北野誠のズバリ

イマドキのお悩み!LINEで退職届を出しても問題はない?

10月3日放送『北野誠のズバリ』、水曜日は「ズバリ法律相談室」。オリンピア法律事務所の弁護士さんが、身近な法律に関する疑問・質問・お悩みを解決します。
今回は番組へ1年半ぶりに帰ってきた原武之先生が、「いかにも今時のお悩み」と思わせるような問題について、回答します。

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法律上の問題はないものの

今回取りあげるお悩みは、退職願に関するものです。

「25歳の息子が会社を辞めるようです。それは良いのですが、退職願をLINEで上司に送っていました。
それ以降は会社にも行かない始末で、いかがなものかと。そもそも退職願は正式に受理されるのでしょうか」(Aさん)

北野は「イマドキやな~!」と言いつつ、「法律的にLINEではダメですよね、やっぱり」と原先生に尋ねたところ、意外な答えが返ってきました。

「基本的には、法律に文章でなければならないという規定はないので、特に気にすることはないです」

ということは、口頭やパソコンのメール、果てはLINEでもOKなのかと思いきや、「ただし、就業規則でおそらく届出を出しなさいとか書いている可能性があります」と続けました。

ほとんどの会社では、退職に関するルールが決まっており、さすがに書面でのやり取りにはなるでしょう。

北野は「さらに『退職願』は願いであって、『退職届』でないとダメみたいですね」と尋ねたところ、原先生は「願いの場合は受理してもらわないといけないので、普通は届けですね」と解説しました。

ちなみに、「逆に会社側からLINEでクビと伝えられた場合はどうなるか」という疑問を北野が投げかけましたが、原先生は「効力はないですけど、事実上は会社から拒絶されたということで、『パワハラ的な言動だ』と問題にすることはできるでしょうね」と答えました。

さすがに会社側が簡単に解雇させることはできないということですね。

退職届を出さないデメリットは?

では、LINEで退職「願」を出して、出勤していないという現在は、どんな状態なのでしょうか。

まず、LINEでいきなり送られても、会社側としては真意が分かりませんし、ここは本人に直接会って確認しなければならないため、まだ受理されていないものと考えられます。

原先生は「いちおう欠勤扱いですね。無断欠勤か、一応連絡があったから(無断ではない)欠勤でしょうね。普通は会社も本人の携帯電話にかけたりするでしょうけど、最近の風潮としては、そういう電話にも出たくないと。今はそういう流れでしょうね」と答えました。

ただ、会社からの連絡を拒否した状態が続くと無断欠勤扱いとなり、就業規則に書かれていますが、何日か続くと解雇の手続きが取られるとのことです。

それなら放っておいても自動的に解雇されるから良いのかと思いきや、宙ぶらりんの状態だと会社から離職票が発行されないため、失業保険がもらえないというデメリットがあります。

会社に言いづらいという場合でも、必ず書面を提出して退職の意志を明らかにした方が良さそうです。

原先生は最後に「5年も10年もすれば、全部ネット上で退職手続きができるようになるかもしれないですけど、今の時点では文書かなと思いますね」とまとめました。
(岡本)
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2018年10月03日14時13分~抜粋

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