多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

自閉症スペクトラム症に新薬の研究進む。「オキシトシン」に注目!

対人関係を築きにくくなるというタイプの発達障害のひとつ「自閉症スペクトラム症」。
この障害に対する新薬の開発が進み、臨床試験が始まっています。しかもこの新薬、鼻にスプレーするという投与の仕方で改善するといいます。

3月22日の『多田しげおの気分爽快!!』の「情報サプリメント」では、この自閉症スペクトラム症の新薬「オキシトシン」について取り上げました。
この薬を開発された、浜松医科大学精神医学講座教授の山末英典先生に伺いました。

[この番組の画像一覧を見る]

自閉症スペクトラム症とは?


まず、自閉症スペクトラム症とはどのような障害でしょうか。

「中核的な症状はふたつあります。
ひとつは『社会的なコミュニケーションの障害』と言われるようなもの。双方向の対人交流が難しいとか、人の気持ちを汲み取りながら、それに合わせて行動するのが苦手とか。
もうひとつが興味・関心が片寄りやすいということ。同じ行動を繰り返しやすい、何か変化があると、それに対して対応するのが難しく混乱しやすい、といった症状があります」

オキシトシンが有効


この「自閉症スペクトラム症」は、以前は「アスペルガー障害」とも言われていたものです。
この障害に対して「オキシトシン」というホルモンが有効だとわかってきて、山末先生はその研究に取り組んできていますが、そもそも「ホルモン」とは何でしょうか。

「人の身体の働き、脳の働きを健康に保ちやすいように調整している物質です」

オキシトシンとはどういうホルモンで、投与するとどういう効果があるのでしょうか。

「オキシトシンというホルモンは、例えば人の気持ちを読み取りやすくするとか、人と信頼関係を作りやすくするとか、家族の中で愛着を形成しやすくする効果がわかっています。
例えば、治療前はこちらから話しかけても反応が乏しく、無表情、無言でしばらく経ってからぽつりぽつり話す方が、何か聞くとちょっとはにかんで表情を変えてくれたり、反応の柔和さが出てきたりする、というケースを経験しました」

もともとオキシトシンは女性に多いホルモンで、愛着を形成しやすくするという効果があるそうです。

すでに世界では使われている


このオキシトシン、すでにヨーロッパを中心に使われているそうですが、どのように使われているでしょうか。

「鼻から吸うスプレーは授乳促進で使われています。お母さんが自分でオッパイをあげる前にスプレーで吸い込んで、その後でオッパイをあげると、授乳しやすいという効果があります」

この吸引の目的は、愛着を形成しやすくすることで、授乳の際にお乳が出やすくするというものです。鼻から吸うスプレーも安全性が確認されています。

山末先生はそれを「自閉症スペクトラム症」に応用できないかと研究されています。
効果はわかっていますが、適切な使用頻度や量は未確認です。それを臨床試験で確認していて5年程度で製品化を目指そう、ということです。

テレビ番組などで「幸せホルモン」「愛情ホルモン」として取り上げられることもあるオキシトシン。早く研究が進み、実用化されることを望んでいる方も多いのではないでしょうか。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2018年03月22日07時39分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報