北野誠のズバリ

食べものを年間620万トンも廃棄!食品ロスを減らすには?

3月17日放送『北野誠のズバリサタデー』では、「食品ロスが減らない理由」という話題を取り上げました。

売れ残りや食べ残しのため、まだ食べられるのに食料を捨てるという食品ロスが、日本では年間620万トン発生しており、これは世界の食料援助量の2倍に及ぶそうです。

処分する食料を発電燃料に転用する方法もありますが、根本的な改善のためには、日本に根付く商慣行を改めなければならないという課題があると言われています。

そこで『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書)の著者で、消費生活アドバイザーの井出留美さんに北野誠が話を伺いました。

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賞味期限に対する誤解


まずは日本で食品ロスがなかなか減らない理由について、聞いてみました。

井出さんはまず、食品ロスの半分が家庭で発生していることを挙げられ、「ひとりひとりの意識が薄く、賞味期限は品質が切れる期限のことなのに、期限が切れたら食べられなくなると誤解する人が多いからではないか」と解説しました。

消費期限は弁当・サンドイッチ・総菜・生クリームのケーキなど5日以内に食べた方が良いものに設けられるのに対し、賞味期限はおいしさの目安で、それが過ぎたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。

例えば缶詰は3年間、レトルト食品は1年以上、パスタやそうめんなどの乾めんは2~3年と設定されています。

食品業界に根付く1/3ルールとは?


次に食品業界に根付く1/3ルールを原因として挙げました。

これは、製造してから賞味期限までの期間のうち、最初の1/3で納品期限が設けられ、次の1/3で販売期限が設けられているというものです。

例えば賞味期限が6ヶ月の場合、2ヶ月以内にスーパーやコンビニなどに納品しなければならず、さらに次の2ヶ月で売り切れない場合は、メーカーに返品するか、廃棄することになってしまいます。

特に豆腐やパン類、乳製品などの日配品と呼ばれる、日持ちが少ない食品は廃棄されます。

世界的に見ると日本は納品期限までの期間が短く、アメリカは1/2、フランスやイタリアは2/3、イギリスは3/4と設定されています。

日本では企業によっては1/5とかなり短く設定されるため、販売することなく捨てられてしまう可能性が高いと言えます。

売り切れを恐れるあまり…


ここで北野が、普段から感じている疑問をぶつけます。「デパ地下で夜8時ぐらいでもまだ結構生ものが棚に陳列されてますよね。売り切ったらダメなんですか?」

井出さんは、「企業によって考え方が異なり、値下げ販売をして売り切っている場合もありますが、閉店間際に来たお客様でもいろんな種類が選べるように残しておかないといけないという考えを持っている所や、値下げは企業イメージが下がるからと禁止している所もあります」と答えました。

さらにはメーカー側に課せられる「欠品ペナルティ」という罰則を設けている店があるそうで、これは入荷量が少なくて売り切れた場合、本来商品があれば売れるはずだったと推測される分の金額について、スーパーなどが食品メーカーに請求するというものです。

これを払いたくない、また、他社に売り場を取られたくないという食品メーカー側は過剰に商品を作り、在庫として持っておくという現状があるそうです。
最後に食品ロスを減らすための対策として、井出さんは「賞味期限が切れても食べられることを分かっていただきたい」ということと、「欠品OKというスーパーや、お中元品の売れ残りを解体して売るなどの取り組みが必要」とまとめました。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2018年03月17日09時45分~抜粋

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