北野誠のズバリ

親は必見!こどもに勉強のやる気を出させる方法とは?

5月19日放送『北野誠のズバリサタデー』の1コーナー、話題の本の著者や話題の人にインタビューを行う「ズバリこの人に聞きたい」。

「こどもの勉強のサポート法」をテーマに、『受験生専門外来の医師が教える 合格させたいなら「脳に効くこと」をやりなさい』(青春出版社)の著者で本郷赤門前クリニック院長、医学博士の吉田たかよしさんに北野誠が話を伺いました。

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勉強にもコーチが必要

「こどもに勉強のやる気を出させるにはどうすれば良いのか?」というのは多くの親の悩みですが、やる気を出させるために親がやるべきこと、逆にやってはいけないことを脳科学と学習医学の面から解説していただきました。

まず、こどもの勉強に親のサポートが必要な理由について、伺いました。

吉田先生「現実として親のサポートは絶対に必要ですね。勉強は脳の条件としてはスポーツに大変よく似ていて、スポーツはコーチが練習のメニューを決めたり、メンタル面の管理を行いますよね。勉強でも同じようにコーチをしてあげる人が必要で、親がその役割を担ってあげて欲しいんですね」

北野「先生の本を読みましたけど、こどもに勉強を教えるってことじゃないんですよね?」

吉田先生「勉強のスケジュール管理をしてあげたり、一番大事なのはモチベーションの管理、やる気を出させることなんですね」

ニンジン作戦は逆効果!

このやる気を出させるというのが最も難しいところですが、そこでつい陥りがちなのが、「テストで○○点取ったら、○○を買ってあげる」と言ったパターン。

北野「報酬型はダメなんでしょ?」

吉田先生「アメリカのスタンフォード大学の研究ですが、逆にこどものやる気を奪うという実験結果が出てるんですね。勉強は報酬を得るための手段と脳が感じてしまって、興味をもって勉強をするという脳の機能が育たなくなってしまうんです。報酬が出なくなった途端に全く勉強しなくなってしまうことが起こるんです」

吉田先生が実際にカウンセリングした例では、「橋」という漢字を300個書きなさいという宿題が出た時に、効率を求めるがあまり「木」だけ先に大量に書くといった行為をしていたそうです。

本来、勉強はいかに早く終わらせることではなく、どれだけ身につくかが大事なのに、本末転倒になってしまうというわけですね。

朝型人間になるのが大事!

吉田先生は、やる気を出させるのに大事なのは、生活サイクルをキッチリしていくのがすごく大事だと言います。

医学の世界では「時間医学」というのがちょっとした流行語になっていて、これは1日24時間のリズムで脳も身体も働いており、この性質を利用して病気を治すという考えです。

カリフォルニア大学の分析では、勉強にやる気のない子でも、朝だけは前頭前野の部分が働くのでやる気が出るという実験データがあるそうです。

そこで、夜は早く寝かせて、朝早くに起こして勉強する習慣をつけるのが良いとのことです。

勉強嫌いだから朝寝坊になっているケースもありますが、逆に朝寝坊になっているから勉強嫌いになってしまうという考え方もでき、この悪循環を朝早く起こすことで断ち切ることが大事だということです。

親子そろって行動することが大事!

朝早く起きるメリットは、これだけではないようです。

北野「引きこもりの生活をすると昼夜逆転してしまいますからね。そういう意味で言うと、朝日を浴びてシャキッとするのはすごく大事なんですね」

吉田先生「網膜が刺激を受けることによって、脳の視床下部がやる気モードのスイッチを押してくれます」

朝早く起きることに加えて、さらに大事なのは少しでも身体を動かすことだそうです。

吉田先生「脳幹網様体という脳全体のメインスイッチがオンの状態に変わるので、やる気が目覚めてくるんです。ただし、こどもに言うだけではダメ。親が率先して体操をする。親子が一緒にしないとそもそも長持ちしないし、しかも親子で同じ動きをすると、脳の中にオピオイドという物質が増えて、脳にすごく良い働きをしてくれるんです」

また、勉強する時間については、親としては何時間でもして欲しいところですが、15分ほどで良いそうです。

吉田先生「スタンフォード大学の分析では、こどもの脳が集中力を持続できる時間はすごく短くて、だいたい15分程度」

北野「ゲームとかだったら、長いことやるんですけど……」

吉田先生「ゲームは脳を受動的に使う。2時間でも3時間でもやっちゃう」

座って勉強するとやる気をなくす?

北野「あと、先生の本に『勉強に疲れたら、机の周りを歩け』って書いてましたけど」

吉田先生「筋肉の中にという筋紡錘という神経センサーがあり、脳を刺激してくれるんですね。だから、勉強は椅子に座りっぱなしでやるものだというイメージがあるけど、これがこどもからやる気を奪っている元凶になってます」

歩く時が頭を使う時、座っている時が人間の脳の基本だそうです。ということは、ホワイトワーカーの方は立った方が良いのでしょうか。

吉田先生「大人は脳が完成しているからいいけど、発達段階のこどもの脳には良くないんです。スタンディング勉強法といって、立ちながら授業を受けるというのが広がっています」

最後に吉田先生は、「親が率先して模範を見せる。まず親が勉強を好きにならないとダメですね。積極的に勉強する、その姿を見せることがすごく大事です」とまとめました。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2018年05月19日10時25分~抜粋

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