2017年3月22日(水)

株式や為替相場で今なお「銭」が使われる理由

丹野みどりの よりどりっ! / ライフ・ヘルスケア

日常の素朴な疑問、皆さんの「キニナル!?」をその道のスペシャリストに伺う「これってキニナル」。
今回はリスナーさんからこのようなおたよりが届きました。

現在通貨としては「円」を使うのが当たり前なのに、為替相場や株式市場などのニュースでは「1ドル何円何銭」とか「平均株価何円何銭」といったように「銭」が使われています。
株式市場などでは、なぜ今でも「銭」を使うのでしょうか?

『北野誠のズバリ』の「ズバリマネー相談室」にも出演されている小宇佐・針田FP事務所のファイナンシャルプランナー針田真吾さんにお話を伺いました。

円の基礎知識

ご質問にあったように、現在日本で流通しているのは「円」だけです。
実は同じ「円」でも、硬貨と紙幣のふたつあるんですね。

まず硬貨についてですが、大阪にある造幣局で製造して財務局が引き取っています。
こちらは国が行っているため「日本国」と刻印されています。

紙幣は国立印刷局というところが作り、これを日本銀行が製造費用を負担して買い取っているんですね。
お札の製造にかかる費用、公開はされていないんですが、平均1枚あたり15~16円ほど。
1万円札はいろんな細工が必要ですので40円ほどかかると言われています。

お札の流通量は公開されており、現状で160.3億枚、金額にして102.5兆円ですね。
この量を積み重ねると富士山の420倍の高さに、横に並べると地球を62周できる長さとなります。

その後で日本銀行と取引のある金融機関が日本銀行に保有している当座預金をおろすことで、紙幣や硬貨が世の中に流通するという流れです。

銭の基礎知識

円が出来たのは明治4年。明治政府が基本単位に円、銭、厘を使うと決めました。
この背景には明治維新で経済がとても混乱していたこと、そして西日本と東日本で通貨制度のベースが異なっていたことがあります。
これを明治新政府が統一したわけですね。

1銭は0.01円に換算されますが、現在の流通で私たちが「銭」を使うことはありません。
流通していたのは昭和28(1953)年まででした。
第二次世界大戦で日本は多くの設備を失ってしまい、これらの処理費用として大規模な財政支出が行われたことにより、激しいインフレになってしまいました。
インフレということは物価が上がりますし、それによって通貨の価値は減りますよね。
その過程で「銭」や「厘」は価値を失ってしまったんです。

さて本題。「銭」が今も使われる理由

ではなぜこの「銭」が特定の市場で使われ続けているのかというと、簡単に言うと「円だけでは単位が粗いから」なんですね。

株式や為替市場では、とても大きな単位で金銭の取引がされます。
例えば為替市場で100万ドルの取り引きをしようとした時、為替レートが1ドル100円であれば日本円にして1億円の取引をすることになります。

この動きが「円」刻みで動くこととなると、100円の次は99円か101円となりますから、仮に101円で取り引きをすると日本円では1億100万円の取り引きとなるわけで、100万円単位での動きになってしまいます。
一方「銭」であれば0.01円ですから、先の例ですと1億1万円、つまり1万円刻みで取り引きが出来るわけです。
それゆえ「銭」が今なお使われているんですね。

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