北野誠のズバリ

「温泉が身体に良さそう」と感じるのは科学的に根拠があった!

このシルバーウィークに温泉に行ってきたという方も多いと思いますが、「温泉に浸かると何となく健康に良さそうな気がする」というのは、単なる思い込みではなく、実は科学的な根拠があるそうです。

9月22日放送『北野誠のズバリサタデー』では、「温泉を科学する」というテーマを取り上げました。
『医者が教える最強の温泉習慣』(扶桑社)の著者で、国際医療福祉大学病院内科学教授の一石英一郎先生に、温泉の持つ科学的な効果について北野誠がお話を伺いました。

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温泉の熱と水圧に効果が

最近、国内外を問わず温泉に関する論文が出てきており、臨床試験も行われ、温泉の効能に関するエビデンス(証拠)もあり、温泉に入った人の追跡調査で、死亡者や骨折した人が減っているという結果もあるそうです。

一色先生は「温泉には物理的効果、科学的効果、生物学的効果の3つの因子が絡んでいると考えられている」と説明しました。

物理的効果は温泉の熱と水圧が関係しているそうで、「熱い」「圧力がかかっている」と感じることで細胞がビックリし、遺伝子レベルでリプログラミングという若返り現象が起こるのだそうです。

その他にも、第2の筋肉と言われる足の筋肉を水圧で圧迫することで、心臓のポンプと足のポンプが連動し、血管のマッサージ効果が期待でき、動脈硬化の予防にもつながる可能性があるとのことです。

悪い物が流れていくデトックス効果も

科学的効果については、身体に溜まっている有害ミネラル(カドミウム・ヒ素・水銀・鉛・放射性セシウム・放射性ヨードなど)を、温泉に含まれている健康ミネラル(マグネシウム・カリウム・亜鉛・セレン・硫黄など)が洗い流してくれる、つまり、良い物を取り入れると悪い物をトコロテン式に押し出してくれるという、デトックス効果があるのだそうです。

ここで北野が「(ミネラルが出入りするのは)人間の身体の皮膚からですか?」と尋ねたところ、一石先生は「皮膚から出たり、あと吸入することで効果があると言われています。飲泉が認められている場合は、飲むのも効果があると思います」と答えました。

生物学的効果については、温泉の癒やしやリラックス効果により、ホルモン分泌が盛んになり、細胞の新陳代謝を促進したりリセットしたりするというもの。

最近よく言われるアンチエイジングに効果のある成長ホルモン、更年期に不足しがちなエストロゲンやテストステロンなどの分泌を促進する効果があると、群馬大学などから報告されています。

このような温泉効果のメカニズムを知らないにもかかわらず、昔の人が湯治などを行ってきたのは、経験則や地域での伝承によるものなのでしょう。

温泉に入る際の注意点

ただ、温泉が身体に良いからと言って、入り過ぎはかえって良くないのでしょうか。

一石先生は「温度や泉質によっても異なるのですが、湯あたりやのぼせ、湯疲れを防ぐために、初日は2回まで、湯疲れを防ぐためには1日に多くても4回までが良い。
また、温度にもよりますが、入浴時間は1回あたり10分以内が望ましいという報告があり、ぬるま湯であっても1回20分以内が望ましいとされている」と説明しました。

また、一石先生は「温泉の地元の人に、その地に適した入浴方法を聞くのをお勧めする」と語り、その理由として、例えば胃腸に効くことで有名な宮城県の峩々(がが)温泉では、かけ湯をお腹に100回前後行い、お腹を温めてから入浴するというルールがあり、「それを実行しないと効果が半減する可能性があるから」と説明しました。

入る時間と温度の関係も重要で、一石先生は「朝に入る時は熱めのお湯で交感神経を活発にしてシャキッとする、晩はぬるめのお湯で副交感神経を活発にしてゆっくり休むのが良い」と説明しました。

また、北野は「水風呂とか置いてあるところがあって、勢いよく入る人もいるんですけど、年齢的に危ないんじゃないかと思ったりするんですけど」と投げかけました。

一色先生は「水風呂にダイビングとかしますと、気持ちは良いんですけど血圧が急に上がったり、血管が急に締まったりしますので、ご年配の方は血管が脆い可能性がありますので、無理をされると血管が壊れてしまう可能性はあります。順序良く段階的に温度を変えるのがお勧めです」と答えました。

温泉に行く際は、泉質とそれによる効能、そして地元で浸透している入り方をチェックした方が良さそうですね。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2018年09月22日10時25分~抜粋

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