北野誠のズバリ

AMラジオが10年後になくなるかもしれないってホント?

日本民間放送連盟(民放連)は27日に開かれる総務省の有識者会議で、AMラジオ局がAM放送を終了できるよう、2028年までに制度改正を求めることを表明すると報じられました。

これだけを聞くと、AMラジオの番組が消滅してしまうのではないかと思いそうですが、どうもそういうわけではないようです。

3月25日放送『北野誠のズバリ』では、この話題をテーマに、北野誠が月曜アシスタント・松岡亜矢子とITジャーナリスト・井上トシユキとともにトークを繰り広げました。

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新聞・雑誌も苦境に

現在CBCラジオはもちろん、ほとんどのAMラジオ局で、AM波とワイドFM(FMによる補完放送)の2つの電波を使って放送しています。

今回の提言は、AMを廃止してFMに転換できるよう法改正を求める、というものです。

背景としては、AM放送の送信設備費用がFM放送と比べて大きいこと、また一部局では設備の老朽化という問題もあります。
業界全体の広告収入が低迷している中、コストカットを図りたいという事情があるそうですが、広告収入の低迷は何もラジオ業界に限ったことではありません。

北野「マスコミ関係の広告収入で一番落ち込みが激しかったのが、新聞・雑誌なんですよね」

井上「紙メディアはひどいですよ。発行部数も激減してますから。いま週刊誌がだいぶヤバいですね。一時期ちょっと持ち直したんですけど、だいぶ離れてますね。ネットで読むようになっちゃったから。ネットの方でも記事を載せざるを得ないわけですね。プロモーションの意味も兼ねて」

北野「キャッチをネットで見て、本編に引っ張り込もうとしてるんでしょうけど」

井上「ただ、そっちで満足しちゃったりとか。音声とか動画が撮れたら、紙面に載せるわけにはいかないので、先にネットで公開するんですよね」

ニュースなどを無料でネットで見るのが当たり前になった現在、週刊誌のあり方が問われているようです。
 

radikoがラジオの未来の鍵を握る

電波に関してはAMが万全というわけではありません。
特に高層ビルやマンションといった構造物が立ち並ぶ昨今、FM波に比べて電波をキャッチしづらいという特性や、深夜は隣国の番組と混ざって聴きづらいという特性もあります。

そのような状況の中、インターネット回線を使ったradikoに注目する北野。

北野「雑誌と比べてラジオの広告収入がそこまで落ち込まなかったのは、radikoができたからですよ、正直」

井上「それもありますし、ネットとの親和性が案外高かったんですよね。耳で聴いて、そのまま掲示板で語れるんですよね。雑誌は買ってきて見ないといけないので、その意味で即時性が劣っちゃう。
ラジオが置いてかれた媒体になったおかげで、自由度が高いですよね」

北野「テレビより規制が緩いので、ダイレクトな声がそのまま反映しやすい。
あと、金さえ払えば全国のラジオが聴けるので(2019年3月現在で月額税別350円)、そう考えたら、これからレイティング(聴取率)の中心もradikoになっていくんやろうなと思います。いま過渡期やと思いますけどね」

井上「特にラジオは災害時の情報をお伝えするという重大な使命を帯びてますから、なくなることはないわけです。ただ、(放送エリアが)重なった場合は別の議論としてあるでしょうね」

現在のAMラジオ局そのものはなくならないのでひと安心ですが、ただ、ワイドFMに対応していないラジオしか持っておらず、ネット環境もないという方にとっては、約10年後にAMラジオの番組が聴けなくなってしまいます。

その方々に対する何らかのフォローは必要なのかもしれません。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2019年03月25日13時13分~抜粋

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