北野誠のズバリ

白文鳥文化を再び!愛知県立佐屋高校の「弥富白文鳥復活プロジェクト」

3/26放送の『北野誠のズバリ』、月曜コーナー「松岡亜矢子の地元に聞いちゃうぞ」で取り上げたのは、弥富白文鳥(はくぶんちょう)について。

今回松岡亜矢子が取材をしてきたのは、愛知県愛西市の県立佐屋高校 生物生産科の高校生。

野菜・穀物・畜産物を育てることを通して、命の大切さを学ぶ課程である生物生産科。
そこで今、彼らが取り組んでいる活動が「弥富白文鳥の繁殖プロジェクト」なのです。

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弥富白文鳥復活プロジェクト


北野誠的には、金魚と近鉄電車から見える熟女キャバクラで有名?な弥富なのですが、以前は白文鳥が有名でした。

一般的なグレー色のさくら文鳥とは違い、真っ白な文鳥である弥富白文鳥。

弥富は明治以降、農業の副業としてさくら文鳥の飼育が盛んでしたが、ある時突然変異で白い文鳥が産まれたといいます。
これを上手に品種改良して商品化したものが「弥富白文鳥」というわけです。

1970年頃に起こった鳥ブーム。
ITジャーナリスト・井上トシユキも「小学生の頃、とんでもない文鳥ブームが来たよ」と懐古します。

その頃のブームといえば「文鳥」か「ボーリング」か「切手収集」だったと北野。
「文鳥がめちゃくちゃ売れて、品薄やった時代がある」と語ります。

以前は弥富の中でも240人の生産者がいましたが、そのブームも去り、今はなんとわずか2軒のみ。

今から5年前、こういった現状を知った佐屋高校の生徒の一人が、担当教諭の野沢更紗先生に相談をしにいったことがきっかけとなり、このプロジェクトが始まったそうです。

「生徒が最初に文鳥をなんとかしたいということを言い始めた時に、たまたま佐屋高校の卒業生でおじいさんが文鳥農家をやっているという卒業生がいたので、そこに連絡を取ってみてという、最初そこから始まりました」と野沢先生。

白文鳥の繁殖をしたいという生徒と、おじいさんがやっているという子を先生が結び付ける形で始まったというこのプロジェクト。
親鳥とひな鳥を譲り受けて、2013年から開始しています。

元々は現在の在校生も、この土地の出身ではない野沢先生も、白文鳥の危機は知らずにいたんだそう。
あわやひえなどのエサの適量や硬さも一から勉強しました。

文鳥ストーカー


松岡が驚いたのは「人間みたいに性格もやり方も全然違うから、いざ交配したら増えるかっていったら、そういうわけじゃない」ということ。

これに「井上さんと松岡ちゃんが2人で無人島に流れ着いたけど、松岡が『井上さんだけは絶対イヤ!』って言って、拒否ったりしているうちに井上が死んでいくっていうパターンがあるんですよ」と、非常にわかりやすい例えを持ち出してきた北野。

佐屋高校の生徒が苦労している点もやはりそこだといいます。

生徒「文鳥の相性を見極めるのをペアリングっていうんですけど、それが一番苦労したことかな」
松岡「人が見て、あっこの子とこの子合いそうっていうのでわかるもんなんです?」
生徒「寄り添ってたりとか、近くにいる、ケンカをしないとか」

「ほらほらほらほら」という北野に、「まあ、僕の場合はいつかきっと振り向かして見せるけどね」と井上。

「そうやって付きまとうオスもいるらしいんですけど」と、井上はすっかり松岡からストーカー扱いされてしまいます。
「断固拒否するメスもいるんですって」と笑う松岡。

「俺ら人間の勝手な考えやったら、つがいやったら絶対好きになるやろと思うけど、絶対ちゃうねんてこれ。パンダもそうやしニワトリもそうやし、全然違うねんって」と北野が語るように、必ずしも夫婦になってくれるというわけではないんだそう。

5羽の白文鳥


相性問題をクリアしたとしても、「白」と「白」を掛け合わせたのに「白」が産まれない可能性もあるといいます。
パターンとしては「白×白」か、「さくら×白」だと白のこどもが産まれるのですが、絶対というわけではないよう。
相性や環境は抜群でも、「さくら」しか出てこないという場合もあるんだそう。

こういった様々な苦労を経て、プロジェクト開始5年目の今年度の秋、ようやく2羽が羽化(注)しました。

実は初年度に1羽孵っていたものの、すぐに亡くなってしまったそうですが、先週松岡が取材に行った時にはさらに3羽(白・白・さくら)が羽化していたんだとか。
発見したのは卒業した3年生。
後輩たちも「先輩たちの苦労が実ってよかった」と喜んでいたそうです。

5年間、この活動を見守ってきた野沢先生は「うまくチームワークみたいなのができていて、本当に自分たちでうまく分担をしてやってくれているので、自主性っていうのもすごく身に付きますし。考えも言葉にできたりとか、コミュニケーション能力も身に付きますし。そういったところで、人間としても成長していってもらえるといいなと思って活動をサポートしています」と、このプロジェクトを通した生徒自身の成長についても語ります。

「なかなかうかうかしとれんでね、羽化だけに」と、思いついたら言わずにはいられない井上。

さらに繁殖技術を向上して、白文鳥を手に取っていただけたらという思いで活動をしている、という佐屋高校の白文鳥復活プロジェクトでした。
(minto)


(編集部註)
本来「羽化」は昆虫が成虫になる場合に使用される言葉で、記事のケースのように鳥が卵から孵る場合は「孵化(ふか)」を用いるのが正解です。
今回はトーク内容からオンエア中の言葉を生かしておりますのでご了承くださいませ。

ご指摘いただいた読者の皆さまに感謝いたします。ありがとうございました。
北野誠のズバリ
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2018年03月26日14時44分~抜粋

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