2017年7月7日(金)

日本の夏。尿路結石の夏。

丹野みどりの よりどりっ! / ライフ・ヘルスケア

泌尿器の病気「尿路結石」。
実際に経験のある方はもちろん、「あれ、すごく痛いんだよ」と耳にした方も多いと思います。
この尿路結石、実は夏にかかることが多いってご存知ですか?

今回は独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター泌尿器科医長の木村恭祐先生に伺いました。
聞き手は丹野みどりです。

尿路結石ができる仕組み

尿路結石とは、腎臓から尿道までの、尿の通り道にできる石のことです。どうして石が出来てしまうんでしょう?

「尿中にはカルシウムだとかシュウ酸という物質が含まれています」と木村先生。
体質によって多い少ないはありますが、通常はあっても問題ない物だそうです。

しかし、夏は汗をかきます。汗をかく以上に水分を摂らないと、尿が減って濃くなります。

「おしっこの量が減ると濃くなって、結晶が出てくるわけです。それが石となって流れてくるんです」

尿管に詰まった瞬間、痛くなる

とにかく痛いという尿路結石ですが、具体的にはどんな症状なんでしょう?

「石が落ちてくると、尿管に詰まって腎臓が腫れてきます。水腎症という状態になって、すごく激しい痛みが背中の方に起こります」

痛むのは背中なんですね。
「石ができて、おしっこになって出てくるまでの間、ずっと痛いんですか?」と心配そうな丹野。

「腎臓にあるうちは痛くないんですが、尿管に詰まった瞬間、急性期に痛みがすごく激しくなります。男の人だと我慢できません。女性は結構強いんですが」

男性の方が痛みが強く出るということだそうですが、いずれにしても男女ともに注意が必要です。

「急にできるのではなく、徐々に大きくなってきて、だいたい5ミリぐらいになると落ちてきます。腎臓の中で、石は数カ月かかって大きくなります」

石ができる原因は?

そもそも石ができてしまう原因は何でしょうか?

「水の摂り方だとか、食べるものだとか、また遺伝する石も中にはあります。一番はやっぱり生活スタイルだと思います」

さらに最近言われている因果関係がこちら。

「太ってる方、肥満が高い方は、尿中カルシウムが相関して多くなるものですから、メタボリックシンドロームと結石の発生には共通する部分があるようです」

尿路結石の治療法

尿路結石になってしまったら、どんな治療があるんでしょうか?

「5ミリぐらいの石は、自然に流れてくる可能性があるので、薬の服用と、水を一日に2リットルぐらい飲んでもらうことが基本です」

しかし、5ミリ以上の大きさだと出てこないそうです。

「尿酸結石とかシスチン結石に関しては溶かす薬があるんですが、それ以外のものに関しては外科的な治療になります。痛風という病気は、尿中に尿酸という物質がたくさん出てきます。それが固まってできるのが尿酸結石です。その場合、尿が酸性化しているので、アルカリ化する薬を飲むと、その石が溶けて小さくなる」

尿”酸”結石のように薬で溶かせれば一番いいのですが、尿”路”結石ではそうもいきません。一文字違いで大違いです。

大きい石は衝撃波で割る

「シュウ酸カルシウム結石というのが一番多いんですが、それは溶けないもんですから、そうなると外科的な治療が必要になってきます。CTを撮って、石の大きさと位置を確認して、一番最初に行うのは体外衝撃波。外から衝撃波を当てて石を砕き、それで尿で流す」

それでもダメな場合はレーザーを使うそうです。

「軟性鏡という胃カメラみたいな細い管を、尿管に通して、石を発見して、レーザーで割る」

これが今の流行りの治療だそうです。最終的には、そういう手段もあるわけですけれど、痛そうな治療ですね。

「すごく痛いです。これは」

石を予防する食事とは?

前述のように尿路結石は主にシュウ酸が結晶化するものです。
ということは、シュウ酸が多い食べ物に気をつければいいんでしょうか?

「シュウ酸はカルシウムを一緒に食べると、便で一緒に出てしまい、身体に吸収されません」

これは朗報です。
シュウ酸が多い食べ物は、例えばホウレンソウ、タケノコ、チョコレート、紅茶などがあるそうです。
これらを食べる時に、カルシウムを一緒に摂取すればいいわけです。
具体的にはどうすればよいのでしょう?

「ホウレンソウには、かつおぶしをかけますよね。かつおぶしはカルシウムです。タケノコに削り節かけたり、チョコレートにミルクを入れたり、紅茶はミルクティーにするとか、そうやってカルシウムを混ぜると、シュウ酸が多い食べ物を摂ってもいいんです」

これらは献立の定石。献立って理にかなっていたんです。

メタボの話が出たように、塩分や糖分の摂りすぎは禁物。あとは水分の補給が肝心です。

「夏場に関しては1.5~2リットルぐらい。ジュースではなくて水やお茶を飲むということが、一番予防にはいいかなと思います」

いろいろと痛そうな話でしたが、夏はとにかく水を飲みましょう。
(尾関)

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