北野誠のズバリ

岐阜で豚コレラ発生!意外な感染源とは?

1月29日、岐阜県各務原市にある養豚場の豚から豚コレラの感染が確認されました。岐阜県内の施設では7例目で、飼育されていた豚すべてが殺処分されました。
さらに翌30日、この養豚場から子豚80頭の出荷先である本巣市内の農場でも新たに感染が確認され、先程と合わせて2,500頭以上が殺処分される事態となりました。

2月2日放送『北野誠のズバリサタデー』では、最近の気になるニュースとして「豚(とん)コレラが岐阜県で発生」を取り上げました。

豚コレラはどこから感染したのか、またどのような対策をすれば良いのかについて、農林水産省の拡大豚コレラ疫学調査チーム委員長の津田知幸さんに北野誠が電話で話を聞きました

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なぜ全頭処分される?

まずは「豚コレラ」とは何かについてですが、津田先生は「豚コレラウイルスによって起こる豚とイノシシの病気で、感染した豚は41度以上の発熱があり、食欲や元気がなくなり、数日から数週間で死んでしまう」と説明しました。

日本国内では1992年以降発生しておらず、2006年にはワクチンの接種を止めていたため、日本は「清浄国」と認定されていた程ですが、昨年26年ぶりに発生しました。

豚コレラを治す方法はないことや、感染しやすいこと、感染したかどうかがすぐにはわからないために、感染した疑いがある「疑似患畜」としてすべて殺処分となってしまったわけです。

では、これからはワクチンを使用すれば良いのではないかと思いそうですが、ワクチンを使用すると、感染した豚かどうかが分からなくなるため、清浄国とは認められなくなります。

感染経路は意外な所に

ここで気になるのは、26年も感染がなかったにもかかわらず、今回、どのような経路で感染したのかということです。

津田先生「今回見つかったのはこれまで国内にあったウイルスではなくて、海外で流行しているウイルスに非常に近いことから、外国から入ってきた可能性が高いと考えられます」

北野「渡り鳥とかですか?」

津田先生「鳥とかが運ぶことはなくて、一番考えられる可能性としては、具体的なルートは分かってないですけど、おそらく国外から手荷物で持ってきた生肉が、何らかの形で国内の豚やイノシシに食べられたという可能性があります。
というのは、アジアの他の国はまだ豚コレラは常在してますので、肉にウイルスが含まれている可能性があります。
加熱されてなければ、豚やイノシシに感染する可能性があるということです」

人間が持ち込んだ肉をなぜ豚やイノシシが食べるのか、イメージが湧きにくいですが、ITジャーナリストの井上トシユキは「持ち込んだ肉が残飯として捨てられて、それを豚やイノシシが食べたからではないか」と推測しました。

感染拡大を防ぐ方法は?

ここで大事なのは、豚コレラは人間に感染しないということです。また、豚コレラは70度で30分以上加熱すると死滅します。

ただ、人間がウイルスをくっつけて豚に感染させると、今回のような被害を生んでしまうことになります。

今後、感染を拡大しないようにするには、まず農場にウイルスを持ち込まないようにすることが大事だということです。

また、岐阜や愛知の一部では野生イノシシに豚コレラの感染が広がっているため、イノシシを豚の農場に近づけないようにすることも必要です。

そして、イノシシが動くことで汚染された土壌が広がっているため、土などがくっついた農機具や車を入れないようにしたり、外から来た人は作業着や靴などを替えて作業することなどが大切だということです。
(岡本)
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2019年02月02日09時43分~抜粋

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