北野誠のズバリ

痛い注射と痛くない注射、一体何が違うの?

北野誠のズバリ』、健康の悩み、夫婦の悩みなどを解決する「中高年よろず相談室」のコーナー。

8月2日の放送では「痛い注射と、痛くない注射の違いが知りたい」という49歳男性リスナーからのおたよりを取り上げました。

心療内科本郷赤門前クリニック医学博士の吉田たかよし先生にお話を伺います。

注射が痛い理由

Aさんからのおたよりを片山淳子が読み上げます。
 
「先週の放送で、ブロック注射で痛かったという話を誠さんがしていましたが、注射によって痛いものと痛くないもの、同じ注射でも痛い時と痛くない時があります。

そこで教えてほしいのですが、痛い注射と痛くない注射、どういった違いがあるのでしょうか」(Aさん)
 
吉田先生によると、注射の痛みは「針を刺すこと自体の痛み、注入された薬の痛み、周りの細胞が引っ張られる痛み、薬が周囲に染みる痛み」。 

「昔の注射針、もっと太かった気がするんですが気のせいですか?」と尋ねる北野誠に、「だんだん技術が良くなって、細くなっているのは確か。しかも、針は当然太いほど痛い」と吉田先生。
 

太さの違いは中身の違い

注射で痛みを感じるのは、皮膚に痛みを感じる「痛点」があるため。
痛点は、1ミリ四方に1個~2個存在します。
 
太い針だとたくさんの痛点を刺激するため痛い、細い針は痛点を素通りするため痛くないというわけです。
 
それなら「すべて細い針で注射すればいいのでは?」と思いがちですが、どうやらそういうわけにはいかないようです。

実は注射針の太さは、「何を注入するか」によって変わります。

サラサラとした液体であれば、直径0.4ミリの細い針を使うためそれほど痛くありません。
 
しかし、ドロドロとした液体は細い針を通過しないため、ある程度の太さを必要とします。
 
そして採血の場合。

赤血球は大きな塊なので、採血には直径0.8ミリ程度のそこそこ太い針が必要となり、痛みを感じます。

さらに値段の問題。

普通の太さの針をまとめて買うと1本10円ぐらいですが、とても細い針だと1本3000円と、価格差にかなり開きがあるのです。
 

注射の上手い下手はあります

薬が体内に入ってくる時の痛みにも差があります。

静脈内注射の場合は入った薬がすぐ血液が解けるため、薬自体の痛みはありません。
 
一方皮下注射の場合は、引っ張られる痛みや染みる痛みがあるため、痛みを感じることになります。 
 
そして「ものすごく痛い!」という噂が広がっている筋肉注射ですが、吉田先生いわく「実際はそれほど痛くない」とのこと。

「『皮下脂肪の下にある筋肉に針を刺すから痛いんだろう』という印象が広がったようですけど、筋肉の方が皮下脂肪よりも薬が溶けやすいので、むしろ痛みが少ない場合が多いです」と吉田先生。

ここで北野が「打つ人によって違うんですかね?」と、多くの人が感じたことがあるであろう疑問をぶつけます。
 
吉田先生の答えは「ぶっちゃけね、注射の上手い下手はあります(笑)」。

そんな先生自身も、医者になったばかりの頃は注射が下手で苦労したんだとか。
 

針を見てはいけない

アメリカで、看護師さんを対象にした「注射と痛み」に関する実験が行われました。

その結果、注射が上手な看護師であっても下手な看護師であっても、なんと注射自体の物理的な痛みはほとんど変わりがないというデータが出たのです。
 
下手な看護師さんは注射をする時に緊張をしてしまうため、その緊張感が患者に伝わることで、結果的に患者の痛みが増加してしまうという悪循環が発生していたというわけです。

北野「採血の時、慣れてない若い看護師さんは怖いですもんね」
吉田先生「私も医者なりたての頃は、バリバリ緊張してましたね(笑)」

「僕も先端恐怖症なところがある。尖ったものが苦手って、人間の脳に刷り込まれてません?」と質問する北野。

対して、「尖ったものに注目して怖がらないと、生き残る上で大きなハンディキャップになった」と吉田先生。

脳の「感覚野」という部分に、尖ったものを見ると脳が自動的に痛みを強く感じるような仕組みがあるため、「注射をしてもらう時は針を見てはいけない」ということです。
 
技術革新により、最先端の注射も生まれています。

それは、芝浦工業大学が開発した「針がない注射器」。

針がないため、もちろん痛みも全くないという画期的なものです。

これは、小さな泡で皮膚に穴を開け、直接薬を体内に入れるというもの。

穴と聞くと痛そうなイメージもありますが、皮膚に開ける穴は、わずか1.8マイクロメートル。

これは1ミリの250分の1という小ささなので、「あまりにも小さいから、痛いどころか本人は全く何も感じない」と吉田先生。

今年からアメリカで発売されていて、日本でも数年後には使えるようになる見通しです。

まだ使える薬はごく一部ではあるものの、「針のない注射器」が当たり前になる時代が来ると確信しているという吉田先生でした。
 
誰もが待ち望む「痛くない注射」。
そんな夢のような注射が当たり前になる日を心待ちにしましょう。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2019年08月02日14時12分~抜粋

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