2017年12月20日(水)

知っているようで知らない下剤の世界

多田しげおの気分爽快!! / ライフ・ヘルスケア

12月18日『多田しげおの気分爽快!!』では”下剤”について取り上げました。

便秘に悩んでいる方、あるいは胃の検査でバリウムを飲んだ方は、下剤を使用することがあると思います。
そもそも、なぜ下剤を服用すると排便が促されるんでしょうか?
藤田保健衛生大学病院 消化管内科教授の大宮直木先生に教えていただきました。

水で便を柔らかくして出す

下剤には大きく二つタイプがあります。
まずは一般的な下剤といわれているのが塩類性下剤。
副作用が少なく癖になりにくいので「非刺激性下剤」と言われています。このタイプはどういう仕組みで排便を促すんでしょうか?

「これはマグネシウムのお薬で、浸透圧で水を腸内に引き込むんです。大腸の中の水分を増やして、便を柔らかくして出すというものです」

わざわざ薬を飲まなくても、口から水を飲めばいいんじゃないですか?

「水分は胃とか小腸でかなり吸収されてしまいますので、大腸までは到達しないんです。もちろん水分を多く摂るということは大事なことですけれども、飲んだ水がそのまま大腸に入って便を柔らかくするということではありません」

蠕動運動させて出す

「非刺激」があれば「刺激性」もあります。
一方の「刺激性下剤」とはどういうものなんでしょうか?

「これは大腸を刺激して、大腸の蠕動運動を活発にさせます。腸を収縮させて便を押し出すというのが刺激性下剤です。これは直接、大腸の神経叢を刺激して、収縮を促す薬です」

長期連用は危険

刺激に慣れてしまうと効果がなくなってしまうのが世の常。この「刺激性下剤」にもそういうことがあるようです。

長期の使用で耐性ができて、却って便秘になってしまうことがあるとのこと。
直接、大腸の神経叢を刺激して収縮させるため、使いすぎにより大腸の神経が疲弊するそうです。

「腸が膨れてきて収縮しない、という状態になってしまうんです。あと他の副作用としましては、腸を収縮させるので血流が悪くなって、虚血性大腸炎という血便が出たり、お腹が痛くなったりする病気を引き起こすこともあります。
長期連用してますと大腸の粘膜が黒ずんでくるということも起こるので、刺激性下剤は長期連用しないことが大事です。どうしても便が出ない時に頓服的に使ったり、短期的に使うということが勧められています」

多様すると腸の内部が黒ずんでくる、これはポリープ、時には癌などに進行する場合もあると言われています。

基本は生活習慣

下剤の利用を避けるには、やはり便秘を克服すること。
そのためには生活習慣の見直しが大切です。規則正しい生活に、食物繊維の多い食事を摂ること。

食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の二種類あり、便秘の時に摂取した方が良いのは水溶性食物繊維です。
これは文字通り、水に溶けるタイプの食物繊維で、腸内の善玉菌を増やし、柔らかい便を作る働きがあります。

水溶性の食物繊維を多く含む野菜は、ゴボウ、カボチャ、オクラなど。果物ではアボガド、キウイ、イチゴ、リンゴなどです。

加えて運動、特に歩くことが快便の秘訣だそうです。やってるんだけど…と言う方がいるかもしれませんが、大宮先生に言わせると「それはやってないレベルですよ」ということでした。
便秘解消は、まずは生活習慣から。
(尾関)

アーカイブス

同じカテゴリー

|
facebook twitter hatebu line