2017年6月13日(火)

中高年がキレやすいのは脳のせい?

北野誠のズバリサタデー / ライフ・ヘルスケア

最近、スーパーや電車内などで怒りをぶつける中高年を見かけることもあり、「暴走老人」という言葉も聞かれるほどです。
これは個人の性格や不満がうっせきした社会そのものが原因かと思いきや、脳の老化が原因という説があります。

この説を提唱する「『思考の老化』をどう防ぐか」(PHP文庫)という著書を書かれた、国際医療福祉大学の教授で精神科医の和田秀樹さんに、北野誠が「中高年がキレる理由と対策法について」をテーマに伺いました。

前頭葉が縮むとキレやすい!

脳の老化というと物忘れがひどくなるイメージがありますが、記憶をつかさどる海馬が老化するのは70歳~80歳です。

怒りや悩みの感情が大脳辺縁系で作られた後、前頭葉で感情がコントロールされるのですが、この前頭葉が縮み始めるのが40代からなのです。

年を取ると一般的に感情のパワーは落ちますが、あまり感情のパワーが落ちない人は、前頭葉が縮んでさらにコントロールできずにキレてしまうのだそうです。

前頭葉は普段は使わない部位であり、難しい経理などの計算をしている時は頭頂葉、本を読んでいる時は側頭葉を使っています。

その昔、前頭葉を切ることにより感情を抑えることができる上に、知能は落ちないという「ロボトミー手術」が重宝され、考案者はノーベル賞まで受賞しました。
しかし、この手術により感情のコントロールができなくなったり、まったく気力がなくなるなどの悪影響があることが後から分かったのです。

前頭葉は想定外のことが起きた時やクリエイティブなものの考え方をする時、必要に応じて感情を抑えたい時に働くものなのです。

よく「年を取ったら引っ越しすべきでない」と言われますが、これは前頭葉の衰えにより想定外のことに対応できず、適応能力が悪くなるので理にかなっているとも言えます。

さらに前頭葉が縮むと、新しいことを始める意欲が落ちてしまうため、脳や体を動かす機会が減っていき、将来的に要介護になったりする危険もあります。

前頭葉を鍛える方法は?

ここで北野誠が「前頭葉を若返らせる方法はありますか?」と尋ねます。
和田先生によれば「脳は10%ほどしか使ってないと言われるが、縮んでも(余地があるため)前頭葉を活用すれば良い」のこと。

例えば日清食品の創業者である安藤百福氏は61歳でカップヌードルを発明し、任天堂の山内溥氏は70歳近くまでファミコンなどのゲーム機製作を指示していました。

逆に普段からルーティンワークばかりこなすだけだと、30代や40代でも前頭葉がどんどん小さくなっていき、適応力が悪くなってしまいます。

北野が「昔よく脳トレが流行ったけど、これは効果がありますか?」と尋ねます。

和田先生は、「脳トレや単純計算、声を出して本を読むことにより、前頭葉の血流が増えることは分かっているが、長期調査がまだできていないため、老化予防につながるかどうかはまだ不明である」と答えられました。

脳に限らず、人間の部位は使い続けることが大事なので、その点では普段から脳を使うのが大事ですね。

とはいえ、前頭葉は想定外の時に使われるということですので、どうしたら鍛えられるのかが難しいですよね。

和田先生は、「全然違うことをすることが大事」と言います。
具体的な例では、政治的な意見などに関して自分の考えとは逆の本をあえて読んだり、絵を描くなどのクリエイティブな作業、あえて違う食材を使って料理をしてみるといったものです。

つまり、「自分に刺激を与えるのが大事なんですね」と北野がまとめました。

普段接していないラジオを聴いてみる、ということもそのひとつかもしれませんね。
(岡本)

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