5/22から5日連続で、北野誠が株式会社ファミリーマート代表取締役社長の澤田貴司さんに経営哲学などを尋ねる「ファミリーマート澤田貴司社長にズバリ」の3回目です。
今回はサークルKサンクスからファミリーマートへブランド転換するオーナーさんへの思いについて。聞き手は北野誠です。
ファミリーマート澤田貴司社長に、北野誠がズバリ聞いてみた(3)
オーナーの本音にズバリ
澤田さんによれば、コンビニエンスストア1店舗につきオーナーは基本ひとりですが、複数店舗を経営するなどいろんな例があるそうです。
そんなオーナーにとって、コンビニエンスストアのチェーンが変わるということは重いものです。
それ以前にあったサービスがなくなってしまうなど、利用者に負担を強いることは避けたいというのが本心でしょうし、一方で新しいブランドに付く新しい利用者の開拓も命題となります。
今回はオーナーを代表して、来月2日ファミリーマートに生まれ変わるサークルK半田乙川店の間瀬禎幸さんが登場しました。
北野は間瀬さんに対し「(ブランド転換を聞いて)ぶっちゃけて言うと、どんな気持ちでした?」とズバリ尋ねます。
「いやもう不安でしかないですよね。サービスや看板、いろんなものが今後どうなっていくんだろうと、想像もつきませんでしたから」
オーナーも一国の主。澤田さんが隣にいる状況ですが、正直に最初の印象を語ります。
では、その不安から実際に転換を決めたポイントは何だったんでしょうか。
「澤田社長に魅力を感じまして、決めました」
冷静に淡々と語る間瀬さんに対し「ありがとうございます!」と深々と頭を下げる澤田さん。
澤田さんの方針に「何これ?」な驚き
その澤田さんのどのような言動がオーナーの気持ちを動かしたのでしょう。
「(澤田さんが)方針説明会で『販促物やPOP(広告)が多い』という話をされて、少し経ってから実際に店から減ってるんですよね。本当に減ったんです。ビックリしました。スタッフの作業が軽減されました。何これ?って思いまして(笑)」
コンビニエンスストアのオーナーやスタッフは明け方に商品が届くなど、お客さんがいない時間でも仕事に追われます。いかに効率よく作業できるかも重要です。
「業務も多岐に渡るじゃないですか。いつの間に納税まで扱って、いつの間にチケットまで取り扱ってんねん!それで宅配も受けたりしてますからねぇ。多いなぁと思います」とコンビニの多様化による苦労を慮る北野。
「サービスも多いですからご案内もしないといけませんし、発注もやらなきゃいけない、POPなども付けなきゃいけないし…時間が足りませんでした。それがお話をいただいて間もなく減りまして、レジも今後最新の簡素化されたものに替わるというので、非常に期待しております」
現場が楽しみお客さんが喜ぶ仕組み
ここで澤田さんがサービス提供に対する考えを発します。
「サービスはお客さんのニーズに従ってしっかりやらなければなりませんが、すぐにできる、楽にできることを増やしたいんですよね」
ここで澤田さんが例えとして出したのは、スマートフォンなどの端末に話しかけると、音声認識でマニュアルがすぐに表示されるなど、先端のテクノロジーを利用したシステム。
実現すればスピードアップとサービスの信頼性が担保されることでしょう。
「お客さんに求められてるサービスはいい形で提供したいんだけど、現場で働く人が楽しんでできるような仕組みに変えていきたい。これは徹底的に投資して、間瀬さんも大活躍して(笑)、お客さんが喜んでくれるようなことをしたいんですね」
こう語る澤田さんの言葉を聞いて、間瀬さんも続けます。
「無理です、ではなくて『できます』『できるんだ!』というようなものに期待してますね」
サービスの多様化を支える現場の負担軽減とモチベーションの向上。
経営陣にかけられた期待とプレッシャーは大きいですが、澤田さんの理想と哲学が実践に移される時、グループの結束力が間違いなく強まることを予感させる今回のトークでした。
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