北野誠のズバリ

シャッター商店街を活性化させる秘訣とは?

話題の人にインタビューを行う「ズバリこの人に聞きたい」。

10月7日の放送では、コンサルタントで株式会社油津応援団取締役の木藤亮太さんに、商店街を活性化させる秘訣について北野誠が伺いました。

現在の日本では少子高齢化が進んだことで、空きテナントが10%を超えるという商店街が半数近くを占めているそうです。

そんな中、同じようにシャッター商店街だった宮崎県日南市の油津商店街は、ここ数年で29店舗のテナントを誘致し、客足が戻り、観光客も訪れるほどになったため、全国から注目を浴びています。

商店街を復活させた秘訣とは、いったい何でしょうか。

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月給90万円に応募が殺到!


まずは木藤さんが油津商店街の立て直しに携わったきっかけについて、北野が尋ねました。

木藤さんは、「4年前に日南市が商店街を立て直しする人材を全国公募したことから始まり、333名が応募してきましたが、書類選考で9名に絞られた後、面接やプレゼンテーションで決まりました」と答えました。

当時は「市長を超える月給(実際には交通費なども含む委託料)90万円で公募」というニュースが話題になりました。

厚遇な分、当然ノルマは厳しく、4年間で20の新しい店をオープンしなければなりませんでした。

北野が「油津商店街を最初見た時、ガラガラだったでしょう?」と立て直し前の様子を聞いたところ、木藤さんは、「猫すら歩かないとか、薄暗くて子供は近づいてはダメだと言われた場所だった」と答えました。

立地条件としては、かつてはマグロ漁などが盛んで港と駅をつなぐ商店街でしたが、漁業が衰退して空き地が増えていった状態だったそうです。

木藤さんは元々福岡で仕事をしていたのですが、この仕事のために移住し、まずは街の歴史や現状を聞いて回る所から始めました。

街の人たちの意見を聞く中で、立て直しには消極的かと思いきや、過去に思い出があってなんとか新しくしたいという若者が多かったと言います。

まずはカフェからスタート!


最初にとりかかったのは、古い喫茶店の空き店舗をリノベーションし、人が集まる場所としてカフェを作ったことです。

その後、既存の寝具屋や呉服屋はそのまま営業を続けてもらいつつ、間にあった空き店舗を活用するために飲食店を作っていましたが、街に思い入れのある3~40代の人には、新たに独立起業して小さなお店を作ってもらいました。

起業には都会ほどではないにせよお金がかかり、まずはテナント料の問題があります。
そこは家賃交渉をして安くしていきましたが、一方で面倒くさいので貸したくなかったり、いつかは実家に戻って住むだろうというオーナーを説得するのは大変だったそうです。

店だけではなく企業も誘致


ただ、店を増やすだけでは、人口減少には対抗できません。

そこでお店だけでなくIT企業を誘致し、これまでに8社ほどの企業が油津商店街に来ています。
木藤さんは、「若い人たちが働いているので、お昼ごはんを食べたり買いものをしたりして、消費側の人口を増やすというのも成功した原因ですね」と語りました。

IT企業を誘致するのにあたっては、市長が直接都市に出向き、誘致を直接交渉していました。

北野は、「IT企業は場所を問わない(業種な)ので誘致しやすいとはいえ、家賃が安い以外のメリットがあったのでしょうか?」と疑問をぶつけました。

木藤さんはこう答えます。

「東京だと人口は多いですが競合他社も多くて、良い人材が獲りづらいのですが、地方の大学や専門学校に良い人材を獲ることに可能性を感じている経営者が少なくないため、誘致できた」

商店街活性化への挑戦は続く


さらに油津は50年以上続く広島のキャンプ地で、実は球場からは徒歩5分という好立地なのです。

25年ぶりに優勝して沸き上がるカープ人気から今年は8万人以上が訪れたため、油津商店街も道路を赤く塗ったり、グッズ販売や、パンケーキにCの文字を入れて売るなど、様々な工夫を凝らしました。

最後に木藤さんは「(一般的に)商店街で売っている物は、実際のニーズとズレが生じているので、商店街という固定観念を取り払い、この街に何が必要か議論しながら、会社やゲストハウスができたり、最終的に人が集まる商店街として(プロジェクトを)進めてきました」とまとめました。

物を売るだけだと大型ショッピングモールやネットにどうしても敵わない面がありますので、街づくりを含めた計画を考えることが、活性化のカギとなりそうですね。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2017年10月07日10時25分~抜粋

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