北野誠のズバリ

「失敗は成功の元」は脳科学的にも本当だった!

6月16日放送『北野誠のズバリサタデー』では、「失敗と脳の関係について」というテーマで、『英雄の書:すべての失敗は脳を成長させる』(ポプラ新書)や『前向きに生きるなんてばかばかしい 脳科学で心のコリをほぐす本』(マガジンハウス)の著者、人工知能研究者で脳科学コメンテーターの黒川伊保子さんに北野誠が話を伺いました。

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失敗で判断力が高まる

失敗するとクヨクヨして精神的に良くなさそうなので、脳にも悪そうな印象がありますが、黒川先生はまず「失敗は脳にとって最高のエクササイズ」だと語ります。

脳の中には天文学的な回路がありますが、漫然と電気信号が流れると人間は判断できないそうです。

例えば、目の前に黒い影が通った時、私たちはそれを瞬時に「猫か?」と判断します。

それは、猫以外の不要な回路を消して、重要な回路だけを残す作業をしていたからであって、目の前の動物が何か判断できず立ちすくむことになってしまいます。

人間はとっさに重要な回路だけに電気を流すよう、日々改良しているということです。

その要らない回路を消すために大事なのが失敗の経験であり、失敗して心が痛む経験をした後、寝ている間に失敗に使った回路のしきい値が上がり、電気信号が流れにくくなるのだそうです。

失敗で脳を進化させるための3か条

黒川先生は、脳を進化させるための3か条を決めているそうです。

まずは、「失敗を人のせいにしない」。もし相手が100%悪かったとしても、自分のここが悪かったからではないかと考えるのは、自分が良い人に思われたいからではなく、脳を進化させるためだと言います。

次が「クヨクヨしない」。クヨクヨして過去の失敗を思い返すことで信号が上書きされてしまうため、同じ失敗を繰り返す可能性があるそうです。
さらにそれを口に出したり、友達に話をして理解を得られてしまったら、どんどん上書きされてしまいます。

では逆に、成功体験した時は、成功したことばっかり頭に描くのは良いのでしょうか。

この場合も良くなく、成功体験に縛られてしまい、他のより良い道を閉ざすことになってしまうのだそうです。

過去の成功体験にとらわれた経営者が、社会や人間の変革を意識しないまま、経営方針を替えずに失敗するということが日本ではよくあるとされてきました。

黒川先生は、「脳科学上はネガティブ志向と同じぐらい、ポジティブ思考も危険なことであり、無邪気なのが脳にとって一番強い」、「しかも、自分の成功体験ならまだしも、他人の成功体験をなぞらえて何とかしようとするのはもっと良くない」と説明しました。

夫の失敗を挽回するのは結婚記念日?

ここで北野が「妻が20年前の夫の失敗を急に取り出してくるのは、どういう回路が走ってるんですか?」と尋ねました。

これは気持ちと夫の失敗がセットになっており、前と同じ気持ちを妻が抱くとそれがトリガー(引き金)となって、夫の失敗を引っ張りだしてくるそうで、わずかな時間で一気に50年分の記憶が蘇るのだそうです。

黒川先生は、それをひっくり返すには、逆にうれしい感情をトリガーにするよう努力すればよいとアドバイスしました。

誕生日や結婚記念日などの記念日がチャンスで、その日に良いトリガーを与えるように行動すると、後に良い思い出として引っぱり出すことになるそうです。逆に記念日に失敗すると、ものすごく刻まれてしまうことになるので、注意が必要です。

夫としては、妻の機嫌の直し方は重要なポイントの1つですが、ここで時間がなくなってしまったため、脳を進化させるための3か条の3つ目が聞けずに終わってしまいました。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2018年06月16日10時25分~抜粋

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