北野誠のズバリ

こどものスマホ漬けに警鐘を鳴らします

『北野誠のズバリサタデー』では「ズバリこの人に聞きたい」と題し、パーソナリティの北野誠が毎回話題の人にインタビューしています。

3/24は「スマホの、こどもへの影響について」というテーマで、NPO法人「こどもとメディア」代表理事の清川輝基さんに、電話で話を伺いました。

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驚愕の実態

『「メディア漬け」で壊れるこどもたち』の著者でもある清川さんは、こどもへのメディアの影響に関して、医師と連携して調査・啓蒙活動に15年以上取り組んでいます。

特に最近は、「こどもに浸透するスマートフォンにどう向き合えばいいのか?」ということについて取り組んでいます。実際、医師の中でも、こどものスマホの使用について問題になっているということです。

「小児科に来るこどもたちにいろいろ聞いてみると、テレビ漬けやスマホ漬けになっていることが多い」と語る清川さん。

詳しく調べてみると、こどもの発育にいろんなマイナスの影響があることが具体的にわかってきてきたそうです。

清川さんが昨年調査したところ、乳幼児の親の95%がスマホを持っているんだとか。こどもが、親のスマホを簡単に使える状況になっているんですね。

そして、宮崎県立看護大学の先生が宮崎県内で調べたという、驚くべき調査結果があります。

「0歳の乳児に、スマホを休日5時間以上見せている人・・・13%」
「3歳児に~(以下同文)・・・35%」
「6歳児に~(同)・・・42%」

こどもが楽しんでる・面白がるから見せる。しつけに使う。電車の中で泣いたり騒いだりするぐらいならと、スマホを見せておとなしくさせる。

親の動機はいろいろありますが、結果として相当な時間スマホ漬けにしてしまっているわけです。

重大な問題点

では、スマホ漬けで具体的に何が問題になるのでしょうか?

まず、親がこどもに語りかける機会が圧倒的に減ります。これは、こどもだけでなく親がスマホを見続けていてもそうなりますね。これにより「親子の愛着形成」と「言語能力の発達」に支障をきたします。

それから、昼間の光と同じような明るさのLEDライトを、夜も見続けていると、体内リズムが乱れてきます。

「そして目というのは、本当は外に出て、トンボや鳥さんやアリンコを見たりして、眼球を左右上下に動かしたり、ピントを合わせるために水晶体を引っ張ったり緩めたりという動きを、こどもの時期に訓練して育てなきゃいけないんですよね」と清川さん。

幼い頃は公園などに行ってそういうのを見るものです。

ところが、一定の近い距離で狭い範囲の平面を長時間見るスマホでは、そういった力が育たなくなるのです。

つまり、幼少時のスマホ漬けは、コミュニケーションと目がうまく使えなくなり、体内リズムが狂って体調も崩しやすくなるのでした。

親はどうすべきか?

清川さんが在住する長野県では、教育委員会調べによると、3年前の中学生はスマホを27.2%しか持っていなかったのが、昨年は48%に急増したといいます。

小学生(4・5・6年生)でも昨年は45.7%だそうですから、乳幼児に限らずかなりのこどもたちがスマホを持っているか持たされているということです。

では、親として注意すべき点はどこでしょう?

スマホを1時間以上使うとこどもの学力が減るという、脳科学者の研究結果が出ているそうです。

なので、親がこどもに渡す時、明確なルールを決めることが重要だと、清川さんは語ります。

「1時間以上は使わない」「夜は使わない」「リビングで使うこと」などなど。

自分の部屋に持ち込ませると、充電器と合わせて長時間使ってしまうので。

そして、「何のために使うのか」をちゃんと親子で話し合うこと。これが一番大きいですね。

もうひとつの注意点は、こどもだからと甘く見ないということです。
乳幼児の前でスマホを親が使うと、こどもも使いたくなってしまいます。「親が寝た後にテーブルなどに置き忘れたスマホを、夜中ずっといじっていた3歳児」もいたそうです。

3歳にもなれば、親がかけたロックも外してしまうんだとか。

そういうことを親も理解して、置き場所や時間帯を考えるのが大事だと、清川さんは訴えます。

便利なスマホだからこそ、正しく使いたいものですね。
(岡戸孝宏)
北野誠のズバリ
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2018年03月24日10時25分~抜粋

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