10月1日、環境省と日本自然保護協会は、2005~2022年度の17年間で全国の里山などから得たデータから、日本に生息するチョウ類や鳥類、ホタル類などが減少していると報告しました。
特に鳥類では私たちになじみのある「普通種」と呼ばれるスズメが3.6%減少。またホトトギスは4.4%も減っていたとのことです。
こうした現象は世界各地で起こっています。
16日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオと小高直子アナウンサーがWWFが発表した衝撃的なレポートについて紹介します。
生きている地球指数
10月21日から11月1日、コロンビアのカリで「生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)」が開催されます。
その開催に先立ち、環境保全団体のWWFが『生きている地球レポート2024 - 自然は危機に瀕している -』という報告書を発表しました。
それによれば、1970年から2020年までのわずか50年間で、自然と生物多様性の健全性を図る指数「生きている地球指数」が、地球全体で73%も減少したと報告しています。
小高「これはなかなか衝撃的な数字ですね」
つボイ「『生きている地球指数』って言う調査があるのは知らなかった」
この指数はWWFが毎年公表しており、絶滅危惧種をはじめ、世界各地の野生生物の状態をおよそ5千の地域で調査。その個体数の減少率などをもとに算出しています。
欧米も実は深刻
指数のうち、減少が最も激しいのは淡水域で、なんと85%もの減少。淡水魚や両生類などが河川や沼・湖や湿地などで住みにくくなっていることが明らかになりました。
また陸域や海域の指数も著しく減少しているそうです。
つボイ「この50年『開発』という言葉が『自然破壊』とセットで使われましたよね」
地域別に見ると、数値の減少が著しいのが中南米・カリブ海地域のマイナス95%。
アフリカ地域のマイナス76%、アジア・太平洋地域のマイナス60%と続きます。
ヨーロッパと北米の数値は低いものの、「1970年以前から生物多様性の危機が始まっていた」との注釈があります。
小高「もっと前から生物多様性の破壊が進んでいたということなので、数値は抑えめでも深刻なことは変わりませんね」
つボイ「昔は秘境と呼ばれるような地域も世界にはあったのに」
アマゾンやアジアなど、地球ではごくわずかな熱帯雨林も、農園の開発や焼き畑農業などにより次々と破壊されています。
後戻りできない危険な状態
WWFは「この危機は、開発などによる自然の損失と気候変動の2つが連鎖して起きていて、社会の不安定化を招くような危険な転換点である」と警告しています。
後戻りできない危険な転換点(ティッピング・ポイント)を超えてしまうと、想像以上のスピードと変化が起こり、まったく予期できない危険な状況や結末を迎えてしまうおそれがあります。
現在世界各地でティッピング・ポイントを迎えつつあるのです。
つボイ「今だけ、自分だけがいいというのではなく、残していく環境についても考えないといけないですね」
この報告書については、WWFジャパンのホームページでも詳細を見ることができます。興味のある人は、ぜひ見てほしいと小高。COP16の行方にも注目です。
(葉月智世)
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2024年10月16日11時32分~抜粋