北野誠のズバリ

あなたはロック派?それともクリスタル派?

CBCラジオ『北野誠のズバリ』のコーナー「ハートにズバリ」。
毎週月曜はアシスタントの松岡亜矢子が、この地方のいろんなモノを取材・紹介する企画「地元に聞いちゃうぞ!」をお送りします。
今回は日本でもここにしかない、岐阜県海津市の氷砂糖資料館へ松岡亜矢子がお邪魔しました。

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最も純度の高い砂糖は?


この氷砂糖資料館を運営するのは、名古屋に本社を置く中日本氷糖株式会社。
日本の氷砂糖のシェア50%を占める会社で、創業は明治28年という老舗中の老舗。
この資料館、1995(平成7)年、会社設立100周年の記念にこれまで収集・収蔵してきた氷砂糖に関する資料と、多くの方に氷砂糖に対する理解を深めてもらうために開館されたそうです。

まず、氷砂糖は他の砂糖と何が違うんでしょうか?
成分は全く変わりません。違うのは作り方。グラニュー糖を1度溶かし、それを精製して結晶化させたのが氷砂糖です。お砂糖の中で最も純度が高いんです。

ちなみに、世の中に出回っているいろんな種類の砂糖を純度の順に並べるとこうなります。

氷砂糖>グラニュー糖>上白糖>三温糖

あなたはロック?クリスタル?


また氷砂糖には2つの種類があるのをご存知でしょうか?
かち割り氷のような「ロック氷糖」と、そして宝石の様にきれいな形に整った「クリスタル氷糖」です。

それぞれ作り方によって違いが生まれます。
「ロック氷糖」はグラニュー糖を溶かして砂糖の濃い液を作り天板に流します。それを60℃くらいの部屋に置いてゆっくり水分を飛ばし、2週間経つと氷が張ったような結晶ができるので、それを適当な大きさに割るとかち割り氷のような形になるんです。
一方、ひとつひとつ粒の揃った「クリスタル氷糖」も途中までは同じ作り方なんですが、そこから先は南濃工場長の林さんに教えていただきましょう。

「型に入れて固めるとかではなくて、自然にああいう形になっていくんですね。作り方の違いとしましては、ガラガラガラガラと動かしていくんです。ゆりかごの様に揺らしてるって感じですね」

ゆりかごを揺らすように水分を飛ばしていくと、自然とあのクリスタルの形になって固まっていくんですって。

氷砂糖ブームの変遷


氷砂糖の歴史を紐解くと、一番古い記録とされるものは、紀元前3世紀の頃『インド見聞記』に「インドに産する不思議な鉱物の中には歯で噛み砕けばイチジクや蜜よりも甘い奇妙な鉱物がある」との記述。
つまり氷砂糖の起源は高温で乾燥した地方で、砂糖の溶液がカメで自然に結晶したと考えられます。
また日本に最初に氷砂糖をもたらしたのは諸説ありますが、遣唐使だと言われています。

近年の日本では、氷砂糖の大きなブームが2回ありました。
1つ目は1962年。家庭での梅酒作りが解禁されたことによって消費が爆発的に伸びました。しかしその翌年、砂糖の輸入自由化により急降下。
しかしその後、70~80年代にかけてカラメル溶液を加えて茶褐色にした「コーヒーハイシュガー」が大ブレイクしたことで、2つ目の氷砂糖ブームが起こりました。
当時中日本氷糖では2つある工場のうち1つを、コーヒーハイシュガー専用に稼働させていたほどでした。
 

氷砂糖は料理でも大活躍


現在はブームも安定し、メーカーでは氷砂糖の新しい使い方などを提案しています。
お菓子や飲み物だけじゃない使い方もいっぱいあるということで、再び林さんにお勧めの使い方を聞きました。

「すき焼きとかしますよね。ざら目のお砂糖の代わりに氷砂糖を入れると味がいいですね。素材の良さを邪魔しないんですよね。煮詰まっていくと(味が)くどくなりますよね。そのくどさが違って、私はさっぱりしてるなと思いますね」

純度の高い氷砂糖だからこそ、甘味だけが残ってくどさがなくなるという利点。これから調理にも積極的に利用してみましょう。

なお氷砂糖資料館では、小学校の社会見学や子供会の遠足などで訪れる際、前もって連絡しておくと氷砂糖を使った綿アメ作り体験ができるそうです。

<氷砂糖資料館データ>
〒503-0401 岐阜県海津市南濃町津屋2812-100
中日本氷糖株式会社 南濃工場内
詳しくはこちらをご覧下さい。
北野誠のズバリ
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2017年03月27日14時43分~抜粋

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