11月19日放送『つボイノリオの聞けば聞くほど』(CBCラジオ)では、パーソナリティの小高直子アナウンサーがお休みのため、代わりに入社1年目の小川実桜アナウンサーが出演。
関西出身で現在は名古屋で暮らす小川アナは自炊の機会が増え、あらためて調理方法についてきちんと知りたいと考えたところ、料理に新たな発見があったといいます。
アイスクリームがおいしくなる基準
大学時代に理系を専攻していた小川アナは「料理を科学的に見ることができないか」と考えていたところ、『料理と科学のおいしい出会い 分子調理が食の常識を変える』(DOJIN文庫)という書籍に出会い、新たな知識を得たとのこと。
例えばアイスクリームの食感について、氷の粒の大きさにより滑らかだったりザラザラしたりすることがすでに研究されているそうです。
例えば氷の粒がおよそ35マイクロメートルより短い大きさの粒だと著しく滑らかな食感になるそう。
ちなみに1マイクロメートルは、1ミリメートルの1000分の1の長さです。
35~55は滑らか、55マイクロメートルより大きいと、粗い食感となるそうです。
ちなみに人間が感知できる粒の大きさはだいたい20から数十マイクロメートル。細かい違いでも違いを感じ取れるそうです。
またアイスクリームは長持ちするため冷凍保存することが多いですが、しばらく経ってから食べるとあまりおいしくなくなるということはないでしょうか?
これは原材料が古くなったせいではなく、家庭用の冷蔵庫では温度が上がって氷の粒が大きくなり、粗い食感となるからおいしくないと感じるそうです。
スパイスで肉の臭みは消えていない
肉を焼く時に味付けとしてスパイスをかけますが、これにより臭みが消えると思っている人は多いでしょう。
臭みの原因をスパイスが科学的に消し去っているのかと思いきや、実はそうではないそうです。
例えば肉料理によく使われるクローブというスパイスには、オイゲノールという成分が含まれています。
その香りを嗅いだ時、鼻の粘膜で分子をキャッチし、それを脳に信号として伝えて、脳が香りを感じるという動きになっています。
オイゲノールが脳に伝わる信号が、肉や魚の臭みが脳に伝わる信号を抑えているため、脳は臭みを感じにくいのだそうです。
つまり、実際には肉の臭み自体は消えておらず、臭みが少ないように脳が感じているだけなのです。
同じようにショウガもシオネールという成分が、魚の臭みの原因となるアミンを隠す動きをすることで、臭みが消えたように感じるのだそうです。
料理は数学
昔から臭み消しとしてショウガが使われてきたものの、その効果は脳の働きによるものと知られていたわけではなく、経験から今に伝わっているのです。
つボは「料理は文化系の人のものかなと思いましたが、理数系の人から見る料理というのは一聴に値することであるし、この番組でいつも本を紹介している高野文枝さんという方の旦那さんがめちゃめちゃ料理が上手なんですよ。
その料理の作り方を見てたら、特にフランス料理は『これは数学だと思った』と言ってたので、数学というところから料理を見てみるとまたもうひとつ違ってくるなと」
お菓子などは材料の分量や温度などをきちんと計量しなければならず、目分量では失敗する可能性が高くなります。
これ以外にもまだまだ料理のおいしさには科学的な根拠がたくさんあるようですが、小川は「今はまだ野菜炒めなどざっくりとした料理しか作れない」とのこと。
「知識を得て料理に活かしていくのがこれからの課題」とまとめました。
(岡本)
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2024年11月19日11時08分~抜粋