北野誠のズバリ

離婚と死別は違う!知っておきたい「没イチの会」

バツイチならぬ「没イチの会」をご存知ですか?

「没イチ」とは配偶者に先立たれ、単身になった人のこと。
2年前、同じ境遇の没イチ同士が集まり、明るく笑顔で交流を深める「没イチの会」が結成され、現在はテレビでも特集が組まれるなど、話題になっています。

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没イチの会ができたわけ


このニュースを聞いたと北野誠、このように語ります。

「考えてみたら、同時に死ぬことはないですからね。どっちかが先に死ぬわけですから。男の死ぬ確率の方がやや高いですが」

現在65歳以上で「没イチ」となられた方の数を見ると、女性が約720万人もいるそうです。
そんなに多いなら没イチ同士を繋げたいと、定期的に飲み会を開催して、亡くなった配偶者の分も楽しむことができる会を作ろう、というのが発端だそうです。

発起人は、第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部の小谷みどりさん48歳。
現在は50歳以上のシニアを対象にしたセカンドステージ大学で、死生学(死と生きることについて考える学問)の講師をしています。死生学を受講している中で、配偶者をなくした7人が発足したのが「没イチの会」です。

一字違いで何が違う?


「バツイチ」と「没イチ」で何が違うんでしょうか?

小谷さんが違和感を覚えたのは、書類などで婚姻関係をチェックする欄。
「既婚・未婚・離死別」と3つあるんですが、まったく異なる「離婚」と「死別」が同じ扱いになっていたのです。

「言われてみれば、確かに、確かに」とアシスタントの大橋麻美子。

同じ扱いにされているとはいうものの、両者にたいする世間のイメージは大きく異なります。
例えば飲み会で「わたしバツイチでーす!」は明るく言えるのに「先に主人が亡くなったんです」と言うと「可哀想に…」と、もの凄く同情されるのです。

離婚経験のある大橋が「バツイチも、明るく言ってますけど、心で泣いてますけどね…」と漏らすと、北野誠も「さすがです…」と言う他ありません。

一般的なイメージはこれ


北野「例えばバツイチだったら、ちょっと派手に化粧して、飲みに行っても、再び婚活やるんです~、みたいな感じを醸し出せるんだけど、亡くなられて没イチになった場合は、『あの人、旦那が亡くなったばっかりなのに派手やねえ』と、こういう見方をされるんですよね」

大橋「黒いベール被って、もうちょっと落ち込むべきじゃないの?とか」

北野「半年も経たんうちに『この人派手になってるけど、旦那さん、やっぱり自殺?』とか言われたりね」

大橋「バツイチにしても没イチにしても、一生懸命自分を奮い立たせるために、明るくワーっとやってるんだけど」

残された方の気の持ちようによりますが、周囲の目はやはり異なるようです。

北野「バツイチは『再婚に向けて頑張らんと』と思うけど、没イチさんの場合は『あの人、あんなんではアカンわ』ってなる。そういう風に見られるのを止めたいから、みんなで飲み会とか開いてるんですよね」

もちろん「没イチの会」には、女性のみならず男性も含まれます。

没イチの会は前向きな会


ちなみに「没イチの会」には悲しむ人は入会できません。
さらに死別を思い出したり、泣いたりする人もダメ。年齢やどのような死別のされ方をしたかは、それぞれ違いますが「死別を経験している」という共通意識があって、明るくざっくばらんにしゃべりましょう、というのが入会の原則だそうです。

北野「あと『あの人が至らんかったから、こうなったんじゃないの?』とか『あの人がしっかりしてなかったからちゃう?』とか、そんな言い方もされますからね。
病気で亡くなっても『奥さんがちゃんと健康管理しとけへんかったからや』とか『辛いもんばっかり食べさせたんちゃう?』とかね」

大橋「世間は言いたいことを言いますからね」

北野「配偶者が亡くなってつらい上に陰口叩きますからね。親戚も心ない言葉を言いますから、結構厳しいもんあるやん」

大橋「親戚だからこそのキツさありますね」

そのつらさをわかる人同士で共有し、前向きに生きていこうというのが「没イチの会」です。
「だって、残された人間は生きていかないかんわけですからね」と締める北野誠でした。
(尾関)
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2017年10月04日13時23分~抜粋

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