2017年6月23日(金)

この時期だから知っておきたい「ハイドロプレーニング現象」

多田しげおの気分爽快!! / ライフ・ヘルスケア

先日西日本・東日本の太平洋側では、梅雨前線を伴った低気圧の影響で、大雨となりました。
そんな雨の日にクルマを運転していて、気をつけたいのが「ハイドロプレーニング現象」。

よく聞く言葉ですが、具体的にどういったものなのでしょう。
多田しげおが、工学院大学先進工学部機械理工学科教授、タイヤ力学が専門の中島幸雄先生に伺いました。

車が水上スキーのように水の上を滑る

そもそもハイドロプレーニング現象とはどういった現象なのでしょうか?

「自動車が水の上の路面を走るとき、路面とタイヤの間に水の層が生じます。あたかも水上スキーのように車が水の上を滑ってしまっている状態になります。
車のスピードが速ければ速いほど、水が強い力でぶつかってきて、タイヤ、つまり車全体を押し上げることになります」

ハイドロプレーニング現象が起こると、タイヤが滑り、ハンドルもブレーキも効かず、車がコントロールできないとても危険な状況になります。
車がスピードを出していることが条件ということですが、具体的に何キロくらいで発生するものでしょうか?

「100キロ以上で起こります」

路面に水がどれくらいの深さでたまっていると起きるのでしょう?

「深ければ深いほど、水がタイヤを押し上げる力は大きく、車は浮き上がりやすくなります。
通常の雨くらいだと、1ミリ未満の水の厚さですから大丈夫。しかし、部分的に轍などくぼみがあって、水が数ミリになっているところがあります。そこに入ってしまった途端、ハイドロプレーニング現象になることはあります」

注意すべきはタイヤ

ハイドロプレーニング現象には、クルマの速さ、水の深さが影響することがわかりました。では、この時のタイヤの溝はどう働いているのでしょう。

「雨が降っている時の溝の役目は、水がタイヤの中に入ろうとしても溝を通して、水をタイヤと路面の間から、外に逃がしてあげるという役割です。
通常の乗用車用のタイヤだと8ミリ程度の溝の深さがあります。それが残り1.6ミリ以下になると「スリップサイン」という、これ以上はタイヤを使えないというサインが出てきて、確実に100キロ以下でも起こる可能性が出てきます」

この他にも、ハイドロプレーニング現象には、タイヤの空気圧も関係しているそうです。
空気圧が少なくなると接地面積が大きくなり、結果的にタイヤが浮き上がりやすくなります。
普通の乗用車用タイヤで、横から見てへこんでるなという状況だとちょっと危ないそうです。

多田は力を込めて伝えます。

「タイヤの溝、空気圧、普段からのメンテナンスが大事ですが、雨が降ってる日はスピードは絶対出さない。特に路面を見て、水が溜まっていそうな時はスピードは控えめにして運転するということです」

生々しい体験談が…

ハイドロプレーニング現象を体験したというおたよりが届きました。

「以前FFのクルマに乗っている時に遭遇しました。時速90キロで走っていましたが、急にクルマが横滑りしました。スピードメーターを見ると140キロ。すぐにアクセルを緩めました。タイヤのグリップが戻り、車が安定しました。慌ててブレーキを踏んだり、ハンドルを切らなくて正解でした」(Aさん)

「息子が激しい雨の中、自宅近くの堤防道路を走行中に遭遇しました。クルマはくるくる回ってそのまま川へ。リアガラスが割れて、一瞬にして水が入ってきました。なんとか窓を開けて、沈んでいく車内から脱出して、川から這い上がって、雨の中を走って帰ってきました。それ以来、息子は雨の日の走行は慎重になっています」(Bさん)

条件によっては誰にでも起こることなので、スピードには特に注意したいですね。
(みず)

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