5/22から5日連続で、北野誠が株式会社ファミリーマート代表取締役社長の澤田貴司さんに経営哲学などを尋ねる「ファミリーマート澤田貴司社長にズバリ」の2回目です。
昨日はユニクロのフリース、クリスピー・クリーム・ドーナツの仕掛け人としての経歴を中心に伺いましたが、今回は澤田さんが行っているサークルKサンクスからファミリーマートへのブランド転換についての話題です。
ファミリーマート澤田貴司社長に、北野誠がズバリ聞いてみた(2)
サークルKサンクスの良いところ
昨年9月にサークルKサンクスを展開するユニーグループ・ホールディングスと経営統合し、およそ18,000店舗でコンビニエンスストア業界第2位となったファミリーマート。
業界トップのセブンイレブンへの追撃体制を整えている澤田さん、2018年8月までに6千店舗あるサークルKサンクスをファミリーマートに転換している真っ最中です。
澤田さんに対し「実際にサークルKサンクスをご覧になって、良かったところってあるでしょ?」と尋ねる北野。
「ひとつの例ですけど、サークルKサンクスのPOSレジの方が圧倒的に使い勝手が良い」
POSレジとは、レジのスキャナーで読み取られた商品のバーコード情報をデータとして記録し、人気商品や不人気商品を瞬時に分析しながら、必要な在庫を管理できるシステムです。
「例えばお酒やタバコを買う方は20歳を過ぎないと購入できないんですが、持ってきた方が20歳くらいで、中には怖い感じの人もいるじゃないですか(笑)。パッと見わからない人はファミリーマートでは『年齢証明できるものはございますか?』と口頭で確認しなきゃならない。でもサークルKサンクスでは、レジでバーコードをピッとやると、コンピュータが言ってくれるんですよ。で、お客さん側に確認ボタンもあって、それを押すだけで終わっちゃうんです。これ、すごく楽なんです、精神的に」
お店でレジを打つ女性スタッフにも負担をかけないように、と気を遣っているこのシステムを澤田さんは気に入ったようです。
澤田さんならやれるかも
続いて北野が「サークルKサンクスのオーナーさんにはファミリーマートへの転換に不安を感じる人も多いと思うんですけど、その説得に行くもの社長の仕事ですよね?」と尋ねます。
「最終的にはオーナーの皆さんにご納得いただいて決定されるわけですから、それは日々、そこへ伺ってお話をさせていただいて、状況を確認させていただくということは常にやってます。ですけど、私ひとりがそこまでやれるはずもございませんから(苦笑)」
さすがの澤田さんも、全国に何千とあるお店すべては回れません。
しかし、北野が澤田さんならそこまでやるかも!と考えたのは、澤田さんが社長就任直後から社員向けに「気合注入講演会」を開いていると知ったから。
「これは僕が顧問、専務を経て去年の9月1日に社長になってからやってます。入社してから半年ぐらい現場を回っていろいろなことを考えさせていただいて、やっぱりこの会社をこうしたい、という思いがあったわけですよね。それを直接生の声で社員に伝えなきゃいけないと思いまして22回、7千人の社員がいますが、その人たちに向けて全国回ってやってます」
率先して食べるのは当たり前
さらに澤田さんへ「あとランチにスケジュールが空いてる限りは、必ず社員とファミマの商品を持ち寄って食べる……当たり前ですよね?」と尋ねる北野。
思わず「当たり前です」と苦笑する澤田さん。
「僕が料亭で飯を食ってるんじゃないかと思ってる方もいるみたいなんで、可能な限りファミマの商品を愛して、率先して食べるべきですし。べきではなくて、食べたいですし」
北野も番組でショッピングコーナーを担当する際、実際に自分でその商品を購入することが多いと言います。
実際に商品を使ってその使い勝手や特徴を理解しなければリスナーに薦められない、という点で澤田さんの行動に共感しているのです。
さらに澤田さんには、社員の結婚式にビデオメッセージを贈っているという話が。
「社員が喜んでくれるんなら、何でもやろうと思って始めたんですけど。『僕でよければビデオメッセージ贈るから』と全社に発信したところ、週に3人くらい(報告を)くださって」
「偉いなぁ!お忙しいのに…」と苦笑いする北野に「今はスマホで撮れますから、3分や5分くらいの時間は大した話じゃないです」
北野が最後に放った「そういうのって歳とると面倒くさくなるじゃないですか?」との質問には「いやぁ、歳とともにどんどんやりたいですね。気づいてないことがありますから、もっともっとやりたいですね」と、とことん熱い澤田さんでした。
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