2017年7月15日(土)

西武森コーチも襲われた?夏に患者が急増する「溶連菌感染症」

丹野みどりの よりどりっ! / ライフ・ヘルスケア

番組宛てにこのようなメッセージが届きました。

「西武ライオンズの森慎二投手コーチ(42歳)の急死がショックです。死因が溶連菌の感染による敗血症とのこと。誰でもなりうる病気らしいので、取り上げてもらえませんか?」(Aさん)

これを受けて、原因とされる「溶連菌感染による敗血症」の症状や治療法について、医療事情に詳しいCBC論説室の後藤克幸解説委員に聞きました。

溶連菌感染症は身近な病気

森さんが亡くなられた原因は、溶連菌の感染によるものなのでしょうか?

「一部のスポーツ紙が家族の話として、溶連菌の感染による敗血症、と報道しています。ただ、球団側は公式には多臓器不全としか発表していません。実のところ詳しい死因については、明らかになっていません。
ただ多臓器不全になる病態として、敗血症は十分考えられるし、敗血症の原因は感染症とされています」

森さんがかかった感染症が、溶連菌感染症だった可能性があるのでしょうか?

「断定はできませんが、十分可能性はあると思います。ひとつの理由は、溶連菌は実は非常に身近に存在しているありふれた細菌だからです。発熱とか喉の炎症などを引き起こす菌で、くしゃみなどの飛沫で感染します。年間患者数は20~30万人。
多くの患者は3~10歳の子供ですが、大人もかかることがあります。
もうひとつの理由は、ちょうど今の時期、春から夏にかけて、溶連菌の患者が増加してくるからです」

劇症型が危険!

比較的誰にも感染する可能性があるということですが、致死率はどの程度でしょう?

「溶連菌感染症の中でも、劇症型というタイプのものが存在していて、病状の進行が非常に急激です。発症してから2、3日で、敗血症、多臓器不全の状態に進行してしまい、致死率も30%近くあると言われます」

日本での症例はどの程度あるのでしょう?

「日本では年間200人前後の患者が報告されています。劇症型は子供より働き盛りの大人や高齢者に多いです。ただ、一般的な溶連菌がどんな仕組みで劇症型に変化するのか、どういう場合に劇症になるかは、まだ解明されていないことが多いです」

症状はどういったものか?

溶連菌感染症が発症すると、どのような症状が表れるのでしょう?

「初期には手足が痛むということが多く見られ、熱が出ます。病状が進行するにつれて、呼吸が苦しくなったり、いろいろな臓器が障害を受け、血圧が低下し、そして意識低下。これが一気に2、3日で進行していくのが『劇症型』と呼ばれる溶連菌感染症です」

治療法はどういったものか?

一部メディアでは”人食いバクテリア”などという名前で呼ばれていますが、治療法はあるのでしょうか?

「溶連菌にはペニシリン系の抗菌剤、抗生物質が有効と言われています。治療の第一選択はペニシリンの投与です。ただ病状が重篤になって、敗血症になると、大きな病院に入院して、集中治療室での治療が必要です」

「敗血症」とはどのような病気なのでしょう?

「感染症にかかると、身体が反応し、その菌をやっつけようとして、いろいろな炎症反応が起きます。これが重篤になると、全身の臓器が冒され、炎症状態が激しく起きるという状態になります」

具体的な治療について教えて下さい。

大きな病院の集中治療室で厳重に管理して、全身に対する集中的な治療が必要になります。例えば呼吸が不全になると、人工呼吸器でしっかり呼吸を管理する。血圧が低下してきたら、輸血したりする。腎臓が働かなくなれば、人工透析などによってサポートするなどです」

敗血病にならないために早期受診を!

「日本集中治療医学会という学会があります。この学会のサイトでは、劇症型溶連菌の感染症について、いち早く的確な医療機関で治療を受けることが重要で、適切な治療を受ければ、多くの人は回復して、元の生活に戻っていると、早期受診早期治療を呼びかけています」

実はこの『丹野みどりの よりどりっ!』のスタッフの一人も溶連菌感染症にかかり入院したことがあるそう。早めの受診が大事ですね。
(みず)

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