北野誠のズバリ

自分は飲みすぎ?それともアルコール依存症?その境目は…

『北野誠のズバリ』の毎週水曜は、「ドクター石蔵の中高年よろず相談室」。循環器・心療内科・更年期が専門の医師で中高年アドバイザーの石蔵文信先生に、健康の悩みや夫婦の悩みなどを伺っています。

5月30日の放送では、50代男性からのアルコール依存症に関する質問を取りあげました。

「アルコール中毒とアルコール依存症に違いはあるのでしょうか。麻薬中毒は聞きますが、麻薬依存はあまり聞いたことがありません。私はタバコは止めましたが、アルコールは止められません。
また以前、アルコール依存症は海外では不治の病だと聞いたことがありますが、本当でしょうか」

[この番組の画像一覧を見る]

アルコール中毒と依存症の違い

アルコール依存症やギャンブル依存症は昔から深刻社会問題として取り上げられていますが、最近ではゲームのし過ぎという「ゲーム障害」という病気もあるようです。

まずは「中毒」と「依存症」という言葉の違いについて、医学的な見地から違いはあるのでしょうか。

石蔵先生は、「だいたい一緒の意味なんですけど、"中毒"には一気飲みなどで起こる"急性アルコール中毒"というのがあるので、これと間違わないように(依存症という言い方がある)ということですね。
あと、アル中は差別的な用語と捉えられるので、慢性的にアルコールに関してコントロールができなくなった状態を”アルコール依存症”と呼ぶことになっています」と説明しました。

ではどれぐらい飲んだら、あるいはどれぐらいで歯止めが効かなくなったら、依存症と判断されるのでしょうか。

厚生労働省では、節度ある適切な飲酒はビール中瓶1本、日本酒1合と定義されています。

一方で多量飲酒はビール中瓶3本や日本酒3合として、それを飲み続けて自分でコントロールできなくなって、他の人から飲み過ぎを注意されるように言われ出したら、それが依存症の始まりだということです。

コントロールができなくなることにより、家族や仕事、趣味よりも飲酒を優先するようになってしまうのは、依存症の表れだと言えそうです。

アルコール依存症になっていないかチェック

また、アルコール依存症かどうかの診断について、ガイドラインは出ているのでしょうか。

石蔵先生は、下記のことが1年以内に3つ以上あると、依存症と言っても良いと説明しました。

・飲酒したいという強い欲望
・飲酒の回避や"止めましょう"と言い出せない
・禁酒や減酒をした時、離脱症状で手の震えなどが起こる
・前に飲んでいた酒の量では酔わなくなった
・飲酒により他の物を犠牲にしてしまう
・明らかにみんなが止めとけと言っているのに飲酒をしてしまう

お酒を飲むのが自分で止められない、他の人が止めるように言っても聞かずに飲んでしまう場合は、依存症の可能性があるということですね。

上記の項目に3つ以上当てはまる方や、人から飲み過ぎとよく言われるという方で、アルコール依存症かどうか確かめたいと思ったら、精神科、それもアルコール依存症に強い施設に行くのが良いということです。

酒断ちが何日できたら問題ない?

そして、質問の最後にあった「アルコール依存症は不治の病」というのは、本当なのでしょうか。

石蔵先生は本当だと答えられ、その理由が2つあるとしました。

1つ目は回復が非常に困難だということ、もう1つは一滴でも飲むと再発するために、一生飲めないという点だということです。

北野「中島らもさんもそうなって自殺願望も出たって本(『今夜、すべてのバーで』講談社文庫)に書いてはりましたね。他の物を食べなくなって、アルコールばっかり飲んで、うつになっていくんですか?人間って」

石蔵先生「うつにもなりますし、肝不全とかいろんな病気を併発しますから、自殺しなくても病気として亡くなる人も多いですね」

最後に、どれぐらいお酒がガマンできたら依存症ではないと言えるのでしょうか。

石蔵先生は、「2週間止められたら、かなり依存度ではない確率は高いです」と答えましたが、やはり自分でお酒を止める止めないのコントロールができないことが、一番依存症の可能性が高いようです。
(岡本)
北野誠のズバリ
この記事をで聴く

2018年05月30日14時10分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報