北野誠のズバリ

違法な象牙取引が横行する日本!世界から厳しい目

1月27日放送の『北野誠のズバリサタデー』では、象牙取引における日本の現状について取り上げました。

環境保護団体の世界自然保護基金・WWFジャパンは今月、日本で象牙の違法取引が横行しているとして、2020年までに象牙の国内市場を閉鎖するよう求める要望書を日本の環境省に提出しました。

世界では各国が市場閉鎖を進めていますが、ワシントン条約の常設委員会でも日本は批判されており、今や象牙問題に関しては国際的な孤立を深めているようです。

NPO法人のトラ・ゾウ保護基金(JTEF)の事務局長理事で弁護士の坂元雅行さんに、北野誠と大川総裁・大川豊がお話を伺いました。

[この番組の画像一覧を見る]

拡大する日本の象牙市場

坂本さんによると、そもそも年間でどれぐらいの象牙が売買されているかは不明で、政府も関係業界も把握できていないそうです。

使われている象牙の一部だけが判明しており、加工のために分割される元の全形牙の量が、2016年に登録されているだけで13.5トン、700頭分だそうです。

他に分かることは、加工される象牙の8割がハンコに利用されており、正式に届出のある業者の集計によると、日本にある在庫量は70万本だそうです。

これは象1,300頭分ほどの在庫が常に用意されている状態だということです。

また、近年はネット販売により日本国内の象牙市場が拡大しており、最も大量の象牙を扱っているネットオークションサイトでは、2015年の1年間だけで28,000件、7億1,000万円分落札されていたそうです。

世界の流れに逆行する日本

象牙の輸出入は1990年にすでに禁止されているので(1999、2009年に例外的な輸入はあり)、理屈上、象牙は国内にある在庫限りとなるはずなのですが、28年経った今でも象牙のハンコはまだ売られています。

しかし、2016年10月にワシントン条約締約国会議の委員会で象牙の市場を閉鎖する決議が全会一致で採択されており、毎年20,000頭以上の象が象牙のために殺されている状況を食い止めようとしています。

いくら合法的に売買をしていても、その中に違法的な物が入ってきてもわからないため、買う人がいる限り違法な象牙がなくならないから売買自体を禁止しようというのが、ワシントン条約の結論ということになります。

しかし1990年以降、日本は一貫して象牙産業を振興しようという方針を立てており、国際取引の解禁を要求しています。

アメリカや中国などは国内販売を止めるための措置を取ったり、準備をしたりしていますが、日本は世界の流れに逆行していると言えます。

象牙でなければダメなのか?

象牙の8割が印鑑に使用されているとのことですが、ここで大川が「他の素材じゃダメなんですかね?」と問いかけます。

坂本さんは「チタンやカーボンファイバーなどいろんな素材が出てきている」とし、もはや象牙を使う時代ではないと答えます。

さらに北野は「マイナンバーが印鑑の代わりにならないんですかね」と疑問を呈しましたが、まだ日本には印鑑登録の制度が残っているので、しばらく廃止はできなさそうです。

昭和40年代に「地上最大の象は聖獣で、その牙は運を呼ぶ」ということでブームになったのですが、大川は「象牙の印鑑で象が絶滅したら、この印鑑は良くないって思いますよね。みんな開運とかを考えますよね」とツッコみました。

坂本さんは「象を絶滅させたり自然環境を破壊させたりすることを避けなければならない」とまとめました。

まずは私たち1人1人が、象牙のハンコを選ばないようにする必要がありそうです。
(岡本)
北野誠のズバリ
この記事をで聴く

2018年01月27日09時46分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報