北野誠のズバリ

住民税滞納の取り立てを甘く見るな!差押えにならないためには?

話題の本の著者などにインタビューを行う「ズバリこの人に聞きたい」。

11月18日の放送では、「地方税滞納に対する徴収方法が暴走してきた」というテーマで、『差押え~実践・滞納処分の対処法』(東銀座出版社)の共同著者で税理士の角谷啓一さんに、北野誠がお話を伺いました。

現在、国税・地方税ともに滞納整理が急速に進んでおり、平成27年度の地方税滞納額は、8年前と比べて約8000億円減り、約1.2兆円になってきました。

滞納額が減るのは一見、良いように思われるのですが、減額の背景には強引な徴収の事例も含まれているようです。

納税は国民の義務ではありますが、どうしても住民税が払えない場合は、どう対処すれば良いのでしょうか。

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取り立てが厳しくなった背景


角谷さんはまず、「最近は住民税の滞納について過剰な取り立てが多く、納税者側の実情を調べずに、一方的に公権力を行使するケースが増えてきている」と訴えます。

税収が減ったため、取り立てが厳しくなったことは想像できるのですが、税収が減った理由について住谷さんは、平成19年小泉首相の時に掲げられた『三位一体の改革』で、地方に3兆円分の税源が移譲された代わりに地方交付金が切り下げられたことと、その後のデフレ不況を挙げました。

わずかな預金でも差押えの可能性も


強引な取り立ての例としては、63歳でパート勤めの方が、滞納分の分割納付を申し込んでも断わられ、9万円しかない預金も差し置さえられ、最低限の生活を脅かしかねないケースもあるほどです。

これに対し、北野は「日本国憲法(第25条)で『健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』と謳っているのに、いきなり何の連絡もなくわずかな預金を全額差し押さえるのは、やり過ぎではないか」と問います。

このような取り立てが合法なのか尋ねられた角谷さんは、合法かどうかは調べなければ不明だがと前置きしつつ、年金や給料は、最低の生活費を除いた上で差し押さえることから考えると、違法のように思われる」と、回答しました。

すぐに役所へ相談することが大事


では、どうしても一度に支払いができない場合、分割して納付できるかどうかの相談はできるのでしょうか。

税金は強制徴収が前提で、国税法で徴収を緩和する分納制度は規定されているのですが、地方税は国税と比べて、強制徴収をする傾向が強いそうです。

納付相談の対応内容は自治体によって異なりますので、確認が必要です。

滞納問題は自分の問題であり、仮に自己破産したとしても、基本的には税金は残り続けてしまいます(個別の事情に応じて、滞納処分の執行停止などはあり)。

最後に角谷さんは、「役所から届いた文書を見ずに捨ててしまい放置してしまうと、いきなり差し押さえの連絡が来てしまうことにもなる。まずは役所に事情を説明し、相談することが自分の身を守ることにつながる」とまとめました。

どうしても生活が苦しくて住民税が払えない状態の場合、「自分は税金が払えないんだから仕方がない」と思いながら、役所はそこまで厳しいことはしないだろうとタカをくくったり、役所からの通知は内容が難しそうだから見ないで捨ててしまうと、後で大変なことになります。

ここはきちんと、役所に出向いて説明に行くようにしましょう。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2017年11月18日10時27分~抜粋

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