2017年4月1日(土)

ラジオなのに聴くに堪えない日本のペット事情

丹野みどりの よりどりっ! / ライフ・ヘルスケア

女優の杉本彩さんが、公益財団法人動物環境・福祉協会Evaという団体を設立しているのはご存知でしょうか?杉本さんは子供の頃から動物を愛し、現在も芸能活動と並行して動物愛護に熱心に力を注いでいます。杉本さん自身「芸能人としてこの活動をするのは私の使命」と言うほどです。
今回は杉本さんの活動についてクローズアップします。

動物愛護の活動をするきっかけ

「25年以上前に遡るんですけど、たまたま、道端で病気にかかって死にそうになっている子猫を見つけて治療を受けさせたことが第一歩なんです。その時は動物愛護とかそういう意識はなく、本当に人として、当たり前のことをしただけで」

と語ってくれた杉本さん。
それからも、目の前の命を救いたいというシンプルな思いで動物を保護していたのが、応援してくれる人も現れ、どんどん活動の輪が広がり、今の団体に至っているということでした。

現在の日本のペット事情

ちゃんとしたブリーダーさんはもちろんいますが、悪質なブリーダーもいて、とにかく産めよ増やせよ。数多くの動物をとにかく繁殖させて、それをショーケースに並べ、生きたままの形で販売。これを生体販売といいます。

2013年、動物愛護法が改正され動物販売や虐待への規制が強化されました。
行政は犬猫の引き取りを拒否できるようになりました。さらにペットの飼い主にも、動物取扱業者にも、動物が死ぬまで面倒を見る「終生飼養」の義務が明文化されました。このことによって殺処分ゼロを目指したわけです。

動物愛護法改正で一歩前進したけれど

改正後、行政で殺処分される犬猫の数は確実に減っていますが、新しい問題も産まれています。

「法改正で一歩前進したとは思うんですが、まだ完璧な法律ではないんですね。ひとつ法律ができても、また法の目をくぐっていろんなビジネスが生まれてくるわけです」

あらゆる側面から完璧に取り締まることができない限り、動物をとりまく状況は決して良くなったとは言えない状況だそうです。さらに杉本さんは続けます。

「生体販売には悪質な繁殖場がつきものですよね。繁殖場やペットショップで不良在庫になった、繁殖ができなくなった犬や猫たちというのは、抱えていてもお金がかさむだけで、業者としてはなんとか処分したいというのが正直な思いです。
そういった業者の犬や猫も、全て行政が受け皿になって殺処分していましたが、2013年の法改正後、業者からの依頼を断ることができるようになりました。よほどやむを得ない事情がないと行政は引き取りませんよ、と言うことに変わりました。
このことで、受け皿を失った業者ができるので、今度はそれを目的に『引き取り屋』というビジネスが誕生したんです」

生き地獄の「引き取り屋」ビジネス

引き取り屋は犬猫、一匹当たり数千円から数万円のお金をもらって引き取ります。業者は、引き取った犬猫をどうしているんでしょう?

「劣悪な環境で、小さなケージの中に閉じ込めっぱなし。たとえ病気になっても適切な医療を施すわけでもなく、十分なご飯も新鮮なお水も与えられない。(引き取り屋は)積極的に犬猫の命を奪うわけではないけれども、命が終わるのを待っている。生き地獄のような状況が、この引き取り屋の中で行われているわけなんですね」

動物愛護法が改正されて、行政が殺処分を受け入れなくなったしわ寄せが「引き取り屋」というビジネスを産みました。動物たちにとっては行き先が「行政」か「引き取り屋」かに変わっただけで、この苦しみが終わったわけでも、改善されたわけでもなかったんです。

動物たちのためにできること

こうした悪質なビジネスなど、動物たちへの環境を少しでも改善しようと、杉本さんは動物環境・福祉協会Evaの代表を務めています。

「2013年に法が改正されて、まもなく法の見直しの時期を迎えます。前回取り残した問題は多々あるわけです。それをしっかり改正できるように訴えかけていくわけです。
新たにこうしたビジネスが誕生しているわけですから、さらに業者への厳しい規則…例えば、現在のブリーダーは登録制で誰でもできますが、しっかりした免許を与えてほしいとか、本来引き取り屋の状況というのは完全なる動物虐待、動物愛護法違反なわけですが、それを適切に取り締まれるような仕組みを作っていくことが大切なんですね」

私たちができることは?

「動物たちは、言葉がしゃべれないだけで、私たち人間と同じように感情があって心があって知能もすごく高いんですね、心を通わすことができる尊い存在だということをもう一度考えていただきたいです。
迎えるときはですね、本当に家族として終生大切に育てるという覚悟をもって、迎えていただければなというふうに、本当にお願いしたいと思います」

と語る杉本さん。
こうした問題を知り、理解し、それを周りの方に広げていくことで、皆の考え方が変わるはずです。
そして「迎えましょう」ではなく「お願いしたい」という言葉に杉本さんの動物を思う気持ちが伝わってきました。
(尾関)

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