校則。
その内容は、さらに細かさを増しているといいます。
学校が黒染め指導をする背景には、「厳しい校則によってなんとか生徒を管理しようという昭和の発想。さらに、地域住民や保護者にとっての見た目」も関係していると内田先生。
茶髪や荒れた格好の学生を見かねて、地域住民から学校にクレームの電話がかかってくることもあります。
もはや人権侵害のレベル
東京では、髪の毛の色やパーマに関する「地毛証明書」を提出させている学校がなんと6割も。
内田先生は、地毛証明書提出の強制や黒染め指導について「もはや人権侵害のレベル。学校が身体の中にまで関与するっていうのは、ちょっと異常な自体」と警鐘を鳴らします。
「『世界に一つだけの花』とかいうて、多様性やいうてるじゃないですか」と、その矛盾点を指摘するITジャーナリスト・井上トシユキ。
「個性が大事」という一方で、なんと下着の色まで指定する学校もあるというから驚きです。
例えば「シャツの色は白」と校則で決めてしまうと、「クリーム色はどうか」という問題が出てきます。
このように一旦ルールを決めて管理し始めることで、どんどんエスカレートしていってしまうというのです。
内田先生は、地毛証明書提出の強制や黒染め指導について「もはや人権侵害のレベル。学校が身体の中にまで関与するっていうのは、ちょっと異常な自体」と警鐘を鳴らします。
「『世界に一つだけの花』とかいうて、多様性やいうてるじゃないですか」と、その矛盾点を指摘するITジャーナリスト・井上トシユキ。
「個性が大事」という一方で、なんと下着の色まで指定する学校もあるというから驚きです。
例えば「シャツの色は白」と校則で決めてしまうと、「クリーム色はどうか」という問題が出てきます。
このように一旦ルールを決めて管理し始めることで、どんどんエスカレートしていってしまうというのです。
ホームページに校則をアップ
「大学はルールがないので、逆に学生がどんな格好をしていても何も気にならない」と内田先生。
ルールを決め始めると、どんどん細かくなる。
さらに地域住民からの電話を真に受けた学校側が、どんどん校則を厳しくするという流れが起こっているのです。
黒染めなどのありえないような校則の存在に、入学後に初めて気づくこともあるため、最近では「校則をネット上に公開する」という新しい議論が少しずつ起きています。
これが実現した場合、「一体何なんだ、この人権侵害の校則は」と世論の中で校則がチェックされることになるのです。
「あまりにも理不尽な校則を入学後に強制されるのは良くないということで、できるだけ市民の目に触れるということがこれから進んでいくことになるのかな」と期待する内田先生。
ルールを決め始めると、どんどん細かくなる。
さらに地域住民からの電話を真に受けた学校側が、どんどん校則を厳しくするという流れが起こっているのです。
黒染めなどのありえないような校則の存在に、入学後に初めて気づくこともあるため、最近では「校則をネット上に公開する」という新しい議論が少しずつ起きています。
これが実現した場合、「一体何なんだ、この人権侵害の校則は」と世論の中で校則がチェックされることになるのです。
「あまりにも理不尽な校則を入学後に強制されるのは良くないということで、できるだけ市民の目に触れるということがこれから進んでいくことになるのかな」と期待する内田先生。
先生も説明ができない
髪の色や髪型について学校の校則に従っているだけなので、「なぜダメなんだ?」と生徒から聞かれた時に、先生自身も説明することができません。
説明できないからこそ、「いやいやこれが中学生らしいんだ」などという苦しい説明に終始してしまうのです。
先生自身も説明がつかないけれども、校則を変えるとなるとひと手間かかる。
そうなると、例年踏襲が無難という結論に落ち着いてしまう。
この繰り返しで、ブラック校則は今もなお生き残ってしまっています。
「親が地毛だといえばそれで済む話」と納得のいかない北野に、「拠って立つ決めごとがあった方が楽。それで説明できちゃうから」と井上。
「『なぜバラバラの髪の色でいいの?』といわれた時に説明ができないため、拠って立つ何かがあった方が楽なんです、みんなが。多様性にちゃんと向き合えてないだけの、レベルが低いだけの話」とバッサリ切り捨てます。
説明できないからこそ、「いやいやこれが中学生らしいんだ」などという苦しい説明に終始してしまうのです。
先生自身も説明がつかないけれども、校則を変えるとなるとひと手間かかる。
そうなると、例年踏襲が無難という結論に落ち着いてしまう。
この繰り返しで、ブラック校則は今もなお生き残ってしまっています。
「親が地毛だといえばそれで済む話」と納得のいかない北野に、「拠って立つ決めごとがあった方が楽。それで説明できちゃうから」と井上。
「『なぜバラバラの髪の色でいいの?』といわれた時に説明ができないため、拠って立つ何かがあった方が楽なんです、みんなが。多様性にちゃんと向き合えてないだけの、レベルが低いだけの話」とバッサリ切り捨てます。
全体主義の悪習
この1年近く、ブラック校則廃止の流れが全国でも盛り上がりを見せており、声を上げる先生も出てきています。
とはいえ、中学校・高校は「全体主義」で、「一つのことを守れ。理由は考えるな」という文化があるため、そう簡単には変わりません。
「こどもの目線からみんなで声を上げていかなければいけない」というのが内田先生の見解です。
暑い夏なのに「日焼け止めクリームを塗ってはいけない」という、安全や健康に全く配慮をしない、直接人生を左右しかねないブラックな校則は実際に存在しています。
こういった校則をどんどん表に出し、みんなで「おかしい!」という声を上げていかなければならないと語る内田先生でした。
(minto)
とはいえ、中学校・高校は「全体主義」で、「一つのことを守れ。理由は考えるな」という文化があるため、そう簡単には変わりません。
「こどもの目線からみんなで声を上げていかなければいけない」というのが内田先生の見解です。
暑い夏なのに「日焼け止めクリームを塗ってはいけない」という、安全や健康に全く配慮をしない、直接人生を左右しかねないブラックな校則は実際に存在しています。
こういった校則をどんどん表に出し、みんなで「おかしい!」という声を上げていかなければならないと語る内田先生でした。
(minto)
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