2017年4月1日(土)

長寿のために「カロリー制限は不要」ってホント?

きく!ラジオ / ライフ・ヘルスケア

今日のお話は「長寿の食事方法、カロリー制限」について。
カロリーは制限した方がいい気はしますが、実際にするのは難しいですね。さて、どんなお話が聞けるのでしょうか。
名古屋大学総合保健体育科学センター健康スポーツ医学教授の小池晃彦(こいけ・てるひこ)先生に、重盛啓之アナウンサーが伺いました。

カロリー制限は寿命を延ばす!

「カロリー制限が長寿にいい」というのは昔から有名な話で、さまざまな生物で研究がなされてきました。
カロリー制限(このカロリー制限は、栄養を維持しながらカロリー摂取量を3~4割も減らす特殊な制限法ですが)をすると、蜘蛛からメダカ、ネズミまで約1.4~1.9倍寿命が延びると言われています。
この寿命を制御するメカニズムの研究がなされていて、将来は薬に応用されたりするでしょう。

カロリー制限は寿命を延ばす…では、人ではどうでしょうか。
カロリー摂取量を3~4割も減らすならば、栄養を維持することが大事です。飢餓や低栄養となってはいけません。
特に、高齢者では、カロリー制限で体力が低下しては本末転倒です。

ふたつの研究、結果が正反対の理由

最近、これに関する研究が米国で2つの研究施設から報告がされました。
アカゲザルで20年間にわたって30%カロリー制限をするとどうなるか、というものです。
ひとつがウィスコンシン大学のものです。
カロリー制限をしたサルは、糖尿病はほぼおこらない、心筋梗塞、癌、脳の萎縮も減った、という結果が出ました。これによりカロリー制限は健康に良い、という話になったわけです。

同じ頃、国立老化研究所で同じような研究をしていました。
ところが、結果が違っていました。
普通にカロリーをとっても、カロリー制限をしても、結果は変わらないという報告となりました。
どうしてこのような違いが出たのでしょうか。

後者の研究では、普通に食事をとっているサルは、砂糖も少なく適切な量をとっていた。
しかし前者の研究では、サルは好き放題に食べていました。その上、食事には30%の精製された砂糖が含まれていました。つまりウィスコンシン大学が研究していたのは、もともとメタボなサルだったんですね。

サルと人はとても近いです。
後者の研究から、今では「人は適正な量をとっているのと比べて、極端なカロリー制限をしてもあまり効果は期待できない」ということがわかっています。
つまり、適切な量でバランスのよい食事がよい、ということになります。

人にとって適切な量とは?

では、どのくらいが適切な量なのでしょうか。
それは年齢でだいぶ違ってきます。 若く基礎代謝が高い頃は男性なら3,000カロリーでもいいです。40代・50代になると、BMI=22くらいが適正となっていますが、そこから割り出した体重に×30カロリーをかけたくらいの量がよいとされます。

※BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

この量は、だいたい病院食くらいになります。健康な人だと少なく感じるくらいですね。

昔から言われる「腹八分目」、正しくは「お腹いっぱいになる前にやめるのがいい」ということです。
腹八分目で食事をとったあと、またお腹が空いたところで食べるのがいい、となります。
ただ、実行するのは難しいかもしれませんね。
(みず)

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