スマホ時代でも「紙の手帳」はなぜなくならない?

北野誠のズバリ / カルチャー

2月16日放送『北野誠のズバリサタデー』は、手帳の歴史について取りあげました。

ゲストは『マツコの知らない世界』(TBS系)などにも出演された、『手帳と日本人 私たちはいつから予定を管理してきたか』(NHK出版新書)の著者、手帳評論家の舘神龍彦さんです。

舘神さんは手帳の開発に複数携わり、数々の手帳に関する指南本も手がけられています。
『手帳と日本人-』では、手帳の歴史や文化を紹介ながら、日本人の生き方にも触れられていますが、日本の手帳はどのように移り変わってきたのか、北野誠が尋ねました。

日本の手帳の原型は明治時代から

そもそも、日本人はいつ頃から手帳を使うようになったのでしょうか。

舘神さんによると、明治12年に旧大蔵省印刷局から発行された『懐中日記』がルーツの1つだそうで、予定欄があり、列車の時刻表や年齢早見表などがあったということで、今の手帳の原型とも言えます。

また、旧日本軍の軍隊手牒もルーツの1つで、軍人がどう行動すべきかという原則が書かれた軍人勅諭などが書かれていたそうです。

校則などが書かれた生徒手帳に近いイメージですが、その点では軍隊手牒が生徒手帳のルーツとも言えそうです。

今のような一般的な手帳が広まったのは、1958年に一般社団法人日本能率協会が『能率手帳』を市販したことが始まりだそうです。

これまでの手帳と違うのは、時間軸に沿って予定が書きやすいという点で、日本人に時間管理という概念が広まりました。

北野「手帳って、会社に入ると年度の初めに配られる物っていうイメージがありますけど、それは昭和40年頃やったら当たり前やったんじゃないですか?」

舘神さん「そうなんですね。ところが、平成不況のあおりで経費削減をしなければならなくなって、犠牲の1つが手帳なんです。もちろん、今でもあるところはありますけど。その結果、お店で買うようになったんですね」

昔は手帳はわざわざ買わないという方も多かったかもしれませんが、市場のニーズが高まったということですね。

ちなみに、CBCラジオでは今でも手帳は配られています。
 

手帳の流行の変遷

今のような手帳が使われて60年ほど経ちますが、その間に手帳にもいろいろな流行り廃りがありました。

2000年代の頭ぐらいは、会社の社長や有名な大学教授などの有名人が作った手帳が増え、「私が考えた手帳で時間がうまく使えますよ」といったようなイメージで流行ったそうです。

この時期は平成不況と重なっており、仕事の効率化などで会社の不振を乗り切りたいという思いがあったのかもしれません。

北野「一番インパクトがあったのが、システム手帳っていうのがあるじゃないですか。あれめちゃくちゃ売れてませんでした?」

舘神さん「あれは1980年代、ちょうどバブルの頃ですよね。結構ブームになりましたね」

北野「あれはあんまり生き残ってないんですか?」

舘神さん「それが最近また専門誌がまた出たりとか、ちょっとだけ盛り返してきてるんですよ」

自分好みにカスタマイズできるという点で受けているのかもしれません。
 

スマホにはない紙の魅力

ただ、カスタマイズができるという点では、スマホアプリのスケジューラーも同じですし、そもそも紙で書くニーズがいまだに根強く残っているのは意外です。

北野「このスマホ全盛時代に、スマホと比べて手帳はどうなんですか?」

舘神さん「僕は手帳とスマホと両方使ってます。それぞれにメリットがあって、例えば手帳ってパッと開いてすぐ記入できるとか、手帳を開くとスマホの画面の2倍ぐらいの広さがあるので、一覧性が高いとか。

あとはスマホの予定記入欄って、欄外がないじゃないですか。でも手帳は何時から何時っていうすぐ脇の欄外に、ここにはこれを持っていかなきゃって簡単に書けますよね。こういうのが結構大きなメリットと思うんですよ。
そういうのを見ていると、忘れ物がなくなる」

もちろん、スマホにも検索性やアラーム機能との連動など、紙では実現できない機能が多く含まれていますので、どちらにも一長一短はありますね。
 

今の手帳のトレンドは?

これまで手帳にも流行り廃りがあった中で、今のトレンドについて聞いてみました。

舘神さん「今はわりと普通の手帳が売れてますね。行動原理とかもないですし、何時から何時までみたいな記入欄がオーソドックスに揃ってる。

あとは、100のやりたいことリストの記入欄がわざわざあったりとか、日本の白地図が付いていて、ここに行ったとか行きたいとか書けるようになってたりとか。
昔の手帳と比べるとずいぶん変わりましたね」

仕事とプライベートを区切るというよりは、1つにまとめて管理するという方に向かっているようです。

舘神さんは、手帳を「パソコン、スマホに続く第3のスクリーン」と表現した上で、手帳の可能性をより多くの人に知って欲しいと語り、「例えばお子さんだったり、高齢者の方にもより使ってもらうように持っていきたい」とまとめました。
(岡本)
 
この記事をradikoで聴く

2019年02月16日10時25分~抜粋

この記事をシェアする

あなたにオススメ

アーカイブ

同じカテゴリー

×