北野誠のズバリ

さするだけで痛みが和らぐのはホント!皮膚の不思議

話題の本の著者などにインタビューを行う「ズバリこの人に聞きたい」。

1月20日放送では、『皮膚は「心」を持っていた!』(青春出版社)の著者で、桜美林大学教授で臨床発達心理士の山口 創先生に「スキンシップの効果とメカニズム」というテーマで北野誠がお話を伺いました。

山口先生は身体から心を整えるという身体心理学を長年研究されていて、この本ではスキンシップの効果を科学的に易しく解説しています。

例えば、少しケガをして痛がっているこどもに「痛いの痛いの飛んでいけー!」と言うことで痛みが和らぐのは、単なる気のせいではなく、実は科学的根拠があるのだそうですが、どういうことなのでしょうか。

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薬なしで痛みを和らげる方法


皮膚はまだまだ未知の可能性がたくさんあるそうですが、まずは冒頭に紹介したケースについて伺います。

北野「『痛いの痛いの飛んでいけー!』で、実際に痛さが減るんですよね?」

山口先生「実際に触ると触覚の刺激が、痛みを伝える神経よりも早く脳に届いちゃうんですね。そうすると、脳で痛みを感知しにくくなるメカニズムが実際にあるんですよ」

北野「母親がこどもさんをなでるとかで安心するってよく言われますよね?」

山口先生「安心することでも、痛みの刺激が脳に入りにくくなるんですね。だから必ずしも痛いところをさする必要はなくて、ちゃんと抱きしめてあげるとか、さすっても痛みは減るんですね」

親と小さなこどもなどの関係性の中で有効なようですが、痛みも安心感によって実際に和らぐようです。

自分で自分をさすっても効果あり


さらに、スキンシップは痛みを和らげる以外にも効果があるそうです。

北野「スキンシップすることって、かなり利点が多いんですか?」

山口先生「最近スキンシップに関する研究が世界的にすごく増えていまして、スキンシップをすると脳の中でオキシトシンという物質ができます。
ストレスの反応を弱める作用があり、痛みやストレスが軽くなることが証明されています」

もし、さすってもらって和らぎそうな人が周りにいない場合は、自分で自分をさするしかないのですが、それでもオキシトシンが出るので、効果はあるそうです。

ただし速さが大事で、1秒間に5cm程度のゆっくりさが効果的だそうです。

北野「お腹痛い時は『痛い痛い……』と言って、手で押さえますよね。これも自分で痛みを和らげる効果はあるんですか?」

山口先生「本能的にやってるわけですよね。動物も手足が痛いとそこをなめますよね。これも自分で痛みを軽くしてるんです」

夫婦間のスキンシップは有効?


出産直後、母親に新生児をすぐに会わせて肌を合わせることによってもオキシトシンが出るそうで、親子の絆が深まることから、オキシトシンは「絆ホルモン」とも呼ばれるそうです。

北野「だんだんこどもも思春期や反抗期になってくると、母親も触りにくくなるじゃないですか。どういう風に触れ合うと良いですかね」

山口先生「やたらめったら触れるのは良くないので、例えば部活で疲れた時に足をマッサージするなど、ちょっと工夫して触ると、親子関係も良くなります」

では、長年スキンシップが少ない夫婦はどうでしょうか。

実際のアメリカの研究では、普段良く触れている夫婦にさらにスキンシップを勧めると効果はありますが、長年触れてない夫婦がスキンシップをすると、むしろ逆効果で、ストレスホルモンが増えるそうです。

山口先生「何でもいいから触れば効果があるというわけではなく、すごく気を付けないといけないですね。お互いに向かい合って目を見て話をする、思いやりを持つとか。それでもオキシトシンは出ますから」

最後に北野は、「2人で向かい合うと衝突したりするので、まずは横並びで軽く散歩をするところからですね」とまとめました。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2018年01月20日10時25分~抜粋

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