万引きを繰り返す「クレプトマニア」必要なのは懲罰より治療

北野誠のズバリ / ニュース

12月22日放送『北野誠のズバリサタデー』では、「クレプトマニア(窃盗症)」について取り上げました。

スーパーで万引きをしたとして窃盗罪に問われた女子マラソン世界選手権の元代表選手、原裕美子被告に対し、今月3日に懲役1年、保護観察付き執行猶予4年の判決が言い渡されました。

執行猶予期間中の再犯にもかかわらず、再び執行猶予の判決となったのは、衝動的に万引きを繰り返す精神障害「クレプトマニア」と診断されたことが大きく、弁護側は「再犯防止には刑罰よりも治療の方が効果的」と訴えています。

今回は窃盗症の治療について、カウンセリングスペース『はじめの一歩』のアディクションカウンセラー・河合清美先生に北野誠と大川興業総裁・大川豊がお話を伺いました。

窃盗をしないと落ち着かない

まず河合先生は、窃盗症とは何かについて「依存症の一つで、欲しいから、必要だからとか、金銭的な価値が高いから盗るという理由ではなく、物やお金を盗もうという衝動や強迫観念が強くなりすぎて、抵抗できなくなって繰り返される」と説明しました。

さらに、「窃盗に及ぶ前の緊張や快感、やり終えた後の満足や開放感で止められなくなるんですが、次第に盗る回数や量がどんどん増えていく」のだそうです。

北野は「いわゆる報酬系ってやつですよね?」と尋ねましたが、勉強して良い点を取った時や、仕事で働いて高い報酬や評判を得た時などに、脳で快感を得るのと同じというわけです。

ただ、その快感は初期段階だけであって、中期や末期は喜びよりも日常生活での当たり前の行動になっていき、中には仕事から帰ってきた時に「今日は何か物足りない」と思い、「そう言えば、今日は何も盗んでなかった」と気づいてわざわざ万引きしに行くという人もいるそうです。

そうなると、薬物やアルコールの依存症と変わらないということになります。
 

クレプトマニアになりやすい人は?

とはいえ、誰もが万引きを何度もするわけではありません。何がきっかけで、クレプトマニアになってしまうのでしょうか。

河合先生は、「依存症全般がそうなんですが、やはり小さい頃に親子関係がうまく行っていないとか養育環境(の問題)、感情を溜め込んで気持ちが上手く伝えられないと我慢することになって、ストレスや自分の問題に向き合えない状態になってしまうんですね。
そういうのが辛くて現実逃避のために窃盗を繰り返すということになりますね」と説明しました。

クレプトマニアは女性に多く、本人が高学歴や裕福な方であったり、親の社会的地位が高い場合も少なくないため、はたから見ると、「何不自由なく幸せな家庭に育った人」と見えるようです。
 

クレプトマニアの治療法は?

ここまでで、クレプトマニアの場合は金品そのものの目的ではなく、依存症なので一種の病気だということは分かりましたが、どのような治療が行われるのでしょうか。

河合先生は、「今まで隠したり嘘をついたりしている人が多いので、回復の第一歩は、まず正直になることから」と説明し、例えば原被告の場合は、選手になる前からの養育歴を話してもらった上で、自分と向き合って生き方を変えていくことが必要だそうです。

薬物やアルコール依存症から回復するための施設で同じように受け入れてくれる場合もありますし、専門病院や自助グループもありますが、まだ少ないそうです。そして、心の内を話せる仲間がいることが大事だということです。

大川が「(アルコール依存症に対する)断酒会のようなものはあるんですか?」と尋ねたところ、自助グループで行われているとのことです。
ただ、同じ依存症を持つ人とは言え、他人に自分のことを正直に話すのはかなりハードルが高く、まずはカウンセリングで少しずつ自分のことを振り返り、徐々にミーティングで話す内容を決めていくのだそうです。

最後に河合先生は「刑罰だけでは回復できないので、ぜひとも治療につなげていただきたい」とまとめました。
(岡本)
 
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2018年12月22日09時42分~抜粋

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