2018年2月5日(月)

進歩する自動運転技術。私たちの生活はどう変わるのか?

多田しげおの気分爽快!! / ライフ・ヘルスケア

昨年12月、愛知県額田郡幸田町の公道で、全国で初めての無人自動運転システムの実証実験が行われました。
ドライバーが運転席にいない状態で走行させ、人や障害物に反応して止まるというものです。

2月2日放送の『多田しげおの気分爽快!!』金曜特集は「車の自動運転」がテーマ。
この幸田町での実験に取り組んでいた、名古屋大学未来社会創造機構 特任教授の二宮芳樹さんに伺いました。聞き手は多田しげおです。

日本でも進む自動運転の技術

─自動運転が進んでいると聞きますが、先生の研究のレベルではかなりのところまで来ているんですね。

世界では、愛知県でやったような実験は、公道でかなり行われています。日本もこのレベルに来たということは技術的にもかなり進んできているということです。

─日本は世界に追いついてきたという感じですか。

技術内容としてはもともと進んでいますが、公道でどこまで実験するかということについては、取り組みの違いもあります。そういう実験をずっとしているのは、アメリカではGoogleなんです。

自動運転レベル1~3とは?

─自動運転はレベル1からレベル5まであります。それぞれどんなことができるのでしょうか。

【レベル1】
危ない時にブレーキが自動でかかる、そういう意味で制御がひとつだけかかるのでレベル1。「運転支援」と言われるものです。
さらにオプションでクルーズ・コントロールが付いているものもあります。アダプティブ・クルーズ・ コントロールはアクセルの自動化です。
例えば高速道路でずっと80kmで走行しようと思ってセットすると、アクセルから足をはなしてもずっと80km。多少上り坂下り坂になっても80kmというものです。

【レベル2】
レベル2ではハンドルも機械がやってくれます。
アクセルとハンドルを自動でやってくれると、基本的に人間は運転しなくても車は進んでいきます。これもいろいろな会社が商品として出しています。

【レベル3】
機械が責任を持って運転しているから、ドライバーは他のことをしていてもいいよ、という感じの車です。

レベル2は機械の完成度がそれほど高くないのであくまでドライバーの責任のもとでやってくださいというもの。例えばクルーズ・コントロールなら、前の車が入ってきたら自分で運転します。
レベル3は、人は見てなくてもいいという状態を与えてくれます。

ただ、レベル3は車の判断で「ここからは運転できないから、ドライバーに変わってね」と言ってきます。例えば高速道路でETCゲートを抜けたり、急に大雨が降ってきたりしたら、センサーが見にくいので、人間がやってくださいとなります。

レベル3はどうして可能か?

─なぜレベル3のようなことができるのですか?

勝手に走る車というと、ゴルフ場のカート、工場内の搬送車とかあります。あれはレールがついていますが、車がレールの代わりになるような地図を持っています。その地図の上に書いているレールの上をセンサーで見ながら走っています。

よく使われている自動運転車のセンサーは「ライダー」といい、光を出して距離を測るものです。幸田町の実験でもあった、車の天井の上でぐるぐる回っている小さな丸いもので、周りにどんなものがあるかということを360度非常に細かく見てくれるものです。

それと地図を持っていて、どこをどう走っていいかをあらかじめ与えている。レールがあって誘導するのと同じような感じにしています。

自動運転レベル4と5は?

【レベル4】
レベル3は機械がお手上げの時に、人が運転しなさいというもの。
レベル4は、極端なことを言うと、免許を持たない人が乗っても機械が全部やってくれるのものです。
幸田町での実験は、このレベル4で行われました。

─自分で判断して車を運転していくというくらいプログラミングされている?

そうです。今のところ、ある特定の地域を、ある程度の速度で走れるものをレベル4と言っています。

─レベル5は?

特定の道路でもないし、速度の自由度も普通と同じ。要は「最終形態」です。

自動運転車のメリット

─近い将来そういう自動運転車が登場するとして、そのメリットは何でしょう?

欧米では非常に長い時間運転している人がとても多いので、運転している時間を無駄にしないようにしたいというところがあります。

日本で注目されているのは、どちらかと言うと中山間地域とか高齢者のドライバー不足の問題。それを解消するために、公共交通として移動サービスの自動運転車を走らせましょう。そういう社会的な背景があります。

自動運転車が作る未来の世界

─交通機関がないところに無人運転の車を走らせることができる、これは大きいですね。

最近のIT技術、通信技術を使ってもっと便利な乗り物にする。例えばバスを非常に便利な乗り物にする大きな方向が自動運転という技術と、あとコネクテッド=つながる技術です。つまりオンデマンドです。
世界の中では現在シェアリング、車を持つのもいいけど持たずに使う、というのも増えてきています。

─自分が使いたい時、スマホなどで操作して呼べば無人の自動車が来て、例えばスーパーまで連れて行ってくれるというものですね。

少ない車で、ものすごく効率よく流れるとか、駐車場が要らないとか、そういう世界が究極の自動運転ができた時の都市交通として考えられています。欧州では国を挙げてそういう都市を作ろうと考えています。

─自動運転車はSFの世界の第一歩ですね。

都市とか生活が変わります。いま若者も車を持たない人が増えています。公共交通が便利でないと不便になりますが、自動運転でオンデマンドで来てくれることが、本当に実用化され普及してくると、シェアリングの車で移動する人が増えるんじゃないかと思います。

─社会全体での経済効率が高まる、ということでしょうか。

車の台数自体はあまり増えませんが、車がすごく働くようになるので。

─最後に、自動運転の車になったら事故は限りなく減るんでしょうか?

事故の原因の90%は人間のミスと言われています。事故原因となるわき見、居眠りなどを機械はしません。車はすぐに停まれませんから、飛び出した時に停まれるかというと…。予測できないことには対処できないというのは最後まで残る問題です。事故は減りますが、ゼロになるとは簡単には言えないと思います。

自動運転による新しい生活がすぐそこまで来ているのですね。
(みず)

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