2017年11月13日(月)

自覚症状のない”すい臓がん”を見つけるには?

多田しげおの気分爽快!! / ライフ・ヘルスケア

11月はすい臓がん啓発月間です。16日は世界すい臓がんの日でもあります。
そこで11/11の『多田しげおの気分爽快!!』金曜特集では「すい臓」を取り上げました。

すい臓がんは自覚症状がほとんどなく、検診でもなかなか見つからない、わかった時にはかなり進行しており、治療が難しい病気と言われます。

そもそもすい臓はどこにあって、どういう働きをしている臓器なのでしょう?
名古屋セントラル病院の院長、名古屋大学名誉教授でもある中尾昭公(あきまさ)先生にお話を伺います。中尾先生はすい臓がんの手術に関して世界の権威です。

すい臓はどこにある?

──そもそもすい臓とはどこにありますか?

胃の裏、背骨の前に、水平方向に横たわっています。

大きさは横に15cm~20cm、上下にせいぜい4、5cm、厚みが2、3cm。色は黄色。割とやわらかいのが正常なすい臓です。
そして十二指腸につながっています。

すい臓の役割は?

──すい臓の役割は何ですか?

大きく二つあります。
ひとつは、われわれが食事をします。炭水化物、脂肪、たんぱく質、それらを消化してくれるのは、すい臓から出た無色透明なすい液です。
その中に食べ物を消化する、アミラーゼなどの消化酵素があり、それが十二指腸に出ます。すい液が食事と混じり合って小腸の中を通過していく間に消化されて吸収される。
これがひとつの役割の消化です。

もうひとつの役割は、糖尿病にならないようにインシュリン、グルカゴンなどのホルモンを分泌しています。血糖を調節するホルモンです。
だからすい臓が悪くなると、消化不良になったり、血糖が上がって糖尿病になるなどして、おかしいとなります。

消化と、糖尿病にならないための内分泌、という二つの大きな役割を担っているのがすい臓です。

どう血糖値の調節をする?

──インシュリンなどのホルモンはどうやって血糖値を調節してくれるのですか?

食事で甘いものを食べると血糖値が上がります。それを感知して、すい臓からインシュリンが分泌されます。これには糖を細胞の中にとりこんでエネルギーにするという作用があります。

それでだいたい、いつも一定の血糖値になります。
これができなくなった人が糖尿病です。

血糖が少ない時は、グルカゴンという別のホルモンが分泌され、血糖をあげる手伝いをします。
両方ともすい臓の細胞から出てくるのです。

暴飲暴食はダメ!

──すい臓の病気には、すい炎とかすい臓がんがありますが、その原因は何ですか?

すい炎の原因の多くは暴飲暴食、特にアルコールです。
それから胆石。胆のうにあったのが落ちてきて、すい液が出られなくなったりします。

あまり暴飲暴食をするとすい臓が疲れて、インシュリンを分泌する力が弱くなってきます。
腹八分目がいいです。

ガンはすい臓のどこにできる?

──すい臓がんはすい臓のどこにできますか?

すい臓はひとつの臓器です。分かれてはいません。右から左へ横たわっていて十二指腸にくっついています。だいたい右から左に三等分して、いちばん右を頭、すい頭部、真ん中をすい体部、いちばん左をすい尾部といいます。

ガンは頭部にできることが多いです。頭部はすい臓の水が十二指腸に流れ込むあたりです。
胆のうから流れ落ちてくる胆汁がすい臓の頭を横切って十二指腸に同じ場所から出ます。そこにガンができることが多く、そこにできるとお腹がちょっと痛いとか、胆管が詰まると身体が黄色になります。しっぽにできるとほとんど症状は末期まででません。

手術は頭の方が難しいです。胆管は絡んでいるし、十二指腸も絡んでいる。それらをすべて取って、つなぎ変えるということです。しっぽにできると、そこを切るだけです。

なぜ発見しにくいか?

──なぜすい臓がんは発見しにくいのですか?

日本は、厚生労働省が40歳をすぎたら胃ガン、大腸ガンは早く診断しようというキャンペーンで、みなさんよく胃カメラ、大腸カメラをされます。
日本の胃ガン、大腸ガンはほぼ半数は早期で見つかります。これは世界的に最も優れた国です。胃ガン、大腸ガンは手術で取れたら7割くらいは助かります。

ところが、すい臓をどうやって見ましょう?
カメラを入れてもわからない。超音波で身体の外からすい臓を見ることは難しい。造影剤を入れてCTで見るとか、PETで見るとかしかない。
PETは、注射でお薬を入れるとガンに薬が集まってそこが光るという検査です。

糖尿病の人は検査を

──場所が見つかりにくいから、発見しにくいということですね?

すい頭部にできたら、ほとんどの方は黄疸が出てから病院へ来られます。
それはガンがある程度大きくなって胆管をふさいでからです。

だからすい臓がんに特化した人間ドックをやらないと無理だと思います。

糖尿病の方は何百万といらっしゃいます。実はその裏にはすい臓がんがあって、すい臓の機能が悪くなっている時が多々あるので、糖尿病の方は、そこのお医者さんなり、専門家のところで年に1回くらいはすい臓がんの検診も兼ねて診てもらった方がいい、とよく言っています。

40代以上から検査を

──年齢的にはいくつ以上がやった方がいいですか?

年齢的には60代、70代になる方が多いですが、検査は40代とかからがいいです。特に、身内にすい臓がんで亡くなった方がある方は、年に1回くらいはそういうドックをうけるのがいいと思います。

小さいうちに見つける

──早期に見つければ治りますか?

すい臓がんに「早期ガン」という言葉はありません。
小さくても肝臓に転移したということはあります。当然小さいほど、切除後には長生きできるというデータはありますので、小さいうちに見つけるのが良いです。
特に糖尿病の方は、すい臓がんに特化した検査を受けましょうということです。

「見つけにくいガンではありますが、なるべく小さい時に見つけて、なくそうすい臓がん、減らそうすい臓がんということです。ありがとうございました」と多田は締めました。
(みず)

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