北野誠のズバリ

就活生に人気の講義が書籍化、交渉スキルは鍛えられる

仕事は元より、人に何かをしてもらいたい時やネットオークションに至るまで、さまざまな場面で交渉術を身につけておくと役立つようです。

1月31日放送『北野誠のズバリ』、隔週木曜は作家で哲学ナビゲーターの原田まりるがオススメの本を紹介しています。

今回紹介するのは、慶應義塾大学教授の印南一路先生著『交渉学が君たちの人生を変える』(大和書房)で、人気講義を書籍化したものです。

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交渉スキルは磨ける

本のタイトルにある「交渉学」について、まず原田は「交渉学という分野が発展して、意識的に交渉能力をアップさせることができる。就活を控えた学生に人気の一冊」と説明しました。

就職活動は、企業と学生の直接交渉とも言えますので、人気なのもうなづけます。

例えば、交渉学では「バトナ」という概念があり、今の交渉がうまく行かなかった場合に備えて、意識的に作った選択肢、保険の案を用意することで、心理的に余裕ができて、交渉ごとに有利に働くというように、実践的な内容が書かれています。

北野「人生で交渉ごとってそんなしたかなあ?あんまり得意じゃないねん。事務所の契約の交渉もたいがい押し切られてきた人間やからね」

原田「車買う時とか」

大阪だと昔は電化製品の値引き交渉がよくありましたが、今はネット取引で個人の交渉がありそうです。

強気の交渉は逆効果?

では、交渉学で身につく知恵にはどのようなものがあるのでしょうか。

まず、交渉への意欲は高い方が良いのですが、高すぎると逆に交渉不成立を招くこともあるそうです。

例えば、一般的な相場では600万円で売られている車があり、買い手が550万円ぐらいで安く買いたいと思っている場合、だいたい売り手との間で交渉できるゾーンは530~580万円ぐらいとなります。

そこで売り手の意欲が強すぎて、「700万円ぐらいでどうですか?」と強気の設定をしてしまうと、買い手側に不信感が生まれてしまう。

世の中に出回っている本で、いわゆる「悪魔の交渉術」を取り上げたものでは、「交渉ごとは高圧的に出る方が成功を導く」とされていますが、『交渉学が君たちの人生を変える』では、短期的にはうまくいっても、悪評が立って長期的には損をすると解説しています。

この本では野球に例えられていて、同じ球種のボールを投げているといつかは打たれるため、相手を事前に分析し、それぞれの相手に向けてボールを変えるようなものと説明しています。

つまり、交渉に万能な方法はないとも言えます。

正直さが交渉の邪魔になることも

逆にやってはいけない方法の1つとして「ボルウェア戦術」が挙げられていますが、これは下手な駆け引きは行わず、真っ向勝負で挑むというものですが、正直に自分の思っていることを話す人が陥りがちな戦術だそうです。

本人からすれば「正直で何が悪い」ということになりますが、相手からは「頑固で自分の言うことを聞いてくれない人」だと思われる可能性があるそうです。

そうなると、交渉の余地がないということで決裂したり、「この人とはわかり合えない」と思われてしまったりする可能性もあるため、上手な交渉術とは言えないようです。

最後に原田は、「交渉術は自然に身につくものというよりも、勉強して身につくものというように、この本では書いていました」とまとめました。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2019年01月31日14時44分~抜粋

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